月別アーカイブ: 2015年12月

介護保険料はどうなる?

65歳以上の人の介護保険料は、40~64歳の人の介護保険料が全国同水準なのに対してつかわれる介護サービスの量等に応じて市町村ごとに異なっている。高齢化で介護サービスを使う人が増えたり、費用の高い施設の入所者が多いと保険料が上がる。
 

65歳以上の人の保険料は3年ごとに改定される。各市町村が今後3年間でどの会議サービスがどれだけ使われるかの見通しを立て、その予測に基づいて決められる。実際に支払う額は、本人の所得などに応じて異なる。
 

介護保険の総費用は、1割を利用者が支払い、残りの9割の半分を国と自治体の公費(税金)で賄い、残りの半分を40~64歳が支払う介護保険料で賄っている。保険料の負担割合は、65歳以上の人と、40~64歳の人の人口比で決められている。

その介護保険料の上昇が止まらない。65歳以上の人が支払う介護保険料の全国月額平均(2015年度改定)が5514円となり、2000年度の制度創設時のほぼ2倍となった。最も高いのが、奈良県天川村で、介護施設の入居者が増えたことで8686円(前3年間平均4849円)となり、3年間で1.3倍増加した。

2015年度から保険料を引き上げた市町村は、1488(全体の94.2%)である。

2025年度には、全国平均月額が8165円になると予測されている。

08

要介護認定の流れ

65歳以上の高齢者には、介護保険証が手元に届く。介護保険を利用する場合は、「要介護度(要支援1・2、要介護1~5)」のいずれに該当するかが決まらなければ使用することはできない。要介護度に応じて利用できる上限額が設定され、サービスの回数や介護施設の利用料が異なっている。
 

手続きとしては、市町村の窓口に要介護の申請をする。認定調査員により74項目にわたる聞き取り調査(例:食事やトイレに介助が必要ですか、名前は何と言いますか、生年月日はいつですか、今の季節は何ですか、買い物はひとりで行けますか、調理はできますか、片足立ちはできますか、寝返りはできますか、上着の着脱はできますかなど生活の困りごとを確認する)が行われ、主治医の意見書とともに一次判定が行われる。一次判定を基に、医療・福祉の専門家(医師やケアマネージャー、福祉施設職員など)が審査し、二次判定により要介護度が決定され通知される。要介護認定審査の個人負担はないが、介護保険を利用できるまでにはおよそ一か月の期間を要する。

07

医療英会話の必修化を

世界経済フォーラムが5月6日に発表した2015年の旅行・観光競争力ランキングで、日本は世界で9位と前回13年の14位から順位を上げた。07年の調査開始以来、過去最高になった。「客の待遇」の項目で首位となり、「おもてなし」の心が高く評価された。

今回から安全面の評価に「テロ発生率の低さ」と「殺人事件の発生率の低さ」が加わり、それぞれ1位と2位だったことも貢献した。
 

日本は過去の調査に続き、鉄道網の整備や衛生状態、飲用水へのアクセスなどで順位が高い。また、円安の恩恵もありホテル料金が71位から36位へと大幅に改善した。観光ビザの自由化は111位と前回の96位から後退している。
 

上位10カ国の半数以上を欧州が占め、スペインが初めて首位に浮上した。文化面で観光資源が豊富なことに加え、旅行者がインターネットで情報を集める傾向が強くなっているのに対応していることが評価された。前回首位のスイスは通貨高の影響などで6位に下がった。
 

調査の対象は141カ国・地域。アジア太平洋の20位以内では、オーストラリアが7位、日本9位、シンガポール11位、香港13位、ニュージーランド16位、中国17位であった。
 

外国人の外来受診や入院が増えそうだ。医療英会話を早急に必修化すべきである。

京都府の看護師修学資金のずさんな貸与状況

京都府の「看護師等修学資金貸与事業」について、京都府の包括外部監査人が徴収方法や関係書類の管理などの改善を促していたことが5月8日に判明した。
 

京都府は、看護職員確保対策の一環として、府北部地域や200床未満の病院、診療所、介護老人保健施設などに従事する意思のある者に対し、修学のための資金の貸与を行っている。
 

この事業について、監査人は、①要保存書類の不備、②必要書類の不備による弁護士対応が困難な債権、③債務承認兼履行誓約書の押印漏れ(書類の有効性に疑念が生じる事項であり、貸与者が債務承認の無効を訴える口実になる可能性がある)などを挙げ、「担当者は緊張感をもって書類の確認をすべき」とした。
 

また、悪質、多額の債権に対する弁護士による督促を始めたが、返還計画書が見当たらないため、「事案を証明する手立てがないケースがあった。「法的関係を立証する基礎書類の重要性を再認識する必要がある」と苦言を呈した。
 

年率14.5%の延滞利息についても「請求を行った事例はない」と問題視している。滞納者の中には看護職に就き、困窮状態ではないケースもあることを挙げ、「悪質な滞納者には毅然とした態度で接していくべき」とした。
関係書類が見当たらなかったり、誓約書に押印漏れがあったりして督促や回収などが困難視されるケースもあったことから、府に対し「担当者への指導を徹底すべき」と注文を付けている。
 

多くの都道府県で看護師確保対策の一環として修学資金の貸与制度を設けて実施している。他の都道府県ではいかがであろうか。県民税や市区町村民税が使われているのであるから、しっかり返納してもらわないといけない。
 

私の受けた修学資金制度は卒業後、修学資金を受けた地域の病院に修学資金を受けた期間従事すればよいものであった。毎年従事者証明を施設にもらって提出していたのを思い出す。

■看護大学(学部)の初年度納入額高額10、低額10

有料老人ホームは終の住処(ついのすみか)

野村総合研究所は、3014年度の厚生労働省の老人保健事業推進費等補助金を受け、全国の有料老人ホームやサ高住などが果たしている機能や役割に関する調査結果を発表した。

全国の高齢者向け住まいは、平成25年7月1日時点で有料老人ホームとして届出を行っている8,394施設中、4,274施設(有効回答率:50.9%)、平成26年4月1日時点でサービス付き高齢者向け住宅として登録を行っている住宅4,294施設中、2094施設(有効回答率48.8%)であった。

機能的・実態的側面からの分析を行った結果、介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームでは、4割超の入居者が、ホームの居室で看取られていることが分かった。また、同じ調査で、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の居室で看取られる入居者も4割近くに達することが明らかとなった。

同研究所では、2012年度の介護報酬改定や15年度の介護保険制度改正などの影響で、
有料老人ホームやサ高住を「終の住処(ついのすみか)」とする人は、さらに増え続けると予測している。
 

その他調査では、訪問診療の利用状況や職員体制、利用料金、ケアプラン作成状況などの結果が示されている。

財務省は越権行為か

厚生労働省が5月20日に開いた社会保障審議会介護給付費分科会では、介護報酬の抑制が必要などと財務省が財政制度等審議会財政制度分科会に提案している「要支援1、2、要介護1、2の人を対象としたすべてのサービスを自治体の地域支援事業に移行し、訪問介護の生活援助と、福祉用具貸与・住宅改修サービスについては原則自己負担にする案などを提示。5月19日の経済財政諮問会議でも、軽度者に対する通所介護などを、2018年4月からの次期介護事業計画で地域支援事業に全面移行すべきなどと民間議員が提言した。」ことなどに対し、社会保障審議会介護給付費分科会委員らから批判の声が相次いだ。

これに対し、介護給付費分科会で、村上勝彦委員(全国老人福祉施設協議会副会長)は介護保険法上、介護報酬は厚労相が同分科会の意見を聞いて定めることになっていると説明した上で、財政制度分科会や経済財政諮問会議での議論は同分科会の審議を無視するものだと不快感をあらわにした。
 

田部井康夫委員(認知症の人と家族の会理事)も、「4月の介護報酬改定でも財務省案に近いものがそのまま実施されてしまった」とし、次期改定に向け、負担増・給付抑制の流れを止める必要性を強調。また、中央社会保険医療協議会(中医協)の委員も務める鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は、中医協でも委員から同様の指摘があったことを紹介した上で、「われわれには超高齢社会を乗り切る体制をつくり上げる責任がある。その点で全員が一致すべき」と呼び掛けた。

これに対し、厚労省の担当者は、同分科会の外からの意見表明はこれまでもあったし、今後もあると思うと述べた上で、「しかし、われわれが所管している介護報酬にかかわる議論に直接リンクするということでは必ずしもない。あくまで介護報酬に関係する審議はこちらの場で、と考えている」とした。
 

経済財政諮問会議と財政制度分科会での議論をめぐっては、5月13日に開かれた中医協でも、「一般病棟7対1入院基本料など診療報酬の具体的項目に言及し、引き下げを提案している。」ことについて、「越権行為に当たる」などと財務省をけん制している。
 

また社保審では、財務省側が一方的に抑制の議論を進め、介護報酬の具体的項目に言及することは、「社保審の議論を無視するもので、看過できない」としている。

助産師の実践能力認証制度開始

助産師の実践能力をめぐっては、免許取得後に実力を判断する統一的な試験がないことなどから、客観的に能力を判断する基準を要望する声が出ていたほか、産科医の不足を補う観点から、自立して助産ができる能力が求められていた。こうした状況を踏まえ、日本看護協会(日看協)と助産関連団体でつくる「日本助産実践能力推進協議会」は計画的に助産師の能力向上を図り、その能力を第三者に示すことが不可欠と判断。病院内の助産師の実践能力を高め、妊産婦のケアの向上などにつなげようと能力が一定の水準に達しているかどうかを評価する「助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)レベルⅢ認証制度」を創設することを決め、2015年8月から助産師の能力を認証する制度を始める。

認証を行う第三者機関の日本助産評価機構は、「倫理的感応力」「マタニティケア能力」「専門的自立能力」の3つの観点から、院内助産で自立してケアが行えるレベルまで達しているかどうかなどを判断する。
 

助産師がレベルⅢの認証を得るには、①妊婦健康診査200例以上、②分娩介助100例以上、③新生児健康診査100例以上、④分娩期のモニタリングに関する研修の修了、⑤出血時対応に関する研修の修了などをクリアすることが条件となる。
 

助産師の就業者35,185人(H24.10.1現在)の中で条件をクリアしている助産師の皆さんは振って認証を受けてほしいものである。ただ、認証を受けたことで負担だけが増えることのないように管理者は産科医等の他部門と調整する必要がある。

06

経団連が不正請求厳正対処を申し入れ

2015年5月19日、日本経済団体連合会(経団連)は、政府が6月にまとめる2020年度までの財政健全化計画に関する提言を公表した。

社会保障改革では、給付費の伸びを高齢者の増加の範囲内に抑えるため、診療報酬の不正請求への厳正な対処や後発医薬品の使用促進などによって、過剰な給付を削減すべきだとしている。

また、保険給付範囲の重点化の一例として、湿布などOTC類似薬(Over The Counter:医師による処方箋を必要とせずに、薬局・ドラッグストアなどで購入することができる一般用医薬品)を保険収載から外すことや、公定価格などを決める際の費用対効果の視点の導入を挙げた。さらに、高齢者の増加が現役世代の医療保険財政を圧迫していることから、後期高齢者医療の自己負担額を現行の1割から2割に引き上げる必要性にも言及した。
 

一方、介護関連では、ケアプランの適正化による過剰な介護サービスの見直しのほか、要支援者らに対する生活援助や福祉用具貸与などの保険給付に関しては、民間のサービスに移行することも考えられるとした。

このほか、ケアプラン作成時の自己負担の導入や要介護度の低い利用者の自己負担の引き上げなどを提案した。

■経団連とは

わが国の代表的な企業1,309社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体112団体、地方別経済団体47団体などから構成され(いずれも2014年7月1日現在)、「総合経済団体として、企業と企業を支える個人や地域の活力を引き出し、我が国経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与する」ことを目的に、経済界が直面する内外の広範な重要課題について、経済界の意見を取りまとめ、着実かつ迅速な実現を働きかけている団体である。

05

 1946年8月発足

災害拠点病院の3割強は豪雨災害時機能せず

2014年8月、京都府福知山市を襲った豪雨で市街地が冠水し10時間にわたり災害拠点病院へのアクセスが断たれたことを受け、厚生労働省が全国の災害拠点病院686施設(2014.4.1現在)の立地場所などについて調査を行った。その結果によると、全体の33.5%にあたる230病院が洪水などで浸水する可能性があり、100病院は排水ポンプや防潮板などの対策を講じていないことが判明した。
 

災害拠点病院は、地震や津波など災害発生時に医療拠点になる病院である。国や自治体が財政支援などの対策を早急に行い災害に対応できるようにする必要がある。
 

豪雨や豪雪、火山噴火や地震、津波など複合的な災害発生も視野にあらゆる最悪の事態をP想定した対策講じることが災害対策には求められる。

04

ロコモ度テストの臨床判断値と対処法 整形外科学会発

2013年に日本整形外科学会が発表したロコモ度テストは、下肢の筋力を調べる「立ち上がりテスト」、大股で歩いた歩幅を調べる「2ステップテスト」、身体の状態や生活状況を調べる「ロコモ25」の3つのテストで構成され、テスト結果を年代別平均値と比較することで、年齢相応の移動能力を維持しているかを判定する運動機能テストである。

障害があると移動能力が低下し、介護が必要になるリスクが高い「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」となる可能性を判定する「ロコモ度テスト」の「臨床判断値」を発表した。

これまで全国各地で実施されたロコモ度テストの測定値を参考に、臨床判断値が策定された。臨床判断値は、「ロコモ度1」と「ロコモ度2」の2段階に分けられ、それぞれの段階に応じた対処法が明記されている。

ロコモ度1は、「40センチメートルの高さの台に腰掛けた状態から片足で立ち上がることができない」「2ステップ値(2ステップの長さを身長で割った値)が1.3未満」「ロコモ25の結果が7点以上」の人が対象とされ、筋力やバランス力が落ち始め、「移動機能の低下が始まっている段階」と定義された。この段階は、定期的な運動やバランスの取れた食事に気を付ける必要があるという。

一方、ロコモ度2は、「20センチメートルの高さの台に腰掛けた状態から両足で立ち上がることができない」「2ステップ値が1.1未満」「ロコモ25の結果が16点以上」の人が対象とされ、今後、生活に支障が出てくる可能性が高く、「移動機能の低下が進行している段階」と定義された。この段階では、特に痛みを伴う場合には、何らかの運動器疾患を発症している可能性があるため、整形外科専門医の受診を勧めるとしている。

現在、予備軍を含めると、ロコモの危険性があるといわれる人は国内で4700万人に上る。団塊の世代が75歳以上となる25年に向け、運動器の機能を維持させるロコモ対策は喫緊の課題となっている。

03