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民間の救急救命士活用案の検討

2015年7月17日、総務省消防庁は、救急救命士をショッピングモールや野外イベント会場などで待機させるなど、民間の救急救命士を活用する案を、救急業務のあり方に関する検討会に示し、傷病者の発生後、民間の救急救命士が駆けつけ、応急処置などを行い、救急隊に引き継ぐことを想定しての検討を始めた。救急車の出動件数の増加(2014年に過去最多の598万2,849件)や通報から病院搬送までの時間が年々延びていることも背景にあることを踏まえ、到着前に傷病者の応急処置ができる仕組みづくりの具体策を来年3月ごろにをまとめる。迅速な対応で救命率の向上につなげることを目的としている。

救急救命士の登録者数(2014年4月1日現在)は約4万8000人で、このうち3割強の約1万7000人が、病院や企業など消防機関以外に所属している。実際には、看護師等の資格を持つものが多数受験をし救急救命士資格を有していることから1万7千人がすべて活用できる人材にはならない。

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大切な命を救うためには、『救命の連鎖』と言われる「早い通報」・「市民が行なう応急手当」・「救急隊が行なう救急処置」・「医療機関が行なう医療処置」が重要です。

■救急救命士とは

患者を病院に運ぶ救急隊員に医療行為を認める目的で1991年(平成3年)に誕生した。一定の経験を積んだ隊員が専用の養成所に通い資格を得るほか、近年は養成コースをもつ大学や専門学校が登場している。

当初は静脈路の確保や器具を使った気道確保などしか認められていなかったが、医師の指示を受けることを条件に、2004年から気管挿管、2006年からは薬剤投与(アドレナリン注射)ができるようになった。

2014年4月から救急搬送中に救急救命士ができる医療行為に、①血糖値測定、②低血糖患者へのブドウ糖投与(医師の指示が必要)、③心肺停止前の傷病者への静脈路確保・輸液(医師の指示が必要)が加わった。

2012年度に全国129消防本部などが参加した実証研究で有効性が認められ、国が救急救命士法施行規則を改正した。

各消防本部が運用を始めるには、救急救命士が必要な講習を受けることのほか、医療機関との連携体制を整えることなどが条件となっている。

ただ、救急隊の救急救命士が医師の指示でブドウ糖溶液の投与や気管内チューブによる気道の確保などが可能な一方、消防機関以外の救急救命士の資格保有者は、法によりそうした行為は実施できない。