医療における水銀のゆくえ


水銀は、常温、常圧で凝固しない唯一の金属元素で、銀のような白い光沢を放つことからこの名がついている。

体温計に使われている水銀は金属水銀なので安全だと言われている。

金属水銀は間違って飲み込んだとしても、消化管からはほとんど吸収されないので、急性中毒を起こすことはない(ただし、一部が腸内細菌叢により酸化されたり、有機水銀に転換されて吸収される余地が示唆されている)。

しかし、気化した場合には肺から吸収されやすく、体内に吸収された場合にはヘモグロビンや血清アルブミンと結合し毒性を示す。

このため水銀を含有する物(蛍光灯・体温計・血圧計、朱肉など)を焼却することは危険である。

2010年、スウェーデンで開かれた水銀規制条約をめぐる国連の第1回政府間交渉委員会に、世界保健機関(WHO)が各国で使われている水銀を含む医療機器などに関し、段階的な廃止が望ましいとする見解を文書で示した。

 対象は歯科用アマルガム、水銀体温計、同血圧計など。このうちアマルガムは水銀(45~55%)と銀、銅、スズなどの合金。

各国NGOは「有害」として、政府間交渉委では条約化で即時禁止を求めた。

WHOは「アマルガムは耐久性に優れ、価格も安く、一般的に患者には金属への拒絶反応がある人を除き、安全と考える」と報告。

半面「取り扱いをめぐり十分な労働環境がなければ、医療従事者の健康には悪影響を及ぼす」とし、「狭い空間での不適正な扱いや未処理の廃棄・排出を避け、適切なリサイクルが必要」とした。

各国が使い続ければ火葬の際に大気中に排出され、大気を汚染し続けると指摘。

「ただ、裕福な国では代替物質が使えるが、途上国では使わざるを得ない」とし、使用終息を求めている。

 水銀体温計は破損などで患者や医療従事者に有害として使用の禁止、血圧計も段階的に廃止。

太陽電池製品や電子機器に切り替え、適正廃棄・回収が不可欠とした。水銀体温計のほとんどが姿を消し電子体温計に切り替わってきた。

基礎体温計
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水銀血圧計
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