月別アーカイブ: 2016年5月

地域包括センター運営の改正内容

2015年1月、厚生労働省は、地域包括支援センターの運営や設置などに関する通知を改正し、都道府県や市町村の担当課や介護関係団体に発出した。市町村が同センターの運営方針を定める際、踏まえるべき内容や、センターが公表に努めるべき事柄などが示されている。また、地域ケア会議を行う上で配慮すべき具体的なポイントについても盛り込まれている。
 

改正された通知では、センターの設置主体について、市町村に加え、一部の事務組合や広域連合なども含むと明記。その上で、市町村の責務や事業内容に関する改正が示されている。このうち市町村の責務では、地域の高齢化の状況や相談件数の状況などを総合的に勘案し、センターの専門職らが地域ケア会議や地域の訪問などの活動を十分に実施できるよう、適切な人員体制を確保する必要があるとしている。さらに市町村が示すセンターの運営方針で踏まえるべき内容としては、「市町村の地域包括ケアシステムの構築方針」や「介護事業者・医療機関・民生委員・ボランティアなどの関係者とのネットワーク」「地域ケア会議の運営方針」「介護支援専門員に対する支援・指導の実施方針」などを挙げた。
 

管内に複数のセンターがある場合は、地域で基幹的な役割を担い、センター間の総合調整や地域ケア会議の後方支援の機能を持つ「基幹型センター」や、一定の分野の機能を強化し、他のセンターを支援する「機能強化型センター」を設置するなどして、センターの間での役割分担と連携を強化すべきとした。
 

センターが公開に努めるべき情報としては、名称と所在地、法人名、営業日、営業時間、担当区域、職員体制、事業の内容、活動実績などを示している。
 

また、介護支援専門員や医療・福祉に関する専門家、民生委員らが参加して実施する地域ケア会議については、その目的を「多様な関係者が適宜協議し、介護支援専門員のケアマネジメント支援を通じて、介護などが必要な高齢者の住み慣れた住まいでの生活を地域全体で支援していくこと」と明示。さらに、介護支援専門員の資質向上につなげるため、すべての介護支援専門員が年に1回は地域ケア会議での支援が受けられるようにする必要があるとしている。

■地域包括センターの役割
 

保健師また経験のある看護師(保健師等)、社会福祉士、主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)の三種の専門職員が、①介護予防の為の助言・指導、②高齢者の権利擁護、③介護支援専門員(ケアマネジャー)への助言・指導、④要支援認定の方のケアプラン作成(介護予防ケアマネジメント)を行っている。

外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会開催

2016年1月21日、厚生労働省の「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会」が東京都内で約1年ぶりに再開された。この日は、EPA(経済連携協定)の枠組みで来日する介護福祉士候補者の受け入れと定着を促進する上で課題や改善点を探るため、国際厚生事業団やEPAの枠組みで外国人材を受け入れた事業所からのヒアリングが行われた。次回の会合で論点整理をし、年度内をめどに意見を取りまとめる方針だ。
 

同検討会では昨年2月、技能実習制度に介護を職種追加する場合、①入国時の要件を、基本的な会話を理解できるとされる日本語能力試験「N4」レベルにする、②実習2年目には1段階上のN3(日常場面での日本語をある程度理解できる)に移行する-などの要件が必要とする中間取りまとめを公表した。
 

これを踏まえ、政府は「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案」と、外国人の在留資格を介護にも広げ、国内で介護に従事できるようにする「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案」を国会に提出した。両法案は21日現在、衆院での審議が続いている。
 

この日のヒアリングでは、受け入れの調整機関としての役割を担う国際厚生事業団の関係者や、EPAで来日した介護福祉士候補者を実際に受け入れている医療法人と社会福祉法人の関係者が意見を述べた。
 

このうち、国際厚生事業団の関係者は、制度をさらに円滑に運用するための案として、1施設あたりの年間の受け入れ数が2人以上となっている点を、1人から認めることや、介護型有料老人ホームなどでの受け入れも認める点などを提案した。また、候補者が介護福祉士の資格を取得した後の定着促進のための具体策として、資格取得者が母国から家族を呼び寄せる際の手続きの迅速化や、その家族の日本国内での就労制限の緩和などを挙げた。
 

EPAの枠組みを利用し、外国人人材を受け入れた医療法人や社会福祉法人の関係者も、今後の改善策として、受け入れ対象施設を拡大することや、資格取得者の家族の就労に関する規制の緩和を提案した。

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シーツ等の滑り止めシートをタケチが開発

自動車用や工業用プラスチック・ゴム製品を開発・製造・販売しているタケチ(松山市)は、ベッドのシーツや車いすの座布団のずれなどを防止することができる「抗菌シリコーンゴムシート」の販売を始めた。
 

「抗菌シリコーンゴムシート」は、折り畳み式車いすなどでシートの布から座布団がずれ落ちるのを防ぐほか、ベッドで寝ている際に腰回りのおしっこシートとシーツがずれるのを防ぐ。消毒液に強く、疎水性が高いことから汚れも水洗いが簡単にできる。また強度、耐熱性などに耐久性があり、繰り返し何回も使用できる。
 

価格は、寸法が縦320×横320×厚み1ミリの場合、穴のないものが5枚で5600円、穴のあるものが5枚で7300円(税別)。

■ケアマネとは「介護支援専門員」といい、ケアを必要とする人の相談に乗り、最適なケアが受けられるように総合的なコーディネートやマネジメントをするのを主な業務としている。介護保険制度を推進していくうえで、介護が必要な人やその家族と、介護サービスを提供する施設や業者とをつなぐ橋渡し的な役割を担う。

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ケアマネ試験の合格者数、過去最低

厚生労働省は、2015年10月11日に実施された第18回介護支援専門員実務研修受講試験の結果を発表した。13万4539人の受験者に対し、合格者は2万925人で、合格者数は過去最低となった。受験者数は昨年に比べて4万人余り減少した。合格率は15.6%だった。第1回試験からの累計の合格者数は65万504人となった。
 

合格者の職種別では、「介護福祉士」が1万3205人で最多となり、全合格者の63.1%を占めた。次いで多かったのは「看護師、准看護師」(2392人)。以下は「相談援助業務従事者・介護等業務従事者」(2281人)、「社会福祉士」(1713人)、「理学療法士」(894人)、「作業療法士」(478人)、「栄養士(管理栄養士を含む)」(445人)、「保健師」(428人)などの順となった。
 

受験者数が2014年度に比べて大幅に減少した理由について、厚労省では、「今回の試験から制度が変更になることから、昨年度の試験に駆け込み受験が多かったためではないか」(老健局振興課)としている。

■介護福祉士国家試験合格状況

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部位別がん10年生存率

2016年1月20日、国立がん研究センター(国がん、堀田知光理事長)は、全国がん(成人病)センター協議会(全がん協、堀田会長)の協力を得て初めてすべてのがんの全臨床病期の10年相対生存率を集計し発表した。

この10年相対生存率は、全がん協に加盟する16施設で1999年から2002年にかけて診断治療した3万5287症例が対象となっている。

データの精度を高めるために良性腫瘍や上皮内がんなどを除き、自施設診断自施設治療と他施設診断自施設治療を解析し、診断のみの症例を外して集計された。
全がん協は、これまで5年相対生存率を算出してきたが、加盟施設のデータが出そろったことなどから、10年相対生存率の公表に踏み切った。全がん協の生存率解析システム(KapWeb)で公開している。
 

10年相対生存率が90%以上の甲状腺の症例数は505。全臨床病期の生存率は90.9%。病期ごとの生存率はI・Ⅱ期が100%で、Ⅲ期が94.2%、Ⅳ期が52.8%である。一方、生存率が最も低い膵の症例数は895。全臨床病期の生存率は4.9%。病期ごとでは、I期が29.6%でⅡ期が11.2%、Ⅲ期が3.1%、Ⅳ期が0.9%である。

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■10年相対生存率とは
 

「がん」と診断された人のうち10年後に生存している人の割合が、日本人全体(対象者と同じ性・年齢分布、暦年、地域などをもつ)で10年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表したもので、100%に近いほど治療で生命を救えるがん、0%に近いほど治療で生命を救い難いがんであることを意味する。治癒率の目安となる。
 

がん患者について計測した生存率(実測生存率)を、対象者と同じ性・年齢分布などをもつ日本人の期待生存確率で割ったものを相対生存率として算出する。

2015年度、病床機能報告速報値

厚生労働省は、1月19日に開催した「全国厚生労働関係部局長会議」で、2015年度の病床機能報告制度の結果(速報値)を発表した。
 

病床機能報告制度は、一般病床と療養病床の機能をもつ医療機関の開設者などが年一回、自院の病棟が担っている現在の機能や将来担うつもりの機能などを、①高度急性期、②急性期、③回復期、④慢性期、の4つから選んで都道府県に報告するもので、精神病床などは含まれない。集まった情報は、団塊世代が75歳以上になる2025年に必要な病床数を機能ごとに準備するための現状把握などに用いられる。
 

2015年度の報告は、同制度が始まって2度目となる。速報値は、2015年12月2日までに集計作業を終えたもので、機能ごとの内訳は、高度急性期が16万7202床(14.2%)、急性期が56万1812床(47.9%)、回復期が12万1410床(10.3%)、慢性期が32万3236床(27.5%)だった。

前年度と比べると、高度急性期(1.3ポイント減)と慢性期(1.1ポイント減)の割合が低下し、回復期は1.5ポイント増加している。

通信看護師養成所の入学要件、業務経験7年以上に

現在の通信制の看護師学校養成所の入学要件は、准看護師として10年以上の業務経験が必要とされる。この要件をめぐっては、2015年6月30日に閣議決定された「日本再興戦略2015」で、地域医療体制の充実に向けた看護師育成のため、現行の10年から大幅に短縮することを「全国的な措置として検討し、2016年中に結論を得て、速やかに措置する」としていた。
 

こうした状況を踏まえ、厚労省は2015年12月、医道審議会保健師助産師看護師分科会に対し、業務経験年数を10年以上から7年以上に短縮することや、専任教員を現行の7人から10人に増員することを提案し、分科会もこの提案を大筋で了承していた。
 

今回の省令改正案では、専任教員を10人以上としながらも、小規模の学校養成所に配慮し、「収容定員が300人以下の学校養成所にあっては8人以上」とのただし書きも盛り込まれた。
 

また、2018年4月の施行後、業務経験年数を5年以上に短縮することを含めて再度検討する方向性も明記している。「その結果に基づいて、この省令の施行後3年を目途に必要な見直しを行う」としている。厚生労働省は、改正案に対するパブリックコメントを2月17日まで募集し、保健師助産師看護師学校養成所指定規則の一部を改正する省令を定めることにしている。

誤った血液型の輸血製剤使用で注意喚起

1月15日、日本医療機能評価機構は、2007年7月1日~2015年11月30日までの8年5カ月に患者への誤った輸血が13件確認されたとして、「医療安全情報」No.110を発表し、医療従事者に注意を呼びかけた。患者と使用すべき製剤の照合を行う認証システムを使用したケースでも8件のミスがあった。

機構は対策として、①患者と製剤の照合は、投与直前に患者のそばで行う、②認証システムにエラーやアラートが出た際は、手を止めて原因を確認するなどを示した。

■認証システムを使用したミスの背景

1.患者から離れた場所で認証システムを使用し、別の患者のところに製剤を持っていった(3件)

2.認証システム使用後に製剤を保冷庫に保管し、投与する際に別の患者の製剤を取り出した(2件)

3.認証システムに血液型が異なるというエラー表示が出たが、機械の故障と判断した(1件)

4.認証システムの画面が進まない理由を、医師の指示に問題があると判断した(1件)

5.投与開始後に認証システムを使用した(1件)

■事例

1.看護師が赤血球濃厚液(RCC-LR)を準備する際、A型を使う患者に別の患者のRCC-LR(AB型)を点滴棒に掛けて準備。新鮮凍結血漿(FFP)の投与が終わった患者に照合をしないまま接続した。

2.A型のFFPが投与されていた患者に対し、看護師が次に投与するFFPを準備する際、冷凍庫内の引き出し(隣接した)よりO型のFFPを取り出し確認しないまま解凍器にセットした。解凍後、投与時にバーコード認証を行うと血液型が異なるエラーが画面に表示されたが、機械の故障と思い込み患者に投与した。

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自殺者、6年連続で減少

2016年1月15日、警察庁は、2015年の日本の自殺者数の速報を発表した。内容は、2015年各月の男女別、都道府県別の数値である。

2015年に自殺した人は、前年よりも1456人少ない2万3971人で、6年連続で減少となり、1997年以来18年ぶりに2万5000人を下回った。

また、内閣府の分析では、昨年1月から11月までの自殺の原因や動機で最も多かったのは、「健康問題」(約1000人減)だったことも分かった。男性は1万6641人(69.4%)で、前年から745人減少した。女性は7330人(30.6%)で、711人減った。

37都道府県で2014年より減少し、最も減少数が多かった都道府県は東京都(165人減で2471人)、福岡県(144人減で939人)、兵庫県(111人減で1036人)だった。1000人以上の自殺者数を抱える9都道府県(北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県、福岡県)すべてで減少した。このほか、減少率が最も高かったのは高知県(36.2%減で113人)、徳島県(23.1%減で130人)、山梨県(20.2%減で205人)だった。

一方、岡山県(62人増で388人)や熊本(35人増)など10県で増加した。

なお、2015年について年齢別で見ると、確定値が出ている7月まででは、20~29歳が減少数、減少率ともに最も大きい。また、原因・動機別では、暫定値が出ている11月までで見ると、最も減少数が多いのは「健康問題」だった。

内閣府が昨年9月に公表した自殺対策取組事例集によると、東京都では救急医療機関などに搬送または自ら受診した自殺未遂者に対する支援事業を行っている。また福岡県久留米市では、心の不調のサインを知って対応する「ゲートキーパー」の養成を、校区コミュニティーの協力で行っている。

月別自殺件数では、3月が2300人で最多。5月の2235人や4月の2091人、7月の2055人も多かった。

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水いらずのシャンプー手袋、災害時必需品

メディカル事業を手掛けている本田洋行(愛媛県四国中央市)は、水やタオルを使わずにふくだけで汚れを取り除くことができる「シャンプー手袋」「からだふき手袋」の販売を始めた。

 「シャンプー手袋」と「からだふき手袋」は、入浴できない人を対象にした手袋型ウエットシート。水がなくても頭皮を清潔に保ち、従来のシートではふきにくいところの汚れも素早くふき取ることができる。ノンアルコール・ノンパラベン、さらに愛媛県産温州ミカンの果皮エキス配合でしっとり保湿するので、肌を乾燥から守ることもできるという。
 

電子レンジやタオルウォーマーで温めることができるという。

2007年7月、新潟県中越沖地震で一部の病棟が使用できなくなり、患者50人ほどを体育館に避難をさせた。節水や断水状態で、身体ケア(清拭・洗髪・洗面など)や内服薬の服用、洗濯などの水の確保がとても大変だったのを思い出す。

このような便利なものが開発され、災害時にも大いに役立つものと思われる。病院や介護施設などでは、災害時の備蓄品に加えていく必要がある。
 

価格は「シャンプー手袋」が2枚入り188円(税込み)、「からだふき手袋」は2枚入り148円(同)だそうだ。

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