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高齢者の誤飲食、薬包紙PTP(press through pack)53件で最多

2015年9月16日、消費者庁は、2009年9月から2015年7月までに医療機関から寄せられた65歳以上の高齢者の誤飲・誤食事故が165件であったことを発表した。

高齢者の誤飲・誤食事故の原因として、最も多いのは薬の包装の誤飲で69件。内容別で最も多かったのは、プラスチックにアルミなどを貼り合わせたPTP包装シートによる53件で、食道や腸を傷つけるなどしていた。ほかには洗剤・洗浄剤など26件、乾燥剤11件であった。

消費者庁は、視覚や味覚などの衰えに加え、認知症による判断力低下が一因とみている。誤って飲み込んだ後も、発見が比較的困難であるPTPシートは、一錠ずつ切り離さないなどの工夫や食品や薬とそれ以外のものを分けて保管するなどの対策をしてほしい」と、事故を未然に防ぐよう呼びかけている。

気がつくのが遅れれば重大な結果になりかねない。

■薬品の包装

薬品に直接接触する吸湿や紫外線などによる変質、錠剤の破損に対する保護などを防ぐ目的で包装が行われ、材料の安全性についても考慮されている。

包装形態には、液状の薬にはガラス、プラスチックなどの瓶、粉末状には三方シール、四方シールの袋、錠剤には表から強く押すと裏から飛び出るPTP、軟膏にはチューブなどが使われる。

■PTPの構造

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寝る前のコーヒーは体内時計に影響

2015年9月16日、米研究チームが米医学誌「サイエンス・トランスレーショナル・メディシン(Science Translational Medicine)」に発表した研究によると、寝る前にコーヒーを飲むと、予定の就寝時間に眠りにつくのが難しくなり、朝起きるのがさらに辛くなるのは、カフェインによって体内時計が乱されるからだという。
 

カフェインを含む飲料を夜に飲むことで就寝と起床が遅くなる理由を説明するだけでなく、将来的には、時差ぼけの影響を抑える目的でカフェインを使用するのに適したタイミングについてのヒントをたらす可能性もある。
 

研究は、被験者5人を対象に行われ、それぞれに、就寝3時間前にダブル・エスプレッソの含有量に相当するカフェインを摂取させる、明るい光にさらす、プラセボ(偽薬)を与えるといったタスクを無作為で与えた。
 

被験者をさまざまな条件下に置いて調査するこの実験は49日間にわたり実施された。その間、被験者の唾液を定期的に検査し、睡眠と覚醒の周期を自然に調節するホルモン「メラトニン」の濃度を調べた。
 

論文によると、低光量の条件下でカフェインを摂取させた被験者は、約「40分間のメラトニン概日(24時間周期)のリズムの位相後退(遅い時間へのずれ)」を経験したことが、今回の実験で分かったという。
 

他方、就寝3時間前に明るい天井照明にさらされた被験者では、体内時計に85分間の遅れ、またカフェイン摂取と明るい光の両方の条件下に置かれた被験者は、体内時計に105分間の乱れが生じた。
 

米コロラド大学ボルダー校(University of Colorado at Boulder)のケネス・ライト(Kenneth Wright)教授は「世界で最も広く使われている向精神薬のカフェインが、人間の体内時計に影響を与えることを示したのは、今回の研究が初めてだ」と語り、また「この研究は、カフェインが人間の生理機能に及ぼす影響に関する最新の興味深い知見をもたらすものだ」と続けた。
 

今回の研究結果は、寝る前のカフェイン摂取は避けるようにとの一般的なアドバイスの説得力を高める一方で、カフェインの適切な使用が時差ぼけを回避するために体内時計をリセットする一助となり得る「興味深い」可能性を秘めたものと論文は述べている。
 

だが、日付変更線を横断する旅行者が眠らずに活動を続けるための、カフェインの最も効果的な利用方法を決定するには、さらなる研究を重ねる必要がある。「このような条件下でカフェインが誘発する睡眠の乱れについては、時差ぼけを悪化させる恐れがあり、経過の観察が重要になる」と論文は指摘している。

千葉・埼玉・栃木県の災害支援ナースを茨城の被災地に派遣

2015年9月16日、日本看護協会(日看協)は、東日本豪雨で浸水被害があった茨城県常総市などの避難所で、埼玉と千葉、栃木の3県の看護協会から派遣された「災害支援ナース」が支援活動を行うことを明らかにした。日看協は「日中の復旧作業などで体調不良を訴える人が多くなることに対応して、主に夜間時に被災者などの支援に当たる」としている。
 

災害支援ナースは、被災者が健康レベルを維持できるように、被災地で適切な医療や看護を提供する役割を担う看護職で、大規模自然災害発生時には、災害の規模などに応じてレベル1―3に区分し、レベルごとに定められた方法で、日看協や災害が発生した都道府県の看護協会が派遣調整を行う。
 

3県の看護協会の派遣に先立ち、茨城県看護協会の支援ナースが9月12日から避難所などで被災者の支援活動を展開している。3県の支援ナースは9月16日から常総市と下妻市、つくば市の計8か所の避難所で支援活動を行い、延べ約200人が夜間、避難所に常駐する予定にしている。

■災害支援ナースとは

看護職能団体の一員として、被災した看護職の心身の負担を軽減し支えるよう努めるとともに、被災者が健康レベルを維持できるように、被災地で適切な医療・看護を提供する役割を担う看護職のことで、都道府県看護協会に登録されている。

災害支援ナースによる災害時の看護支援活動は、自己完結型を基本としている。

■災害時支援の対応区分

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■災害支援ナースの活動場所

災害支援ナースが活動する場所は、原則として、被災した医療機関・社会福祉施設、避難所(福祉避難所を含む)を優先する。

■活動時期と派遣期間

災害支援ナースの被災地での活動時期は、発災後3日以降から1カ月間を目安とし、個々の災害支援ナースの派遣期間は、原則として、移動時間を含めた3泊4日である。

■災害支援ナースになるには

災害支援ナースの登録要件は以下の通りである。

•都道府県看護協会の会員であること。

•実務経験年数が5年以上であること。

•所属施設がある場合には、登録に関する所属長の承諾があること。

•災害支援ナース養成のための研修を受講していること。

また、災害支援ナースとして登録する際に望ましい条件は、以下の通りである。

•定期的(1年に1回程度)に本会または都道府県看護協会で開催する災害看護研修もしくは合同防災訓練への参加が可能であること。

•災害看護支援活動も補償の対象に含まれる賠償責任保険制度に加入していること。

•帰還後に都道府県看護協会が主催する報告会・交流会などへの参加が可能であること。

■登録更新期間と登録先

都道府県協会が定める災害支援ナースの更新登録が必要である。

看護職として勤務している医療機関または福祉施設の所在地にある都道府県看護協会へ登録する。

地域連携法人制度を創設

2015年9月16日、地域の複数の病院や診療所を一体的に運営できる地域医療連携推進法人制度の創設などが盛り込まれた改正医療法が参院本会議で可決、成立した。

この法人は「地域医療構想を達成するための1つの選択肢」(厚生労働省)として位置付けられており、都道府県知事が審査して認定する。

地域の複数の医療法人に加え、介護事業などの非営利法人をグループ化して一体的に運営する。この法人制度の創設によって、医療機関相互の機能の分担や業務の連携を進め、地域で質の高い効率的な医療提供体制の確保につなげる狙いがある。
 

グループ内で医療従事者の研修や医薬品の供給、資金の貸し付けなどができるほか、都道府県知事が病院などの機能の分担や業務の連携に必要と認めた場合、病院間の病床の融通も可能となる。
 

また、改正医療法では、医療法人の経営の透明性を確保するため、厚生労働省令で定める基準に該当する医療法人は、省令で定める会計基準に従って賃借対照表や損益計算書を作成し、公認会計士などによる監査・公告を実施することや、都道府県知事の認可を受ければ、医療法人の分割が可能となることも定めている。

生活習慣病予防で厚労省が食事の目安を策定

健康寿命の延伸に向けて国民の食生活の改善を目指している厚生労働省はこのほど、栄養バランスの取れた食事を普及させるため、「食事の目安」を策定した。
 

厚労省の特定健康診査・特定保健指導に関するデータによると、メタボリックシンドロームの該当者数は2012年度で348万2724人、同予備群は287万2703人に上る。同省は、通知の中で、依然として肥満ややせ、栄養バランスの偏りなどの課題が見られるとして、栄養素をバランスよく摂取するため、日々の食事を適切な内容に整える必要があるとしている。
 

食事の目安は、一般女性・中高年男性と一般男性・身体活動量の高い女性の2つのパターンを設定している。

1食当たりのエネルギー量として一般女性・中高年男性は650キロカロリー未満、一般男性・身体活動量の高い女性は650-850キロカロリーを目安とした。

それぞれに主食、主菜、副菜の目安を設け、食品の量(グラム)で示した。例えば、ご飯150グラムの炭水化物量は55.2グラムとしている。目安としては、一般女性・中高年男性では、主菜の場合、米、パンなどの穀類由来の炭水化物量が40-70グラム、主菜の魚介類、肉類、卵類、大豆・大豆製品由来のタンパク質量は10-17グラム、副菜の緑黄色野菜を含む2種類以上の野菜(いも類、きのこ類、海藻類も含む)の量は120-200グラム。同様に一般男性・身体活動量の高い女性は、主食が70-95グラム、主菜17-28グラム、副菜120-200グラムという。
 

同省は、こうした目安を事業者が提供する食事のレシピ考案や、市町村、民間主催の生活習慣病予防などを目的とした料理教室のほか、雑誌、料理本、インターネットなどでのレシピ掲載、レシピ集の作成に活用してほしいとしている。

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植込み型医療機器指針の改訂

携帯電話などの電波利用機器がペースメーカーなどの植込み型医療機器に及ぼす影響を防止するための指針を、総務省が改訂したことを受け、厚生労働省は日本医学会に対し、関係者への周知を求める通知を出した。

総務省は2014年度、携帯電話などの電波が、プログラム式植込み型輸液ポンプや脳深部刺激装置などの植込み型医療機器に与える影響を調査し、医療機器の本体で「調査対象16台のうち1台で影響が発生」といった調査結果をまとめていた。
 

改訂された指針では、携帯電話の所有者に、「携帯電話端末と植込み型医療機器の装着部位との距離が15センチ程度以下になることがないよう注意を払う」と要望。ただ、一般生活では調査条件と同様の状況となる可能性は非常に低いことを挙げ、調査で影響が確認された距離まで電波利用機器を近づけたとしても、実際に影響が発生するとは限らないとしている。

蚊媒介の日本脳炎、各地で注意喚起

日本脳炎は、1991年以前は年間50人を超える患者が出ていたが、92年以降は年間10人以下となっている。2015年8月21日、千葉県によると、発熱や意識障害、脳神経麻痺の症状がある患者が、旭市内の医療機関を受診して入院し、9月11日に髄液の検査結果から日本脳炎の患者として海匝保健所に届け出があった。今のところ原因の特定(感染源や感染経路)には至っていないという。千葉県では、25年ぶりに日本脳炎の患者が発生した。

豚から日本脳炎ウイルスの抗体が検出された自治体も警戒を強めている。長崎県は、8月に調査した豚10頭のうち4頭から抗体を検出し、「日本脳炎が発生しやすい状況にある」として、①屋外で過ごす時はできるだけ皮膚の露出を避ける、②虫除けスプレーを活用する、③屋外の水たまりを減らし、ボウフラの発生源を作らない―といった予防策を示している。福岡県では、感染予防には「日本脳炎ワクチンの予防接種が有効」と指摘。十分な栄養を取り、過労を避けるなど健康管理に努めることも求めている。

日本脳炎ウイルスに感染した豚を蚊が吸血し、その蚊を介して人に感染する。人から人への感染はない。感染すると、嘔吐や高熱などの症状を伴うが、治療は対症療法のみで、意識障害や麻痺など神経系の障害を引き起こすケースもある。

データ加算、52病院が届け出可に

データ提出加算は、厚生労働省が実施する「DPC導入の影響評価に係る調査」に準拠したデータが正確に作成及び継続して提出されることを評価するもので、病院が提出したデータを中央社会保険医療協議会が診療報酬改定にむけて議論する資料などに活用される。
 

データの質を確保するため、その提出方法などに関する審査に合格した病院だけが、同加算の届け出が認められる。2015年8月に新たに届け出を認められた病院は、6、7月分の患者データを提出し、その形式などが適切だった52病院であった。

■データ提出加算の診療点数

加算1:イ 200床以上の病院の場合 100点 ロ 200床未満の病院の場合 150点

加算2:イ 200床以上の病院の場合 110点 ロ 200床未満の病院の場合 160点

※入院中に一回算定できる。

■データ加算の届け出が新たに認められた病院名(2015年8月締切分)

北 海 道 厚別耳鼻咽喉科病院、新札幌聖陵ホスピタル、新札幌豊和会病院、豊和会札幌病院、十勝いけだ地域医療センター、広域紋別病院 

青 森 県 三戸中央病院

宮 城 県 宮城中央病院、石巻ロイヤル病院

秋 田 県 男鹿みなと市民病院

山 形 県 酒田市立八幡病院

千 葉 県 千葉健生病院、木更津東邦病院、五香病院、八街総合病院

東 京 都 上板橋病院、浮間舟渡病院、あきしま相互病院

神奈川県 平和病院、横浜東邦病院、横浜じんせい病院、麻生総合病院、茅ヶ崎徳洲会病院

愛 知 県 北病院、中日病院、メイトウホスピタル、豊田地域医療センター

滋 賀 県 守山市民病院

京 都 府 同仁病院、亀岡市立病院、みのやま病院

大 阪 府 大阪病院

兵 庫 県 隈病院、聖隷淡路病院、佐用共立病院、酒井病院

和歌山県 宇都宮病院、和歌山県立医科大附属病院紀北分院

岡 山 県 渡辺病院

山 口 県 都志見病院、周防大島町立東和病院

徳 島 県 徳島逓信病院

福 岡 県 新生会病院、久留米大医療センター

佐 賀 県 藤崎病院

熊 本 県 メディカルケアセンターファイン、岡部病院、阿蘇温泉病院

大 分 県 秋吉病院

宮 崎 県 城南病院、宮崎県済生会日向病院

鹿児島県 外科馬場病院

かかりつけ薬局の機能、一位は在宅への取り組み

日本保険薬局協会が2015年7月30日から8月18日にウェブ上で実施した調査(正会員2621薬局)によると、患者の服薬を一元管理するかかりつけ薬局に必要な機能は何かとの問いに、2616の薬局が回答し、最も多かったのが「在宅への取り組み」(78.9%)で、「健康相談窓口」(54.9%)、「患者情報の一元管理」(53.9%)、「丁寧な服薬指導」(48.2%)、「OTC、健康食品などの販売」(45.0%)などで、その他の回答(1.8%)に、「バイタルサインの計測」や「プライマリケアの現場として、初期症状相談の窓口になる」「リフィル処方せんへ対応する」など、薬剤師が一歩踏み込んだ役割を担っていく意見が散見された。

さらに、現在、保有している後発医薬品(後発品)の在庫の品目数を尋ねた問いには、57.4%の薬局が300品目以上(平均品目数:346.5品目)と回答した。
 

また、先発医薬品を後発品に変更しなかった場合の理由を尋ねた問い(複数回答)には2377の薬局が回答。「患者の意向」が95.0%で最も多く、「薬局の事情」が38.7%、「そのほか」が8.1%だった。そのほかの具体的な理由では、小児用散剤の味、錠剤の大きさ、包装単位の変化などにより服薬順守ができなくなる可能性を危惧する意見などが見られた。

災害対応 特殊災害-N・B・C-

テロにより、放射能(N)や生物剤として利用される恐れのある病原体(炭疽菌・天然痘ウイルス)という生物(B)、サリンという化学剤(C)による患者が発生した場合、どう対処すべきか。

1995年3月20日、オウム真理教による地下鉄サリン事件(12人死亡、5,510人被害、23%の医療従事者が二次被害、2名の看護師が妊娠中絶)が発生した。

化学剤をめぐっては、米国防総省が2015年6月、米軍の研究所が韓国などの研究施設に炭疽菌のサンプルを誤って送付し、2005年に日本国内にも持ち込まれていたことを明らかにするなど、取り扱いの厳格化や検出・防護といった対策が喫緊の課題となっている。
活動には専門的な知識と装備・資機材が必要で、身体が防護できる防護服や携帯型生物剤捕集器などの配備、病原体や化学剤の検知、除染設備が必要である。

無色・無臭の環境下で、複数の人々が外傷などなく倒れている場合は、こうした特殊災害の可能性が高く、むやみに近づいたり、触ったりせずに救護活動が展開できる能力のあるDMAT等にゆだねる必要がある。
 

テロの場合、多くの人が集まる場所やイベント(2020年の東京オリンピックなど)を標的にすることが多い。

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