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核医学検査の手引き

日本核医学会と日本核医学技術学会は、近年、放射性医薬品の適正量投与や核医学装置の保守点検の必要性が議論され、核医学従事者の医療安全への意識も高まってきたことなどを踏まえ、患者誤認防止など高い精度で安全な検査を行う指針として「核医学検査を安全に行うための手引き」を作成し、HPに掲載した。
 

核医学検査では、微量の放射性医薬品を体内に投与し、骨や臓器などに集まった放射性医薬品をCTなどで画像化することで、疾病の診断や治療効果の判定などを行う。
 

手引きは核医学検査について、「放射性医薬品または放射性薬剤が集積することによって組織の生体機能を知ることが可能であり、主に形態学的情報を画像化するCTやMRIとは異なる情報が得られる」と説明している。
 

ただ、核医学検査の情報源となるのが放射線医薬品から放出されるガンマ線であることから、「得られる情報の代償に内部被ばくを受けることになる」と指摘。そのため、使用する放射性医薬品の準備は「患者の理解のもと種類・品質および数量について誤ることなく適正に処方・準備することが重要」としている。
 

「準備と保管」の項目では、放射性医薬品の誤投与が報告されていることに触れ、「準備する者は投与者が誤選択しないような視覚的に判別可能な対策を考える必要がある」と指摘している。
 

具体的な対策として、シリンジごとに遮断体の側面などに患者名や検査名が判別できる付せんを張ることや、投与時刻の重複を避けることなどを提示。投与する際も、患者の氏名と検査名を確認し、検査薬の取り違えに注意を払うよう求めている。
 

また、患者から医療従事者への被ばくを低減する観点から、「投与後の接触時間を短くするため、撮像予定時刻や注意事項の説明は、投与前に済ませておく」と記載。また、すぐに対応できる場所に器具や薬剤の入った緊急カートを備えるなど、「不測の実態でも対応が遅れないよう日ごろから訓練を行っておくことも重要」としている。

■核医学検査とは

放射性医薬品(RI:ラジオアイソトープを用いた医薬品)を注射や内服(カプセル)で体内に投与して、放射性医薬品から出る放射線を検出することにより、体の外から見えない病気の場所や機能状態をしらべる検査をいう。放射線は高感度に検出できること、半減期の短いRIを用いること、一定時間の後は体の外に排泄されることなどから安全に検査できる。

■主な核医学検査

脳血流シンチ、甲状腺シンチ/甲状腺摂取率検査、肺血流シンチ、肺換気シンチ、心筋血流シンチ、腎動態シンチ(レノグラム)、骨シンチ、肝胆道シンチ、ガリウムシンチ、センチネルリンパ節シンチなど

特養、民間の建物などでも開設可能に

厚生労働省は、特別養護老人ホーム(特養)を開設する際、民間の建物などの貸与を受けることが可能とする通知を、都道府県知事や政令指定都市の市長らにあてて発出し、通知は7月27日に施行された。
 

特養の設置に必要な建物などの不動産については、その運営に当たる社会福祉法人が保有しているか、国や地方自治体から貸与か使用許可を受けるのが原則となっている。ただし、地域密着型特別養護老人ホームのサテライト施設に限り、民間の建物などを借りて利用することができる。
 

こうした中、政府は「介護離職ゼロ」の実現に向け、特養の整備をより加速させる方針を決定。6月に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」にも、規制緩和によって、特に高齢者人口の急増が見込まれる都市部での施設整備を促進する方針を盛り込んでいた。
 

厚労省の通知は、この政府の方針を踏まえたもので、特養やそれに併設されるショートステイが一定の要件を満たした場合、民間の建物などの貸与を受けることができるとしている。それ以外の要件は、①都市部地域(※)に開設される特養である、②運営主体となる社会福祉法人に入所施設の経営実績がある、③設置を予定する施設の定員の合計数が、社会福祉法人が運営するすべての入所施設の定員の合計数の半分を超えない、④運営主体の社会福祉法人が、施設を開設予定の都道府県か、隣接する都道府県で、既に特養を経営している、⑤貸与を受ける不動産については、事業継続に必要な期間の地上権または賃借権を設置し、登記する。建物の賃貸借期間は30年以上とする、⑥運営主体の社会福祉法人の経営状況が安定している、⑦現預金などの確実な有価証券が、1000万円以上確保されている、⑧賃借料およびその財源が収支予算書に適正に計上されている。
 

また、既に運営している特養を建て替える際、一時的に建物を借りる場合でも、民間などの不動産を活用することが可能となる。この場合、前述の要件のうち、3と4や、5のうちの「建物の賃貸借期間は30年以上とする」は満たさなくてもよい。
 

さらに、既に運営している特養が老朽化し、移転する場合でも、民間などの建物を使うことができる。この場合、前述の要件のうち③と④は満たす必要がない。ただし、施設を移転する地域と、移転前の施設があった地域が、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府、兵庫県、福岡県の都市部地域である。また、この通知の施行から10年以内に新たな特養が設置される。基本財産として1億円以上の資産を保有していることの条件に合致することが前提となる。

※国勢調査における人口集中地区であって今後、人口増加が見込まれる地域など、特別養護老人ホームの整備の必要性が高いが土地の取得が困難であると、特養が設置される市区町村が認める地域

基準病床数と地域医療構想の必要病床数

大阪府では、現在の病床数は「基準病床数」を超えているため増床できないが、現在の病床数(既存病床数)は地域医療構想実現の「病床必要量」と比べると1万6000床ほど不足している。このような医療計画の「基準病床数」と地域医療構想の「病床必要量」の関係について、いくつかの都道府県の状況を見ながら、両者の整合性をどのようにとるのかを考えていく。
 

このような方針が、7月29日に開かれた「医療計画等の見直しに関する検討会」の下部組織である「地域医療構想に関するワーキンググループ」(以下、ワーキング)で固まった。ワーキングでは9月中に考え方を整理し、親組織である検討会に報告し、次期(第7次)医療計画策定方針に反映される。
 

2018年度から第7次医療計画がスタートするが、計画の中には「基準病床数」を記載する必要がある(医療法第30条の4第2項第14号)。一方、現在、各都道府県で策定が進められている地域医療構想には、高度急性期・急性期・回復期・慢性期といった機能ごとの「病床必要量」を定めることになる(同項第7号イ)。
 

前者の基準病床数は、我が国で遍く良質な医療を受けられるように「病床の地域偏在」を是正することが主な目的とされ、現在の病床数が「基準病床数」を上回る地域では実質的に増床することは認められない。また、基準病床数は、▽医療計画作成時点の人口をベースにする▽長期入院患者は必ずしもカウントしない▽医療資源投入量の低い患者について特段の考慮はしない―などという考え方に基づいて算定される。

一方、後者の病床必要量は「将来あるべき医療提供体制」を地域ごとに描くもので、計算に当たっては、▽2025年時点の人口をベースにする▽現に入院している患者(長期入院患者も含む)に基づく▽医療資源投入量の低い患者のうち、一定数は在宅医療などに移行するという前提を置く―ことなどとされている。
 

このように、両者の目的・性質・計算方法は大きく異なっている。これらの関係をどう考えるのか、次期医療計画の策定において重要となるため、厚労省はワーキングを設置して集中的な議論を行うこととした。
 

厚労省医政局地域医療計画課の担当者は、ワーキングの検討項目について、(1)基準病床数と病床必要量の考え方・計算式に関する整理(2)基準病床数と病床必要量の関係(3)地域医療構想実現に向けた都道府県知事の権限行使要件(医療機関の自主的な取り組みが前提)―の大きく3点を提示しており、29日のワーキングでは(2)の「基準病床数と病床必要量の関係」について、さまざまな意見が出された。
 

前述のように、基準病床数と病床必要量は目的も考え方も異なるため、作成された地域医療構想を見ると一見「不思議」な現象が生じている。
 

大阪府が先頃まとめた地域医療構想では、4機能の病床必要量合計が10万1471床であるのに対し、既存病床数(2014年7月の病床報告結果、未回答の約6000床を除く)は8万5471床で、およそ1万6000床(未回答分を加味してもおよそ1万床)の不足が生じている、つまり「今後、整備していかなければいけない」ことが分かった。
 

一方で、大阪府の医療計画(第6次)では基準病床数は6万7263床とされている(つまり2万床弱、病床が過剰と判断されている)ため、現段階で「病床必要量に比べて既存病床数が不足しているので増床する」ことはできない。
 

前述のように計算方法が異なる(例えば人口について、基準病床数は直前をベースにしているが、病床必要量では2025年の未来をベースにしている)ので、当然、結果も異なりますが、「病床を整備(増床)していかなければいけないが、『病床過剰』であり整備(増床)はできない」という不思議な現象も起きてしまう。
29日のワーキングでは、多くの構成員から「こうした事態をどう考えていくのか」という指摘が相次いだ。ただし「基準病床数と病床必要量とで、可能な限り整合性を図っていくべき」(本多伸行構成員:健康保険組合連合会理事)という意見もあれば、「両者は目的も計算方法も異なり、安易に整合性を求めると混乱する」(中川俊男構成員:日本医師会副会長)という考え方もある。
 

このため厚労省は、すでに地域医療構想の策定が済んでいる自治体について、「基準病床数」と「病床必要量」「既存病床数」の関係をパターン分けして、8月下旬予定の次回会合に提示するとした。
 

例えば、大阪府のように「病床必要量」>「既存病床数」>「基準病床数」となっている地域もあれば、これとは異なる関係性となっている地域もあるので、それらを分類(パターン化)して、「こういう地域ではこういった課題がある」という整理を行う予定。
  

ちなみに、地域医療構想はすでに作成済の都道府県もあるため、この考え方(策定ガイドライン)を変更することはできない。仮に「基準病床数と必要病床数の整合性を図る」ことになれば、基準病床数の考え方を見直すことになる。
 

この見直し方向について厚労省医政局地域医療計画課の担当者は、「両者は目的も計算方法も異なるので、一致する性質のものではない。ただし、施策の方向性が全く異なってもいけない」と述べている。

大学病院の病院長選考に向けた動き

2016年2月25日、厚生労働省は、第1回「大学附属病院等のガバナンスに関する検討会」(座長:田中滋・慶應義塾大学名誉教授)を開催し、大学病院長の権限強化や選任方法の見直しについて議論した。本検討会は、大学病院等で医療安全の問題が昨今相次いだことを受けて厚労省が取りまとめた改善策に基づいて設置されたもので、塩崎恭久厚労大臣が「病院長は意向投票による選任ではなく、どのような方法が適切か、検討が不可欠だ。大学病院等のガバナンスをゼロベースから議論し、特定機能病院の承認要件についてさらに見直しを進めたい」との挨拶を寄せた。
検討会は、今後、数回の議論を重ね、今夏をめどに報告書を取りまとめる予定。
 

第1回の検討会では、座長をはじめ出席した7人の構成員が、病院長に求められる資質や権限、選考方法について自由に意見を述べた。 
大学病院の病院長は、学長らが病院長を選考し任命する。学内教職員による意向投票(予備調査)を行い、候補者を推薦してから選考会議をする場合が多い。51大学(国立31、公立3、私立17)が意向投票を実施しているが、国公立大学の法人化やガバナンス改革に係る法改正等をきっかけに、実施していない大学も増えている。
 

特定機能病院については、群馬大学医学部附属病院や東京女子医科大学病院で医療安全事案が相次いで発生したのを踏まえ、厚労省が「大学附属病院等の医療安全確保に関するタスクフォース」を設置。集中検査を実施してその結果と医療安全確保のための改善策を取りまとめた。それを受け、「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」で特定機能病院の承認要件の見直し案を策定。2017年度までに全死亡例の報告や管理者の医療安全管理経験の要件化などが義務付けられる。
 

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏は、特定機能病院に対する集中検査のヒアリングに同行した経験から、医療安全の責任者となる病院長の権限強化が必要だと指摘した。大学の理事会が人事や予算の決定権を握り、「問題が起きても病院長が迅速な対応がしづらい」と話す病院長が多かったという。
 

オブザーバーの千葉大学医学部附属病院長山本修一氏は、「病院長の権限を明確化した方が仕事はやりやすくなるのは事実」とした上で、選考方法の問題点を強調した。病院長は一般的に臨床系の教授の中から選ばれるが、「他の診療科の意向を無視したり、内部の混乱を招いたりすれば内部的な圧力がかかる」。「病院長に求められる資質を明らかにして、ふさわしい人物を選考委員会で選び、それを参考に学長が選ぶのが重要ではないか」と提案した。
 

日本赤十字社事業局技監の矢野真氏は、権限の規定よりもその実効性が重要だと指摘。教授同士のしがらみや、医学部長や理事長との役割分担の問題もあるとして、選考方法を見直すべきだとした。さわやか法律事務所の弁護士、田島優子氏は、病院長の権限の強化と選任方法の見直しが必要だとし、病院長には「医療安全の管理経験を積んだ人が望ましいと思う」と述べた。
 

山口氏は、医学部附属病院と大学直轄の病院の違いも指摘。「医学部長の権限が強いところでは、病院長の権限が弱いところが多かった」と紹介した。
 

山本氏は、医学部附属病院の問題として、医学部の教授会が人事を決定する点を指摘。現状では、病院機能の強化のために病院独自で人事選考をしたくても、約3分の1が臨床系教授以外の医学部の教授会を通さないといけない。一方で、個人的な感想として、国立大学では「学長が病院のことは病院長に任せた」という感覚が強く、私学は全て理事会がしっかり握っていると説明した。
 

日本公認会計士協会副会長の梶川融氏は、組織のトップにとって、給与や配置を決定する人事権は不可欠だと指摘。その上で、病院は非営利で、全体として専門性の高い職業の組織、かつ診療科ごとの専門性も高く、セクショナリズムの危険性もあるとした。
 

日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏の代理で出席した、同常任理事の松本純一氏は、病院長の「専任」問題について言及。臨床の教授と病院長の兼任は困難だが、病院長には任期があり、「臨床科を離れて病院長に専任すると、病院長の職を辞めると行き場が無くなってしまう人がいる」と指摘。山本氏も同意し、自身も病院長の任期が終わった後のポストについては「悩ましい」と述べた。
 

公益財団法人がん研究会理事長の草刈隆郎氏は、大学病院の病院長は医療安全と医療の質の向上が大事な職務とした上で、病院長に経営責任を負わせる必要があるのか、疑問を呈した。これに対し、山本氏は大学病院の厳しい経営状況を指摘しつつ、経営も重要な病院長の職務だと強調した。
 

2014年度は 大学病院の半数以上が赤字決算。山本氏は「仕事の大半は、ベッドの回転をどうするか。そこに力を投資しないと大学病院そのものが地盤沈下してしまう。

味はどこで感じている?

唾液に溶けた味物質は、舌の表面にある味蕾の中の味細胞で感じている。味細胞にはセンサー(受容体)があり、味の素になる物質が受容体に働きかけて味細胞を介して脳に伝わり、甘味、塩味、苦味、酸味、うま味を識別している。

辛味は、この味細胞のルートを介しない。辛味は、口腔粘膜に広く分布する知覚神経で、味ではなく痛みや熱として感じ取っている。たとえば、唐辛子を口にすると、唐辛子の辛味成分「カプサイシン」が温度受容体の一つ「TRPV1」に働きかけて神経が興奮し脳に伝わり、舌が痛く感じたり、口が熱く感じたりする。TRPV1は他に43℃以上の熱刺激、酸などの複数の痛み刺激で活発になる。ワサビや辛子は「アリルイソチオシアネート」が温度受容体「TRPA1」を刺激することによる。また17℃以下の刺激にも反応する。辛味は発汗作用を高め胃液の分泌を促進し、食欲を増す効果がある。しかし辛い物を食べすぎると胃の粘膜を損傷するなどの健康に悪いこともある。

こうした過程のどこかに問題があると味覚障害(何を食べても味がわからなかったり、甘味だけ、塩味だけなど、特定の味だけがわからないというケースもある)を生じる。70歳代の女性に多くみられ、女性患者が男性の1.5倍といわれている。主な原因は、味細胞の栄養源になる亜鉛の摂取不足や血圧を下げる薬や抗生物質、抗うつ薬、消炎鎮痛薬などが味覚異常の原因となり、薬の種類を替えると改善することがある。

看護師制度は一本化すべき

いま看護職は、国家資格を持つ看護師と都道府県知事の資格を持つ准看護師がいる。今日の日本の看護を支え築いてきたことは誰もが認めるところである。しかしながら、少子化が進み、看護系の大学、学部が毎年10も新設され、また准看護師が看護師になるための通信制も設けられ、波は看護師資格取得へと傾いている。准看護師学校の定員割れ、医療に従事する准看護師数は減少傾向にある。高齢化により看護職員は不足であるが、将来的には3年課程と大学に看護職を一本化すべきである。

最終的には大学のみで教育を進めればよい。今のまま進めば人口は確実に減少していく。100年もたてば5000~8000万人になる。高齢者も減少し看護師ニーズも減少する。今から計画的に進めなければならない。
 

准看護師は、法的には独自の判断で看護業務を行うことはできない。医師もしくは看護師の指示のもとに業務を行うことになっている。しか
しながら、実際には医師や看護師の指示がなくても活動をしている状態が常態化している。ひどいところでは、医師法に触れるようなことまでやらされている人もいる。レントゲン撮影を指示され御用になったりする。あまりにも看護師になるコースが多すぎる。また都道府県別による試験の差や能力差も問題である。 2014年の医療従事者届けによると就業看護師は、108万6779人で前回届出(12年)より7万1035人増加し、就業准看護師は、34万153人で前回届出(12年)より1万7624人減少している。このままいけば30年後には准看護師は8万人程度に、看護師は120万人程度になる。私立大学の4割は定員割れの深刻な状況は看護にもやってくる。 

独立系資産運用会社スパークスが病医院に資金調達

独立系資産運用会社スパークス・グループの子会社「スパークス・アセット・トラスト&マネジメント」は、私募不動産ファンドを運用しており、これまでは物流施設や倉庫などに投資してきたが、将来の重点投資分野に、「ヘルスケア」「インバウンド」などを挙げ、その一環として医療機関への投資を行った。今回が8つ目の案件となる。

2016年8月1日にオープンする「東京ヒップジョイントクリニック」(東京都世田谷区)は、資金の調達を受け、整形外科を標榜し、人工股関節置換手術を専門とする。5階建ての建物には、診察室、レントゲン、MRIのほか、CT(コンピューター断層撮影)を設置。また、2つの手術室や入院病棟、リハビリテーション室が整っている。車で受診しに来る患者のために、駐車場も備えている。総事業費が約20億円という。

ファンドを活用する病医院の新規建設や建て替えなど資金調達方法の多様化が進みそうだ。

糖尿病治療薬メトホルミンで、がん免疫アップ

2016年7月28日、糖尿病治療薬「メトホルミン」に、がんに対する免疫細胞の攻撃力を高める作用があることをマウスの実験で突き止めたという研究成果を、岡山大の鵜殿(うどの)平一郎教授(免疫学)らのチームがまとめ、大阪市で開かれた日本がん免疫学会で発表した。免疫の力でがんを治療する「がん免疫療法」の効果を高められる可能性がある。
 

チームは、メトホルミンを服用する糖尿病患者は、がんの発症率や死亡率が低いとの報告が多いことに着目。がんを移植したマウスにメトホルミンの成分を加えた免疫細胞を注射し、約1か月後の腫瘍の大きさを調べたところ、ほとんど変わらなかった。何もしなかったマウスは、腫瘍が3倍以上大きくなった。
 

がん細胞は、免疫細胞の栄養分となる糖分を取り込むことで、攻撃から逃れる性質がある。チームは、メトホルミンが免疫細胞に十分な糖分を補給し、攻撃力を高めているとみている。
 

京都大の河本宏教授(免疫学)の話「メトホルミンは安価で使いやすく、理論的にも期待が持てる内容だ。高齢者では副作用もある薬のため、安全な使用法を検討する必要がある」

2015年の平均寿命、女性87.05歳、男性80.79歳に

2016年7月28日、2015年の日本人女性の平均寿命は87.05歳、男性は80.79歳で、いずれも過去最高を更新した。
各国・地域と比較すると、女性は香港に抜かれて4年ぶりの世界2位、男性は3位から4位に下がった。厚生労働省が27日に発表した「簡易生命表」で分かった。
 

15年の平均寿命は前年と比べて女性が0.22歳、男性が0.20歳延びた。男女ともがん、心疾患、脳血管疾患の「3大疾患」による死亡が減ったことが大きいという。3大疾患で死亡する確率は女性が46.92%、男性が51.60%だった。
 

厚労省は、各年齢の人が平均あと何年生きられるかを示す「平均余命」の見込みを毎年計算しており、担当者は「医療技術の進歩や健康志向もあり、平均寿命はまだ延びると予測される」と分析する。日本人の平均寿命は戦後間もない1947年で女性が53.96歳、男性が50.06歳だった。女性は60年に70歳、84年に80歳を超え、男性は71年に70歳、13年に80歳を超えた。女性は14年まで3年連続で世界1位だったが、平均寿命が0.57歳延びた香港に抜かれた。
 

平均寿命の延びよりも、健康寿命の伸びが重要で、医療費の削減には欠かせない。

第Ⅰ相臨床試験専用病床の見直し、厚労省令改正

厚生労働省は、健康な人を被験者とする臨床試験の病床を設ける際、患者1人当たりの病室面積を医療法で定める最低の水準と同じ程度に緩和する省令改正案をまとめた。構造改革特区の規制の特例措置の一環。従来に比べて狭い面積で病室の確保ができるため、病床利用率が限界に近い病院でも、臨床試験専用の病床を設けやすくなる。
 

対象となるのは、第I相臨床試験の専用病床。臨床試験を行う病院では現在、患者1人当たりの病室面積は原則「6.4平方メートル以上」となっているが、省令改正案では被験者2人以上を入院させる場合、診療所(最小)と同等の「4.3平方メートル以上」と約3割縮小。両側に居室がある場合の廊下の幅も、「2.1メートル以上」から「1.6メートル以上」にする。
 

第I相臨床試験の専用病床については、車いすなどを使用しない健康な人が被験者であっても、患者と同じ基準で病室を用意する必要があった。このため、医学部のある大学や自治体などから基準の緩和を求める声が出ていた。
 

国家戦略特別会議でも横浜市が提案事業の中で、臨床研究症例数を増やして研究成果を迅速に実用化することを視野に入れ、この専用病床の施設基準の緩和を要望。同市は基準の緩和が決まり次第、市立大附属病院(金沢区)の敷地内にある次世代臨床研究センターに専用病床を整備する方針を掲げていた。
 

基準の緩和によって、被験者を集めやすいが整備コストが高い都心部で、専用病床の整備がしやすくなることに加え、病院内の病室以外の施設を小規模な改築などで、専用病床として活用することが可能になる9月上旬までに省令を公布することにしている。