要介護認定期間、延長か!?

要介護認定は、自治体の認定調査員が心身の状況調査などをする1次判定と、その結果をもとに学識経験者が審査する2次判定からなる。
要介護の認定者数は2015年4月現在で608万人。高齢化に伴って介護保険制度が始まった00年4月時点の約2.8倍に増え、自治体の認定業務の負担が重くなっている。

また、申請から認定結果が出るまで1カ月以上かかるケースも出てきており、厚労省はいったん要介護認定を受けてから更新申請をするまでの期間を延長することで、自治体の負担を軽くする目的で、介護保険サービスの必要な程度を判定する「要介護認定」について、厚生労働省は最長2年の有効期間を3年に延長する方針を固め、9月7日に開かれる社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会で案を示す。
ただ、有効期間中でも心身の状態に変化があった場合は、本人らが変更申請をすれば要介護認定を受けることができる。

■2016年9月現在の厚生労働省が定める要介護、要支援の新規認定期間

(1) 要介護、要支援(新規)認定の有効期間:6ヶ月(市町村が必要と認める場合にあっては、3ヶ月から12ヶ月の間で月を単位として市町村が定める期間)

(2) 要介護更新認定の有効期間:12ヶ月(市町村が必要と認める場合にあっては、3ヶ月から24ヶ月の間で月を単位として市町村が定める期間)

研修医、院内送別会で飲酒し交通事故

自らの送別会の後、酒気帯び運転の疑いで研修医逮捕。逮捕されたのは、長野県飯田市立病院の医師・宮崎暁容疑者(31)。警察の調べによると、宮崎容疑者は2016年9月5日午後11時ごろ、病院前の交差点で40代の女性が運転する乗用車とぶつかり、警察が駆け付けて宮崎容疑者の呼気を調べたところ、基準を超えるアルコールが検出されたため現行犯逮捕された。宮崎容疑者は研修医で、9月末でこの病院での研修を終える予定で、9月5日は院内で送別会が開かれ、ビールなどを飲んでいたという。
 

病院内で送別会や歓迎会、祝賀会などを行うことはよくある。しかしながら、車を運転する者にアルコールを進めることは基本的にはない。今回の場合は、公的な病院の職員が飲酒して運転をした個人の問題よりも、飲酒を進めた、もしくは制止しなかった人たちの罪の方が大きい。送別される者は進められると断れない事情がある。この研修医は逮捕されたことにより、公的な病院では勤務することはできなくなった。

離職者が多いと病院も倒産

労働局と大阪西労働基準監督署は7月13日、職員約100人に2015年11月の給与計約2千万円を支払わなかったとして、最低賃金法違反と労働基準法違反の疑いで「ときわ病院」を捜索した。病院は2015年12月、スタッフ不足を理由に入院患者の受け入れを中断し、従業員の大半が離職。外来診療を続けるために必要な人員だけが残留していた。
 

関係者によると、病院側は2016年9月10日で外来も終了する方針を固め、すでに職員に解雇と病院閉鎖の方針を伝えた。
 

企業倒産により退職した労働者に対しては、国が未払い賃金の8割を立て替え払いする制度がある。ときわ病院の場合、2015年12月の大量離職から6カ月以内に常磐会が倒産(破産、民事再生などの申請)していないため、大阪西労基署が閉院により「事実上の倒産」を認定することで、元職員らは救済を受けられることになる。
 

ときわ病院は一般病床58床。内科や整形外科などがあり、リンパ球を培養する再生医療も実施していた。

2015年医療施設調査結果

2016年9月5日、厚生労働省が公表した2015年の調査結果によると、都道府県ごとの病院の数は、11都府県で前年と比べ増加。東京は6施設、埼玉と福岡は2施設ずつ増えた。一方、鹿児島(前年比4施設減)や北海道(3施設減)、岡山(同)など19道府県は減った。
 

また、病院の病床数は東京(1056床増)や千葉(574床増)、奈良(272床増)など11都府県で増え、北海道(825床減)や兵庫(393床減)など36道県で減少した。前年と変わらず、病院病床数が最も多いのは東京(12万8166床)、最も少ないのは鳥取(8706床)で、2都県の差は前年の11万8388床から11万9460床に広がった。
 

都道府県ごとの人口10万人当たりの病院病床数は22府県で増え、25都道県で減った。最多は高知の2521.8床、最少は神奈川の810.4床で、2県は前年も最多・最少だったが、2県の差は43.9床拡大した。
 

病院の一日平均在院患者数は125万5404人で、前年と比べ5777人減った。人口10万人当たりの都道府県別の一日平均在院患者数は11県で増え、36都道府県で減少。前年と同じく高知(2107.4人)が最多、神奈川(645.5人)が最少だったが、2県の差は33.2人に広がった。
 

一方、病院の一日平均外来患者数も、前年の137万2114人から136万6693人に減少した。都道府県ごとの人口10万人当たり患者数は、17県で増えた一方、30都道府県で減った。前年と同じく高知(1745人)が最多、静岡(833.7人)が最少で、2県の差は17.7人拡大した。
 

2015年の有床診療所(歯科医業のみを行う診療所を除く)の数は、前年と比べ394施設減り、7961施設だった。有床診の施設数は減少傾向が続き、8000施設を割り込んだ。
 

一方、病床を持たない無床診療所は9万3034施設で、前年と比べ928施設増えた。
 

こうした施設数や病床数、地域で必要な診療科、医師数や看護師数、介護士数などが、人口動態(高齢化の状況、少子化の状況など)によって地域医療構想(2018年3月までに作成)に大きくかかわり、地域の医療構造も大きく変化していく。

人口減少で看護師の働き方はどう変わるのか- 自民・高階参院議員

2010年の参院選で、看護師出身では20年ぶりに当選を果たし、2016年7月の参院選で再選した高階恵美子議員(自民)は、医療と介護は少なくとも20年先を見据えた制度設計が必要と強調する。高齢者人口がピークを迎える2042年を視野におくという。
 

20年先を見据えるのは、一定の周期で大きな波が来るためだという。
 

例えば、合計特殊出生率は1974年を境に2.1を割り込み、その後20年余で1.5まで落ち込み、下げ止まりが見えなかった。日本は今から40数年前、将来的に人口が減少するとされる目安を過ぎ、やがて国力が衰えるとされる水準をも突破して2005年を節目に人口減少の段階に突入した。ちなみに過去40年間で15-49歳女性人口はすでに446万人減少している。
 

高階議員は、次の展開を見越し、手を打つべきタイミングがあるという。
 「年金制度は60年のタームで考える。社会保障は大きな方向性を定めた上で、時代に合わせてメンテナンスする必要がある」
 

目前に迫る18年度の診療・介護報酬の同時改定のポイントについて、高階議員は、本当に必要な医療へのアクセスをしっかり確保しつつ、その一方で誰にも訪れる死を見つめ、人生の最終段階を穏やかに過ごすための環境をつくるという2つが軸になるという。
 

診療報酬はこれまで、高度先進医療を頂点に、急性期、回復期、慢性期といった順で“階段状”に付けることが、常識だったかもしれない。だが、その延長上で介護報酬が低く抑えられたままなら、介護現場の疲弊は続き、安定的に働ける環境も整備できない。雇用主や職員、そして利用者のなかには「このままでは介護サービス自体が続けられない」と感じている方も多い。新たな報酬体系も、再考する時期に来ており、評価体系が必要と考えている。
 

精神医療では、身体合併症を抱える患者の受け入れ先が限られがちであるなど、精神疾患があるために通常の医療サービスにアクセスしにくい現状を変える努力が必要である。「高度急性期医療の現場からは『重装備にしたので、点数を上げてほしい』との声が強くなるかもしれない。しかし精神科医療にも、しっかりと評価の目を向けていかなければならない」という。
 

高階議員は、18年度改定では、現場に集積したノウハウを初めて点数に反映できるようになると話す。病床機能報告など、データに基づいた評価が本格的に進められるためだ。
 

評価の最大のポイントは地域包括ケアであり、これまでの主流だった施設型の報酬体系から、少人数チームで地域に出ていくような、訪問型の報酬体系にフォーカスしていく。
 

訪問看護では、物品購入や請求業務、自動車の運転など、医療以外の周辺業務が6割近くを占めるといわれる。経営が厳しいのも、訪問看護の直接的な業務に対する報酬で、周辺業務の費用まで賄うためで、小規模の事業所ほど、負担が重くなる。何でも自分たちでやろうとせず、異業種を巻き込むべきと高階議員は言う。
 

例えば、高齢者が住まいで困っていれば不動産鑑定士、金融面なら公認会計士、運転はドライバーに任せれば、訪問看護師はより中核業務に時間を割ける。
 

そのための費用についても、公的保険だけでなく、街づくりの視点で、地方交付税交付金からの捻出も考えられるのではないかという。
 

地域包括ケアが広がる中、施設の外で働くことが求められるなら、看護師の意識や働き方も変らざるを得ないといい、「異業種の人とも一緒に働き、地域をつくっていく存在にならなければ、地域が持たない」と述べる。
 

生産年齢人口が減っていく中、今の働き方でいいのか、どこまでが自分の領域なのか、看護師も自問自答するようになるといい、「異なる職種と交わる中で、自分の専門性や他の職種の役割が見えてくれば、もっと上手に役割分担ができるはず」と語る。
 

働き方も変わる。「フルタイムで働かなければ、一人前ではない」というこれまでの常識が変わることを、現場も社会も理解する必要があると指摘する。
 

介護職や保育士と併せ、看護師も処遇改善が必要と訴える。命に寄り添い、瀕死の状態の人とも向き合う職種の給与が、全産業の平均を下回るのは疑問といい、「社会保障を実現していく人たちの労働環境と処遇を改善しなければ、どんなに素晴らしい制度を設計しても、絵に描いたもちになる」という。
 

「医療・介護従事者はもっと“日本流”を意識した方がいい」と高階議員は言う。
 

日本の介護や看護の技術は独創的で、高齢化が進む国では、人材育成や働き方、周辺産業の育成も含めて、日本の動向に注目している。
 

また、日本独自のイノベーションも目指すべきという。新薬の開発、ロボットやAI(人口知能)といった分野の期待が高いが、人の手を通じたケアの重要性は今後も変わらず、そこにも技術革新の芽があるという。
 

高階議員は、「医療や介護の人材を育て、ノウハウを集積し、経験をつないでいくことに価値があり、社会で共有する財産である」という理解を早急に国民に求めていくべきと話す。高階議員は、日本の医療に新たな選択肢が加わると見ている。東京オリンピックが開かれる2020年、政府は訪日外国人観光客を現在のほぼ倍の4000万人まで引き上げようとしている。
 

外国人観光客が増えれば、スポーツ医学・看護やリハビリ、旅行に関連する医学のニーズの増加が見込まれる。さらに、技術革新によって、先進医療や美容医学、予防医学などの保険外の分野も、新たな産業として成立する可能性が十分にあるという。そこに、新たな分野に魅力を感じ、自分の技術や経験を生かそうとする医療従事者も集まるかもしれない。
 

医療のフィールドを広げていくことについて、「日本の強みをどのように形にしていくのか。人口減少が進む中で、日本が元気になるための一つの方法ではないか」と高階議員は強調した。

AEDデータの有料化

AEDの使用は、厚労省は基本的に「医行為に該当する」としながらも、一般市民が反復・継続して行わない場合は、医師法17条に違反しないとの通知を都道府県あてに出し、医療従事者以外の人がAEDを使用した場合の効果についても、救急搬送の事後検証の仕組みの中で的確に把握し、検証することを求めていた。
 

また、厚労省は2015年8月、ホームページで救急医療財団の小委員会がまとめたAED設置登録情報の有効活用の報告書を公表し、AEDの内部データは心停止状態の心電図波形を確認できることから、「使用された個人の治療方針の決定に重要な材料となるとともに、市民の活動の評価も可能であることから公衆衛生上も重要なデータ」と位置付けていた。
 

AEDの製造販売会社もAEDが使用された患者の搬送先の医療機関や公共機関から、AED内に記録されたデータの提供を求められた場合、無償で提供してきた。
 

しかし、2015年度にAED製造販売会社などが加入する電子情報技術産業協会(JEITA)が、AEDのデータ提供に関する通達を会員に出したことで、これまでの医療者と業者、行政の“協調体制”は一変した。通達などによると、医療機関や公的機関などへのAEDのデータ提供については、医療機器業の公正競争規約を管理・運用する業界団体の医療機器業公正取引協議会が、医療機器の選択や購入を「誘引する手段としての便益労務」に該当するとした。この見解を受け、製造販売会社は2016年4月ごろから、医療機関に対して「AEDのデータ抽出および提供は必要最低限の実費をいただく」などと有料化の周知を始めた。
 

救急医療・自治体関係者によると、ホームページに1回当たりのデータ提供の価格を1万円と記載する製造販売会社もあり、MC協議会の医師がAEDを使った患者の事後検証の際、データ提供を要望したところ、業者側から提供料の支払いを求められたケースがあった。
 

MC協議会には提供料を払えるほどの予算はなく、患者のデータ検証が一時停滞する事態に陥ったため、関係者が厚労省に相談。この問題を把握した栃木県も厚労省に対し、AEDデータの有料化の適用範囲に関する照会を行った。厚労省の担当者は、MC協議会へのデータ提供は「便益供与」に該当せず、今まで通り無償での提供が妥当との考えを示し、問題の解決に向けて助言したという。
 

ただ、厚労省が「無償」との見解を示したのはMC協議会の事後検証のみで、医療機関の救命救急センターは、「便益供与」の範囲内に含まれる。このため、救急搬送患者が使用したAEDのデータ提供については、搬送先の医療機関の救急医らが「患者の治療に必要」としてデータの提供を要請した場合でも、製造販売会社から提供料を請求される恐れがある。
 

救命救急センターの医師や救急医療関係者は、搬送先の医療機関や患者に金銭的な負担が及ぶ可能性があることに加え、医師による事後検証を前提に、市民によるAEDの救護活動ができる体制が整えられていることから、国が推進するAEDの普及に逆行していることを挙げ、「AEDの売りっぱなしは国民と医療関係者の理解を得られない」として改善を求めている。

■AEDとは

A:Automated(自動化された)、E:External(体外式の)、D:Defibrillator(除細動器)の略で、自動体外式除細動器をいう。
心停止には、電気ショックの適応となる「心室細動」と呼ばれる心臓がこまかくふるえることによって、血液を送り出せなくなる不整脈(心停止状態)によるものと、適応でないものとがあり、心臓の状態をAEDが判断して、自動的に電気ショックが必要かどうかを音声で教えてくれ、必要時に電気ショックをすることで、心室細動を止めて正しい心臓のリズムに戻すことができる仕組みになっている。

介護受給者、600万人超え

厚生労働省の2015年度の介護給付費等実態調査によると、介護サービスか介護予防サービスを受けた人は2014年度比16万8100人増の605万1100人だった。
 

介護サービスの受給者は484万人(前年度比13万400人増)。このうち居宅サービスは370万7200人(10万8900人増)、施設サービスは123万1800人(2万2300人増)、地域密着型サービスは53万8000人(2万8300人増)、居宅介護支援は335万900人(8万3700人増)だった。
 

高齢化により、介護受給者はまだまだこれから増加していく。2060年までは高齢者の減少は見られない。いかに健康寿命の延伸を図るかが重要となる。

関空で麻疹集団感染、医師・救急隊員も

大阪府は、関西空港内の事業所で麻疹(はしか)の集団感染が起き、診察した医師と搬送した救急隊員が感染したと発表した。
 

府によると、8月から今月9月にかけて、関西空港内の事業所の勤務者が麻疹に感染したとの報告が相次ぎ、9月4日現在、検査で32人の陽性者が確認されている。このほか、事業所の陽性者を診察した医師1人と、搬送に当たった救急隊員1人(いずれも40歳代)が陽性となった。この2人は、陽性者と接触した際、感染したとみられる。
 

医師と救急隊員はいずれも8月下旬に発症した。医師については、症状が出た後は患者の診察を行っておらず、今のところ患者や他の医療従事者が感染したとの報告はないという。感染から発症までの潜伏期間が10日ほどあるため、保健所が患者の発生状況の把握に加え、陽性者と接触した人の健康観察を実施している。
 

麻疹に感染した場合、発熱や発疹などの症状が出る。肺炎や中耳炎などを合併することが多く、患者の約1000人に1人は脳炎を合併し、死に至ることもある。厚生労働省は先月24日、都道府県などにあてた事務連絡で、発熱や発疹の症状のある患者の予防接種歴の確認や、空気感染もあり得る感染力の強さを考慮した院内感染対策を実施する必要性を挙げていた。

施設基準の届け出期限延長措置終了の通達、厚労省

2016年の診療報酬改定に関する一部の経過措置が9月内で終了するのを前に、厚生労働省は、関連する施設基準の届け出の期限を延長することを決め、全国の地方厚生局に通達した。医療機関が、経過措置の対象となっている報酬を来月以降も受け取るには、来月3日までに地方厚生局に届け出る必要があるが、これを4日間延ばす。
 

今回の改定では、患者の重症度を測る指標となる「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の項目が大幅に見直され、7対1入院基本料を届け出る病棟では、看護必要度を満たす「重症者」の割合が、「15%以上」から「25%以上」に引き上げとなった。

こうした基準は月末まで適用が免除されているが、関連する診療報酬を来月1日以降も算定するためには、遅くとも今月1日から、新たな看護必要度で重症度の測定を始めるとともに、新基準を満たさなければならない。

現在、7対1病床は約37万床に上り、一般病床の半数超を占めるため、今回の見直しは病院経営への影響が大きい。今月から新看護必要度での運用を始めた場合、月末に1カ月分のデータを集積した上で、地方厚生局に届け出る必要がある。厚労省は今回、こうした医療機関側の負担に配慮し、期限を週末にずらすことを決めた。届け出の期限延長については、重症度の要件が新たに加わった「療養病棟入院基本料2」と、同基本料の「在宅復帰機能強化加算」も対象となる。

マイナンバーの活用で医療機関とオンラインのインセンティブを国民に

医療機関では現在、患者の健康保険証(保険証)に記載されている被保険者資格情報を確認・記録し、その情報を基に医療費を請求している。しかし、この方法では、資格情報の記録ミスなどがあった場合、医療機関などが医療費を誤って請求する恐れがあるとの指摘があった。
 

こうした課題を解決しようと、国はマイナンバーカードを利用した「医療保険のオンライン資格確認」の仕組みの構築を目指している。これが実現すれば、医療機関などによる医療費の適切な請求や事務負担の軽減といった効果が期待される。今年6月に閣議決定された「日本再興戦略2016」では、2016年度中に具体的な仕組みなどを検討し、2017年度からシステムの開発に着手する計画が示された。
 

こうした方針を踏まえ、日本ユーザビリティ医療情報化推進協議会(JUMP)は「医療保険のオンライン資格確認」の仕組みの実現や普及に向けた提言をまとめた。
 

提言では、これまで患者は毎月初回の診察時に保険証を医療機関などに提示すればよかったが、オンラインでの資格確認の仕組みが導入されれば、患者は受診ごとにマイナンバーカードなどを提示しなければならず、「従来よりも手間が増える可能性がある」と指摘。その上で、患者にマイナンバーカードの提示を促すため、「国民へのインセンティブが求められる」とした。
 

2016年8月31に開かれた記者会見で、提言の取りまとめに携わった片田保氏(みずほ情報総研経営・ITコンサルティング部次長)は、国民へのインセンティブについて、運動や食生活の改善などに取り組んだ人がポイントを受け取り、商品券などと交換できる健康ポイント制度などが有効だと説明した。ただ、この制度を取り入れた場合、「誰が(商品券などの)負担をするのかが問題になる」とし、インセンティブの在り方について、関係者による十分な議論が必要との考えを示した。JUMPは近く、提言を厚生労働省や総務省などに提出する。

■マイナンバーカードとは

マイナンバー制度は、住民票に登録のある個人一人一人に独自の番号を割り当て、個人情報を管理する制度で、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平・公正な社会を実現する社会基盤である。

これまでは、各公的機関(市役所・税務署・年金事務所など)は、それぞれで独自の方法で個人情報を管理してきた。制度を導入することで、行政機関や地方自治体がバラバラで保有している住民票のデータや納税状況などの個人情報を マイナンバーで紐付けし、その場で照会することができるため、申請者が窓口で書類を提出するなどの必要が無くなる。「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」が、2013年5月に成立した。