月別アーカイブ: 2016年6月

PTSD治療、支援制度周知や専門家育成

内閣府は、PTSD(post traumatic stress disorder:心的外傷後ストレス障害)についての専門家の養成や、その治療にかかわる支援制度の周知などを盛り込んだ犯罪被害者に関する基本計画案の骨子をまとめ、12月10日までにパブリックコメントの募集を始めた。
 

骨子ではPTSDの治療について、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に基づく自立支援医療(精神通院医療)の対象となることを改めて周知する必要性を提示した。また、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所で実施されている「犯罪被害者メンタルヘルス研修」を継続して実施するよう求めている。

■PTSDの症状

1.過去のトラウマの中で生きている。

2.心因性の身体症状(下痢、吐き気、腹痛など)体の緊張(肩こり、体の痛み、手の発汗など)、体が思うように動かない。

3.過去のトラウマに関する人や事柄を避ける。

4.勉強・仕事など重要な活動をしない。興味を失う。

5.結婚・仕事・家族を持つなど、普通の生活ができないと感じる。

6.人間との絆が切れている。孤立感、引きこもりなど。

7.感情麻痺

8.不眠・昼夜逆転

9.慢性的な興奮状態・感情爆発など

10.集中力の低下

再生医療製品、保険適用へ

中央社会保険医療協議会(中医協)は11月18日、再生医療を活用した製品2種類の保険適用を承認した。再生医療製品を迅速に実用化するために改正された医薬品医療機器法(旧薬事法)の施行後、初の保険適用となる。承認したのは、テルモの「ハートシート」とJCRファーマの「テムセルHS注」。

ハートシートは、重症心不全の患者自身から採取した細胞をシート状にしたもので、心臓の表面に移植することで心臓の働きを改善するもの。ドナー不足が深刻な問題となる中、新たな心血管再生治療として注目される。この製品はオーダーメイドで、委託を受けてから培養を開始するため、患者の急変などで使用しない可能性があることから、工程を前半と後半に分けた2種類のキットとして販売。算定価格は、前半のAキットが636万円、後半のBキットが168万円(1シートの価格で、5枚の使用を想定)だった。
 

一方、テムセルHS注は、健康成人の骨髄液から分離し、拡大培養したヒト間葉系幹細胞で、移植後合併症の一つである急性移植片対宿主病の原因となる免疫細胞の働きを抑えるもの。他家由来の再生医療製品としては日本初となる。算定価格は1袋86万8680円。
 

いずれも類似製品がないため、製造経費などを基に算出する「原価計算方式」で算定され、それぞれ標準的な治療にかかる費用は、ハートシートが約1480万円、テムセルHS注が約1390万円という。この価格について、複数の委員から高過ぎるとの声があり、中には広く普及する際には速やかに再算定を求める意見もあった。また、薬として算定されたテムセルHS注と材料として算定されたハートシートとでは、営業利益率の見込みに10%以上差があることを指摘する声もあった。
 

再生医療製品としての算定ルールがない中、基本的には薬は薬価、材料は材料分野で分類している。再算定についても、基本的に薬や材料のこれまでのルールがあるので、それに沿うのか、再生医療製品として新しいルールを作るのかということを、これから中医協で議論することになった。

■テムセルHS注のプロセス図

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佐賀県の災害派遣精神医療チーム(DPAT)研修

災害時に精神医療を迅速に提供するための専門家チームDPATの隊員登録者らを対象にした研修会を開く自治体が相次いでいる。 

2015年11月、佐賀県吉野ヶ里町の肥前精神医療センターで行われた研修会に、精神科医や看護師、精神保健福祉士、臨床心理士、薬剤師、保健師など約60人が2日間にわたり、DPATの活動の意義や行政との連携方法などを学習した。

研修会では、災害時のロジスティックス(Logistics)と通信の確保も取り上げ、トランシーバーや衛星通信の使い方などや災害時に効率的な活動を行うためのインターネットを用いた災害精神保健医療情報支援システム(DMHISS)についても、参加者が入力方法や活動記録の重要性を学んだ。

ちなみにDPATの初回研修は、2014年1月、東京都小平市の国立精神・神経医療研究センター(NCNP)で行われ190名が参加した。

■災害派遣精神医療チーム(Disaster Psychiatric Assistance Team ; DPAT )

2013年4月、東日本大震災に際して、自治体や医療機関から精神科医を中心とする「こころのケアチーム」が派遣され、被災地住民のメンタルヘルスのための「こころのケア」活動を行った。しかし、事前に組織化された活動ではなかったため、現場での活動に課題を残した。そうした教訓や「心のケアの必要性と重要性」の観点から国がDPATの整備を決め、マニュアルなどの整備を進め、災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team ; DMAT ディーマット)の名称や活動要領も参考に、全国的に統一したDPATの名称や定義を定めた。

チームは、大規模災害などで被災した精神科病院の患者への対応や、被災者の心的外傷後ストレス障害(Post-traumatic Stress Disorder ; PTSD)を初めとする精神疾患発症の予防などを支援する専門医療チームで、自然災害の他に航空機・列車事故、犯罪事件なども想定している。

チームの構成は、精神科医、看護師、業務調整員を基本とするが、必要に応じて児童精神科医、薬剤師、保健師、精神保健福祉士、臨床心理技術者などを加えることができる。

活動期間は、発災後72時間以内に先遣隊を派遣し、1チーム1週間(移動日2日・活動日5日)を標準とし、必要があれば一つの都道府県等が数週間〜数か月継続して派遣する。

DPATの活動マニュアルには、活動の原則(3つのS)が掲載されており、DPAT研修においてはじめに周知される原則となっている。

1.Suport:名わき役であれ

被災地域の支援者が主体であり、その応援を行うのであり、主役はあくまでも被災地の支援者である

2.Share:自己完結型の活動

DPAT活動本部、他の医療チームとの情報共有と連携を行う

3.Self-sufficiency:被災地域に負担をかけない自立した活動と自己管理を行う

DPAT(災害派遣精神医療チーム)とDMAT(災害派遣医療チーム)は、いずれも大規模な自然災害や事故などが起きた際、都道府県が派遣する。DMATは1995年の阪神大震災後の教訓を生かし、2005年に発足。医師や看護師でチームを構成し、急性期(48時間以内)の救命活動を担う。DPATは、2011年の東日本大震災の教訓から2013年に発足した。

■災害精神保健医療情報支援システム(Disaster Mental Health Information Support System ; DMHISS ディーミス)
東京都小平市の国立精神・神経医療研究センター(NCNP)が厚生労働省の委託を受けて開発したシステムで、チーム派遣、活動記録の活用、蓄積などがスムーズにできる仕組みを整え効率的な活動を目指して作られた。

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梅毒・HIV患者の状況

国立感染症研究所のまとめによると、2015年11月8日時点での梅毒患者報告数は2155人で、昨年同期の1.5倍となっている。年間の報告数で最多となった昨年の総報告数を500人近く上回っている。また、感染症法に基づく調査が始まった1999年以降で最も多かった昨年1年間の報告数の1.7倍となっている。

都道府県別では、東京が868人で最も多く、以下は大阪(228人)、神奈川(127人)、愛知(91人)、埼玉(82人)、兵庫(66人)、千葉(62人)、福岡(57人)、静岡(43人)、茨城(42人)、京都(35人)などの順で、29都府県で昨年1年間の報告数を上回っている。特に東京都内で感染が拡大しており、全国の報告数は1999年以降で最も多く、患者が増加傾向の自治体では、不特定多数との性的接触を避けることや、症状が現れた場合は早めに医療機関を受診することを求めている。
 

異性間の性的接触による感染が増加し、同性間接触による感染は横ばいで推移しているという。
 
一方、HIVの新規感染者は、2007年まで徐々に増加し1000人を超え、現在1100人前後で推移している。感染経路別では、男性の同性間の性的接触が7割弱を占めている。

AIDSの新規発生者は、2006年まで徐々に増加し、その後450人前後で推移している。

感染経路別では、男性の同性間の性的接触が5割弱を占めている。
HIV・AIDSの感染経路別患者数(2012年末、日本国籍者のみ)

03

介護タクシー、全国組織の発足

介護タクシー事業者の全国組織「日本福祉医療輸送機構(JWMTO、ジェウント)」が発足した。

日本福祉タクシー協会や東日本介護タクシー協同組合など、15の事業者団体が加盟する機構で、介護タクシー業界で初の全国組織となる。
 

高齢者人口の増加や東京オリンピック・パラリンピックの開催などの影響で、今後、介護タクシーを利用する人は、確実な増加が見込まれる。

実際、国土交通省の「移動等円滑化の促進に関する基本方針」にも、1万4415台(2014年3月段階)の介護タクシーを20年度までに約2万8000台まで増やす目標が盛り込まれている。
 

こうした状況を受け、全国各地の介護タクシー事業者団体は、連帯して全国組織を立ち上げることを決定し、2015年11月、ジェウントを発足させた。ジェウントには15の団体から約2200事業者が参加しており、今後は、利用者の安全性・利便性の向上や、介護タクシーの知名度向上を目指した活動などに取り組む。また、介護タクシーをめぐる制度の改善を目指した提言なども積極的に行うことにしているという。

■ジェウントのミッション

・利用者の利便性向上

・利用者の安全確保

・介護タクシーの知名度向上

・行政への提案、提言

・介護タクシー雇用の確保

・業務の効率化

日看協が72時間ルール堅持や夜勤規制の法制化求め塩崎厚労相に直訴

2015年11月16日、日本看護協会(日看協)は、2016年度の診療報酬改定で入院基本料の「看護職員の月平均夜勤時間を72時間以下」とする要件(72時間ルール)の撤廃や緩和をしようとする動きがあるとして、同要件の堅持を求め、塩崎恭久厚生労働相に要望書を提出した。
 

日看協の要望は、①72時間ルールの堅持、②1965年に人事院が定めた「ニッパチ判定」(夜勤は2人以上、月平均8日以内)および「看護師等の人材確保の促進に関する法律」に基づく国の基本指針の周知徹底、③労働時間法制における夜勤・交代制勤務の実効性のある規制の設定の3点である。
 

規制の設定については、2015年2月17日の労働政策審議会労働条件分科会で議論されたにとどまった「労働政策審議会建議」にある新たな「労働時間等設定改善指針」に示された「深夜業の回数制限」と「勤務間インターバル確保」を、労働時間法制に盛り込むよう求め、「速やかな法改正と指針の改定を図られたい」とした。
 

坂本すが会長が「72時間要件は、これまでの改定でも緩和されており、これ以上は認められない」と強くけん制したのに対し、塩崎厚労相は、労働基準法等の一部改正による夜勤の規制の法制化に触れ、「72時間要件についてもよく考えて対応したい」とした。72時間ルールが撤廃された場合、経験上、看護師は、72時間以下、例えば月64時間の夜勤を導入しているところがないか青い鳥を求めていくであろう。看護師の退職理由のトップ5に入っている労働条件である。医療費高騰の折、看護師不足の病院・診療所が自然淘汰されても仕方がないと内心ほくそ笑むのは?
 

本来であれば減算制度を廃止すべきことであると認識する。ちなみに2014年度における72時間ルールのみが要件を満たさなかった施設は13施設である。

02

アドレナリン皮下注の希釈間違い、6件

2015年11月16日、日本医療機能評価機構は、手術時にアドレナリン希釈液を皮下注射する際、医師が意図した濃度と看護師が準備した濃度が違っていた事例が、2012年1月から2015年9月までの間に6件あったことを明らかにした。
 事例の1つでは、医師がアドレナリン50万倍希釈液(ボスミン注1ミリグラム+生理食塩水500ミリリットル)を皮下注射する予定で、手術前に看護師に「ボスミン生食をください」と指示した。
 看護師は院内製剤の0.05%ボスミン液(アドレナリン2000倍希釈)だと思い、医師に「0.05%ですか」と確認したが、医師は詳細を確認せず、「うん? うん」と返答。看護師が注射器を準備し、医師が手術部位に計60ミリリットルを皮下注射したところ、頻脈や高血圧が現れ、心室細動となった。濃度の間違いは250倍だった。
 別の事例では、手術中に医師が看護師に「10万倍ボスミン」と指示。看護師は「3000倍ボスミンであればあります」と返答した。
医師は3000倍ボスミンが外用目的(内服・注射を除く)の院内製剤とは知らずに準備するよう伝え、局所注射(7ミリリットル)した直後、血圧上昇や心拍数が増加して心室細動となった。この事例では、濃度の間違いは約33倍だった。
 これらの事例が起きた医療機関では、手術中にアドレナリン希釈液を使用する場合、医師と看護師の双方で、薬品名だけでなく濃度と用法を確認することや、外用目的の院内製剤のラベルに「禁注射」と表示するといった再発防止策に取り組んでいるという。
■アドレナリン希釈液

米名エピネフリン(英名アドレナリン)=アドレナリン (adrenaline) 分子式はC9H13NO3。(商品名:エビスタ、ボスミン)は、副腎髄質より分泌されるホルモン (ステロイド)で、神経節や脳神経系における神経伝達物質でもある。
 

作用は、①交感神経に作用し、血管に対してはα受容体刺激による収縮作用とβ受容体刺激に対する拡張作用を示す、②皮膚血管では収縮作用が優先するため、局所に適用すると末梢血管を収縮し止血作用を現し、また、鼻・口腔粘膜の充血・腫脹を抑制する、③心臓においては、洞房結節の刺激発生のペースを速めて心拍数を増加させ、心筋の収縮力を強め、心拍出漁を増大するので強心作用を現す、④気管支筋に対しては、弛緩作用を現し、気管支を拡張させて呼吸量を増加させる、⑤眼虹彩拡張筋を収縮させ散瞳作用を現し、開放隅角緑内障患者の眼圧を低下させる、⑥結膜の血管収縮の結果、充血を去る、⑦すい臓被膜に対する収縮作用、⑧アデニリ酸シクラーゼを賦活し、サイクリックAMP(ホルモンの第2伝令物質として、酵素の活性を調節する物質)AMP(アデノシン一リン酸)のリン酸が環状に結合しているもの)を増加させることにより肝臓・筋肉のグリコーゲンの分解が促進され、血糖値が上昇する。
 

効能・効果は、①気管支喘息・百日咳などに伴う気管支ケイレン、②急性低血圧・ショック時の補助治療、③局所麻酔時の作用延長、④インスリン低血糖時の改善、⑤心停止の補助治療、⑥虹彩毛様体炎における虹彩癒着の防止、⑦耳鼻咽喉領域における局所出血・粘膜の充血・腫脹である。

用法(注射)・用量は、1回0,2~1mgを皮下注または筋注を行う。蘇生などの緊急時には1回0.25mgを超えない量を生食液などで希釈し、できるだけ緩除に静注。なお必要があれば5~15分ごとに繰り返す。

禁忌は、①ハロタンなどの吸入麻酔剤、②ブチロフェノン系抗精神病薬、③フェノチアジン系抗精神病薬、④α-遮断剤、⑤カテコールアミン製剤(イソプレナリンなど)、⑥エピネフリン作動薬、⑦眼圧上昇の素因ある者、⑧本剤に過敏歴ある者、⑨交感神経作動薬に過敏反応する者、➉動脈硬化症、⑪甲状腺機能亢進症、⑫糖尿病、⑬精神神経症、⑭コカイン中毒、⑮重症不整脈(ex.心室性頻拍)である。
慎重投与は、①高血圧の者、②肺気腫、③高齢者・小児、④心疾患がある者、⑤脊椎麻酔を行う患者。

注射による過量投与(中毒)では、①心室細動、脳出血の恐れ、②腎血管の異常収縮により、腎機能が停止する恐れあり、③血中の乳酸濃度が上昇し、重篤な代謝性アシドーシスが現れる恐れがある。液の場合は、神経過敏や頻脈が現れることがある。
 

副作用は、①嘔吐、②悪心、③角膜の色素沈着(点眼で)、④過敏症、⑤顔面紅潮、⑥顔面蒼白、⑦胸内苦悶、⑧血圧上昇(異常に上昇する)、⑨眩暈、➉呼吸困難、⑪心悸亢進、⑫振戦、⑬心停止、⑭頭痛、⑮熱感、⑯脳出血、⑰肺水腫、⑱発汗、⑲不安、⑳不整脈などがある。

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ブルートゥース(短距離無線通信)使って認知症の高齢者発見へ

京都府長岡京市は、来年2月をめどにブルートゥースの小型タグを認知症の高齢者に無料で貸し出す方針を固めた。認知症による行方不明者の早期発見に役立てるのが目的。市の高齢介護課の担当者は、「ブルートゥースを活用して認知症の行方不明者の発見につなげる取り組みは、全国で初めて」としている。
 

この取り組みは、発信機付きの発信機能付きのブルートゥース小型タグ(縦3.5センチ、横2.3センチ)を身に付けた人が、受信機の15~30メートル以内に近づいたり、提携先の無線LAN「Wi-Fi」のスポット内に入ったりすると、位置情報や受信時間、小型タグの番号がサーバーに記録され、発見の手掛かりになるという仕組み。
 

認知症の行方不明者を見つけるためのGPS(全地球測位システム)機器では、2週間ごとに充電が必要でサイズも大きいが、市が貸し出す小型タグの場合、内蔵された電池は2年間、交換する必要がない。また、500円玉より少し大きいサイズで、首から下げたり、バッグに付けたりして持ち運べるようになっている。市は人けが少ない山へと続く道路沿いなど18カ所に、受信機を設置する予定だ。市だけでは受信機の数に限りがあるが、ブルートゥース機能付きのスマートフォンに専用アプリをインストールすると受信機代わりになるため、多くの人に協力を呼び掛ける予定。
 

市では昨年7月から、認知症などで行方不明になる可能性のある人について、本人や家族が事前に身体的な特徴や顔写真などを登録する制度を開始。現在75人が登録されている。
 

高齢介護課の担当者は、「小型タグをまず事前登録者の75人に優先的に無料で配布する。その人たち以外にも、最大で200人に貸し出す。貸出期間は2年。」としている。

虐待、転落事故の介護大手メッセージに教務改善勧告

2015年11月13日、厚生労働省は、介護大手でサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や有料老人ホームなどの運営を手掛ける「メッセージ」に対し、介護保険法に基づき業務改善勧告を出した。
 

メッセージの子会社が運営する川崎市や大阪府豊中市の有料老人ホームでは、昨年から今年にかけて、職員による利用者への虐待が相次いでいた。また、川崎市の有料老人ホームでは、入居者の転落事故も発生していたことから、2015年9月、厚労省が岡山市にあるメッセージ本社に立ち入り検査を実施した。
 

今回の勧告は監査の結果を受けたもので、①業務管理体制の抜本的な見直しおよび周知徹底、②本社ならびに各事業所間の連携強化の推進、③職員に対するストレスマネジメント対策などの実施、④内部監査体制などの充実・強化、⑤研修制度の充実・強化、⑥組織運営の改善に関して外部有識者を含めた第三者委員会の設置-などを求めている。
 

メッセージでは、厚労省の立ち入り検査などを受け、10月に第三者調査委員会を設置し、厚労省の業務改善勧告や第三者調査委員会の調査結果などを受け、事件の再発防止に向けた具体的な対応を強化する方針だ。第三者調査委員会の調査結果は11月末に取りまとめられる。

インシデント・アクシデント分析支援システムの開発

2015年11月13日、株式会社日立産業制御ソリューションズ(以下、日立産業制御)は、医療事故の未然・再発防止を支援するインシデント・アクシデント分析支援システムの販売を開始した。
 

医療機関における失敗のうち、「実害には至らなかった失敗」であるインシデント(ヒヤリハット)の報告件数は増加傾向にあり、事故を未然に防ぐための対策立案と実行のために、失敗の大小に関わらず失敗を引き起こす真の原因を究明することが求められている。一方、慌しい業務と平行しての事故報告書作成は医療従事者の負担になる場合が多く、実害に至らなかったヒヤリハット情報をあらためて収集することは困難だといった課題がある。こうした課題に対応するため、日本国内における医療機関向け情報システムとして初めて「医療版失敗学」の原因分析手法を採用したシステムを開発した。
 

システムは、院内ネットワークを活用したウェブアプリケーションで、院内であればどこでも事故報告書の作成、閲覧が可能。他病院を含む過去の事例や、ヒヤリハットの対策成功事例を参照できる仕組みとなっており、より高い精度の対策を立てやすくなっている。
 

「医療版失敗学」の原因分析手法にもとづく報告書フォーマット、原因分類、分析フレームワークを活用し、報告書の入力項目を、真の原因究明につながる内容に厳選して選択制にすることなどにより、報告書作成にかかる医療現場の負担を軽減する。また、真の失敗原因まで適切に掘り下げられた事例情報が収集できることで、医療安全管理者が分析から対策を講じるまでにかかる手間も大幅に軽減するとしている。 さらに、医療従事者が報告書を作成する過程において、失敗の真の原因究明に導く仕組みを設けており、医療従事者がこの過程を繰り返すだけでも自然とリスクを見抜く力が向上し、事故の未然防止につながる行動を主体的にとれるようになるといったメリットもあるという。

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