日別アーカイブ: 2016年2月28日

院内での自殺対応

疾病を悲観して、また、うつ病による無能感などにより、病院内での自殺は、時折発生する。

私も38年間の看護師生活の中で、病院建物からの飛び降り、縊首、外出中の電車への飛び込み、高層ビルからの飛び降りなど十数件を経験している。

院内で患者が自殺した際、その時の担当看護師のショックの大きさは計り知れない。罪悪感さえ抱いている。予防できなかったのかその原因を追究するのは当然のことであるが、自殺した患者の担当スタッフや自殺を目の当たりにしたスタッフに対して、心理的なケアが必要である。

洗面器に水を汲んで顔を浸けて溺死する事例も、ベッド柵の両端にひもをピーンと張り、高さわずか1mほどでの縊首もある。人工呼吸器のアラームをオフにし、気管チューブとの接続部を外したり、微量の輸注ポンプの速度を速めたり、自殺方法は多様で予防は極めて難しい。

自殺が発生すると、24時間、患者のベッドサイドに寄り添う看護師にとっては大きな責任を感じる時間となる。多職種が連携して、情報を共有しながら、自殺徴候を見逃さないようにする教育やそうした患者への対応についての教育を行い、患者の自殺予防の実現に向ける必要がある。

国立精神・神経医療研究センターの自殺予防総合対策センター(CSP:2006年に設立され、自殺対策の業務を支援する)の業務の在り方について議論してきた厚生労働省の検討チームは、今後、精神保健的な視点に加え、社会学や経済学、応用統計学などの調査研究を推進することや、自殺のリスクアセスメントやリスクマネジメントの手法の開発、地域ニーズの把握と分析、政策決定支援については、国の自殺対策白書の作成に関して、エビデンスなどの知見を提供すること、また、都道府県や地域自殺対策推進センター(仮称)との連携強化に加え、自殺未遂者・遺族支援等推進室(仮称)を設置し、自殺未遂者や遺族支援の取り組みを強化するよう求めている。検討結果に期待したい。

 ■自殺者数の推移

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