月別アーカイブ: 2015年10月

訪問看護ステーションの大規模化

訪問看護推進連携会議は、「訪問看護アクションプラン2025」を策定し公表した。アクションプランでは、2025年に向けて訪問看護事業所の多機能化、大規模化を目指し、多職種と協働しながら、在宅療養をする人が必要な介護、生活支援サービスを一体的に提供できる仕組みづくりを進める。同会議は、日本看護協会、日本訪問看護財団、全国訪問看護事業協会の3団体で構成されている。
 

アクションプランは、訪問看護の「量的拡大」「機能拡大」「質の向上」「地域包括ケアへの対応」の4項目から成る。
 

量的拡大では、訪問看護師を25年までに現在の約3倍となる約15万人まで増やすことを目標として、新卒の訪問看護師の確保に向けた教育モデルを確立するとしている。また、医療機関と訪問看護事業所がお互いに協力しながら看護師を育成していくために、人的交流や出向、長期研修などを通じた人材育成システムをつくるとしている。
 

機能の拡大にも力を入れる。「機能強化型訪問看護ステーション」を二次医療圏ごとに少なくとも1か所以上設置するほか、訪問・通い・泊まりの機能を持つ「看護小規模多機能型居宅介護」については、全市町村に1か所以上設置することを目標としている。
 

質向上については、患者の健康の維持・回復、日常生活を支援するほか、在宅ターミナルケアなどを通じて、人生の最終段階を支えられる専門家を育成していく。また、多職種と円滑なチーム運営ができる訪問看護師を育てるほか、事業所の管理者についても、マネジメント力や経営力の向上を図る。
 

地域包括ケアへの対応では、在宅で暮らす高齢者などの重度化に対応するため、訪問看護ステーションと看護小規模多機能型居宅介護などと協働しながら、多機能なケアを提供する取り組みを強化する。
 

2014年の診療報酬改定で、大規模訪問看護ステーションの収入が増えることになり、訪問看護ステーションの大規模化が徐々に進んでいる。 

訪問看護ステーションは全国に約8,700か所(2014.10現在)あり、大規模訪問看護ステーションは238施設である。常勤看護師が5人未満の小規模訪問看護ステーションが7割を占めていて、人員のやりくりができないことなどから手厚い看護を提供するための大規模化に向けて取り組むように進めている。全国9府県で一施設の届出もなされていない状況にある。

1

がん発生の地域差 国立がん研究センター発

3月26日、国立がん研究センターは、「地域がん登録(過去最多の40道府県が提出した。うち39道府県のデータは精度が高い)」のデータを基に2011年に新たにがんと診断されたケースを推計したところ、約85万人だったと発表した。「データの精度に依然格差があるので、大まかな傾向しか読み取れない」としつつも、地域差を見ることで予防や早期発見など都道府県のさらなるがん対策の推進に役立つとしている。

全国平均に対する地域ごとの胃がんの発生比では、男女とも日本海側の地域で全国平均よりも発生比率が高く、「日本海側に特異な何らかの食生活や生活習慣が関係していると考えられる」という。

また、肝がんについては、男女とも西日本の地域で同じく高い傾向にあることが示唆され、罹患の原因といわれるC型肝炎ウイルスを所持している人が西日本に多いことと関連しているのではないか」としている。
 

次回の2012年分からは全47都道府県のデータを基に集計ができるようになるとしている。さらに、16年1月から始まる「全国がん登録」では、現在は推計にとどまっているがん罹患数などが実数で把握できるようになる。国がんでは、全国がん登録のデータに基づいた初めての集計結果を、18年12月に公表することを目指すことにしている。

05

ロボットスーツHLA(下肢タイプ)の薬事承認申請

3月25日、筑波大学発ベンチャーのサイバーダインは、筋ジストロフィーやALS(筋萎縮性側索硬化症)などの難治性の神経・筋難病疾患に対する「新医療機器」としてロボットスーツ「HAL」(医療用下肢タイプ)を薬事承認申請したと発表した。

効果や安全性を確かめるために、2013年3月から14年8月まで難治性の神経・筋難病疾患の患者に対して医師主導治験を行い、14年9月から痙性対まひに対する治験を始めており、今後は他の難病への適応拡大も目指す。

HAL(両脚タイプ・片脚タイプがある)は、立ち座りや歩行動作に不自由を感じる方や補助が必要な方を対象とした機器で、身体を動かすとき、脳から筋肉へ神経を通してさまざまな信号が送られている(生体電位信号)を、皮膚表面に漏れ出たものを読み取り、それに応じて下肢を補助し、装着者自身の脚での歩行や立ち座りのトレーニングをアシストする仕組みになっている。

自力で歩行できる感覚が得られるようになっている。

■新医療機器とは、構造や使用方法、効能・効果などが既承認医療機器と明らかに異なる場合の申請区分をいう。

04

看護師国試の合格率、3年ぶり9割台

2015年2月22日に実施された平成26年度第104回看護師国家試験の合格発表が3月25日に行われ、合格率が3年ぶりに9割台を回復したことを厚生労働省が発表した。

厚労省によると、6万947人が受験し、合格者は昨年より1971人多い5万4871人。このうち、新卒者は5万5015人が受験し、5万2547人が合格した。全体の合格率は90.0%で、昨年よりも0.2ポイント上昇した。新卒では平成25年度に比べて0.3ポイント高い95.5%であった。受験者中、既卒者は、5932人が受験し、2274人が合格した(合格率38.3%)。

EPA(経済連携協定)に基づく外国人看護師候補者の合格率は昨年より低い7.3%であった。

01

■看護師国家試験合格率
02

03

2012年度 職員の健康管理法令不適合病院約一割

厚生労働省は、都道府県などが2012年度に実施した病院(全国の病院8567施設のうち8124施設(94.8%)で検査を実施)の立入検査(医師や看護師などの員数や構造設備が法令の基準を満たし、適正な管理が行われているかをチェックするもの)の結果を発表した。

調査項目のうち、法令に適合していない施設が最も多かったのは「職員の健康管理」で、調査対象の9.5%が不適合だった。 検査を受けた8067施設のうち、768施設が不適合だった。

職員の健康管理は、労働安全衛生法で労働者の健康の確保が事業者の責務とされていることなどから、職員の定期的な健診の受診など、適切な健康管理体制が確立されているかどうかをチェックしている。
 

次に不適合な施設が多かったのは医師の員数で、8122施設中516施設(6.4%)が、厚労省令で定められた標準数を満たさなかった。その一方で、2926施設(36.0%)は、医師の員数が標準数の150%以上と、施設ごとに差が見られた。
 

医師の員数の状況を地域ごとに比べると、不適合の施設の割合が最も高いのは「北海道 東北」(13.9%)で、以下は「北陸 甲信越」(9.6%)、「四国」(9.1%)、「中国」(6.3%)などの順だった。一方、150%以上の施設の割合は、「近畿」(45.7%)や「東海」(45.3%)、「関東」(43.1%)などで多かった。

 看護師・准看護師の員数は8124施設中8043施設(99.0%)、薬剤師の員数は8124施設中7770施設(95.6%)が、それぞれ省令が定める基準をクリアしていた。病院が満たすべき看護師や薬剤師の員数は、省令の基準に従って都道府県が条例で定める。

看護師が退職をする理由の順位は、①出産・育児、②結婚、③他施設への興味、④人間関係がよくない、⑤超過勤務が多い、⑥休暇が取れない、⑦通勤が困難、⑧夜勤の負担が大きい、⑨責任のおもさ・医療事故の不安、➉健康問題である。看護師の離職順位10番目に健康問題が上がる。早期発見・早期治療は病院を訪れる患者だけではない。

■医師・看護師医師の員数の求め方

一般病床の入院患者と、療養病床の入院患者を3で除した数と、外来患者を2.5で除した数の合計数(特定数)が、52までは3人。

52を超える場合は、特定数から52を減じた数を16で除した数に3を加えた数。

(一般病床の入院患者+療養病床の入院患者/3+外来患者/2.5-52)/16+3
(療養病床の比率が50%を超える場合、「52までは3」は「36までは2」となり、計算式の末尾も「/16+3」は「/16+2」となる。)

常勤医師は1人とし、非常勤医師は全員の1週間の勤務時間を積み上げた上で、当該病院の医師の通常の勤務時間で換算した数とする(常勤換算)。

■病院の標準看護職員数の算定方法

下記のAとBを足した数
A:一般病床の入院患者÷3+療養病床の入院患者÷6 (端数切り上げ)
B:外来患者≦30人→看護師1人(31人以上の場合は、30又はその端数を増すごとに1)

■「診療報酬請求上の人員配置(看護職員配置)」

一般病棟入院基本料(1日につき)の「7対1」「10対1」などは、患者に対する看護師配置を示し、たとえば「7対1」とは、1日24時間を平均して、患者7人に1人の看護職が一勤務帯あたりで勤務していることをさす。7対1・10対1・13対1入院基本料は、正看護師比率70%以上で、15対1入院基本料では、40%以上と決まっている。

例えば、入院患者50名の病棟で、一人の看護職員が提供する1カ月の看護時間を150時間程度と想定した試算での看護職員配置数は、概ね次の通りである。

その他、夜勤時間による看護師の必要人員や休暇による看護師の必要人数を加味する。

介護職員処遇改善加算に厳格ルール

2015年度介護報酬改定では、介護職員処遇改善加算が拡充されるが、有識者らからは、加算を介護職員の給与改善に確実につなげる工夫が必要とする声が上がっていた。こうした声を踏まえ、今回の事務連絡では、介護事業所に対し、処遇改善に関するより詳細な報告を求める内容が盛り込まれた。厚生労働省は、介護職員処遇改善加算を算定した事業所が報告すべき内容として、加算を算定する前と後の全体の賃金水準の提出(実践状況)や改善計画、キャリアパス計画などにおルールを示した事務連絡を都道府県に発出した。また、例外的に賃金水準の低下が認められる場合の具体的な条件や対応についても示されている。

■処遇改善加算とは
 

平成23年度まで実施されていた介護職員処遇改善交付金による介護職員の賃金改善の効果を継続するため、当該交付金の対象であった介護職員の賃金改善に充てることを目的に、当該交付金を円滑に介護報酬に移行するために、例外かつ経過的な取扱いとして、平成27年3月31日までの間、創設された加算である。
 

このため、当該交付金の交付を受けていた介護サービス事業者等は、原則として当該交付金による賃金改善の水準を維持することが求められている。

平成27年度報酬改定に伴い、今後特定事業所集中減算届出書に係る提出書類が変更となる。

05

事故調の遺族への対応案

厚生労働省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」は3月20日、10月にスタートする医療事故調査制度(事故調)を運用する省令案などを取りまとめ、焦点だった院内事故調査結果の遺族への説明方法については、原則として書面を手渡すよう求める委員と、書面を手渡すことに強く反対する一部委員の折衷案となった。

通知で「遺族が希望する方法で説明するよう努めなければならない」と明記することとして、医療界の自主的な取り組みに信頼を置いたものとなった。

厚生労働省は、10月の施行に向け、今後、医療事故調査・支援センターの指定、支援団体の告示、医療機関や国民への普及啓発などを行うとしている。

■医療事故調査制度は、医療事故による死亡の原因を究明し、医療事故の防止に役立てるための新しい国の組織として医療事故調査制度検討会によって検討が重ねられた。

医療事故による死亡について、医療機関からの届出や遺族からの調査依頼に基づき医療安全調査委員会が専門的に調査を行い、報告書を作成することになる。

看護師名称の変遷と男性看護師数

日本で初めて、看護養成所ができたのは1886年(明治19年)である。その6年後の1896年(明治25年)から男性看護人の養成が開始されたことは看護教育では学ばないのであまり知られていない。1900年(明治33年)頃には看護婦という仕事が定着した。当時看護婦の仕事は女性で占められていた。男性看護師の発生は、精神を患った方々の面倒を見ていた看護人にさかのぼる。その後戦争により衛生兵として活動する。

1948年(昭和23年)に保健婦助産婦看護婦法が制定され、それまで看護婦は医師の指示に従って医療の補助を行っていたが、免許は持っていなかった。1950年(昭和25年)に第一回看護婦国家試験、翌年の1951年(昭和26年)に看護婦の補佐をするための准看護婦制度が制定された。1950年代には看護は看護師の手ですべて行うという「完全看護制度」という機運の高まりがあったが実現には至らなかった。

1970年代にはいって、看護大学が男性看護師の育成を始め、精神科に勤めていた男性看護師が手術室や小児科、整形外科など一般科へ進出し始めた。今や科別や病棟区分に関係なく配置されている。

1958年(昭和33年)に完全看護制度から基準看護制度へと改められ、1994年(平成6年)に新看護体制が敷かれて、97年(平成9年)に付添看護が全て禁止となった。

男性の看護師が目立つようになったのは、ジェンダーフリーの流れに乗って、1999年(平成11年)の男女雇用機会均等法の改正や2001(平成13年)に保健師助産師看護師法(改正)が公布され、2012年4月に施行となったことによる。看護婦(士)が看護師という名称に統一され、女性とは別の看護士籍に登録されていた男性の免許も看護師籍に統一された。
男女ともに同じ看護師と呼ばれるようになり、10年を経た今日ではすっかり定着している。

ちなみに私の父の看護士免許番号が300番台、私が1800番台、年齢差30年なので、男性看護師(当時は看護士)は父親から私まで年間平均50人ほどずつ増加していた。私が免許を得て40年が経過する。現在の男性看護師はおよそ6万人ぐらいであろうか。年間平均1500人弱ほどの男性看護師が増えた計算になる。私と父の30年間に増えた人数が、今や一年で増えていることになる。それでも消費税率にも及ばない数である。

2014年に発足した男性看護師会HPより

04

2014年度看護師国家試験

2014年度看護師国家試験が2月22日(日)、全国24会場で行われた。

東京都では、当日、「東京マラソン2015」が開催され、公共交通機関等にも混雑が予想されるため、東京都の受験者には、受験票に同封される受験者留意事項の試験時間に遅れることのないよう留意することなどの通知も発出された。現在のところ看護師国家試験は2月の最終日曜日に実施されることが決まっている。また合格発表は3月下旬に発表される。26年度は3月25日(水)に行われる。

合格率の変動はあるもののおよそ90%平均の合格率で推移している。10%(およそ5000人ほど)は不合格で一年後の国家試験を受験することになるが、私が看護師国家試験を受ける数年前までは、秋にも国家試験が行われ年間2回であった。看護師が少ないということであれば復活させるべきではないか。

★看護師国家試験合格率

03

-2013年- 病院の7割は赤字経営

日経ヘルスケア(2014年4月号)によると、 全国公私病院連盟と日本病院会が2014年3月3日に公表した両団体に加盟する急性期・慢性期・精神科病院などを調査対象とした「平成25年 病院運営実態分析調査の概要」(集計数957病院)2013年6月の1カ月分の収支(補助金や他会計負担金などを控除した総収益と総費用の差額から黒字・赤字を判別)について616病院のうち432病院(70.1%)が赤字だったとしている。赤字病院は3年連続で増加している。

開設者別では、自治体病院は320病院中292病院(91.2%)、そのほか公的病院は187病院中99病院(52.9%)、私的病院は109病院中41病院(37.6%)が赤字である。

100床当たり医業収支を見ると、医業収益は前年6月比2.5%増の1億6863万9000円に伸びたが、医業費用はそれを上回る同3.5%増の1億7747万6000円で、月900万円弱の赤字である。
 

全国公私病院連盟は赤字病院の増加の要因について、「一概には言えないが、これまでの診療報酬改定で医師や看護師の負担軽減を目的に病棟薬剤師や医師事務作業補助者などの配置が評価されて増収になったものの、こうした人員を配置することで、それ以上に人件費などの経費が増加しているのではないか」と分析している。

01

■倒産の原因
1.医師不足(医師の引き上げ)
2.看護師不足(看護師離職)
3.大きな医療事故、多くの医療事故
4.保険指定の取り消し
5.多額の設備投資・人件費などなど。

02