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熊本県で全国初、免許センターに看護師を配置

高速道路上の逆走車について、ドライバーなどから寄せられた通報延件数は2011年1253件、12年1291件、13年1176件を数えた。確認されただけでも、ここ数年ほぼ1日3件超で推移している。事故件数については、11年14件、12年21件、13年19件(警察庁まとめ)となっている。これをドライバーの年代別でみると一つの大きな特徴が浮かび上がる。65歳以上が他の年代を大きく引き離して11年57.1%、12年61.9%、13年36.8%となっている。高齢者の逆走事故をどう防ぐか、大きな課題である。ドライバーが逆走する背景として認知症、あるいはその疑いのあるケースが指摘されている。

熊本県警は、認知症の高齢ドライバーらの交通事故を防ぐため、県運転免許センター(菊陽町)に全国初の看護師2人を配置した。採用は1月19日付。2月2日から、免許更新時の運転適性相談に立ち会い、専門家の立場からアドバイスする。免許更新時、過去5年以内に意識を失ったことがあるかなど、5項目を質問し、このうち1つでも該当すると、職員による運転適性相談を行っている。
 

その際、認知症やてんかん、アルコール依存症などの疑いがある場合は、医療機関への受診や運転免許証の返納などを勧めているが、昨年の相談件数は約2200件と前年の3倍以上に達し、その数は急増している。
 

採用された看護師2人は非常勤で、いずれも任期は1年間。費用は県の「地域医療介護総合確保基金」の一部を活用する。今後、職員の運転適性相談に同席し、普段の生活の様子や薬の服用状況などを聞き取り、認知症などの早期発見につなげる。
 

警察庁によると、一昨年に全国で発生した75歳以上の運転手による死亡事故は458件で、このうち3割以上は認知機能の低下が原因とみられている。また、県内で昨年1年間に起こった75歳以上のドライバーによる死亡事故15件のうち、8件の運転手に認知症の疑いがあるという。
 

県警の運転免許課では、「熊本は認知症サポーターの養成率が全国1位と、認知症の支援が進んでいる。関係機関とも連携しながら、対策に取り組んでいきたい」としている。

■認知症とは
 

後天的な脳の器質的障害(脳血管障害、アルツハイマー病、レビー小体などの変性疾患、正常圧水頭症、ビタミンなどの代謝・栄養障害、甲状腺機能低下などにより、いったん正常に発達した知能が不可逆的に低下し 記憶障害と見当識障害(時間・場所・人物の失見当)、認知機能障害、(計算能力の低下・判断力低下失語・失認・失行・実行機能障害)などの中核症状(全ての認知症患者に普遍的に観察される症状)を呈した状態をいう。

長谷川式簡易知能評価スケールHDS-R(30点満点20点以下は認知症疑い)で検査を行う。

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■質問内容の意味

1:年齢 2:日時の見当識 3:場所の見当識   4:言葉の即時記銘 

5:計算 6:数字の逆唱  7:言葉の遅延再生  8:物品記銘 

9:言語の流暢性

■判定(項目と配点)

30点満点で、20点以下のとき、 認知症の可能性が高いと判断される。

認知症の重症度別の平均点

非認知症:24.3点

軽度認知症:19.1点

中等度認知症:15.4点、

やや高度認知症:10.7点

高度認知症: 4.0点

ドライアイ

ドライアイは、何らかの原因で涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下した状態をいい、目の乾燥感、異物感・目の痛み・まぶしさ・目の疲れなど、多彩な慢性の目の不快感を生じる。目を使い続けることによる視力の低下も起こる。

原因は、①年齢(年を重ねると、涙の分泌量や質が低下する)、②性別(女性のほうが男性よりドライアイになりやすい)、③過度のVDT(visual display terminals)作業(パソコン、スマートフォンなど、モニターを見つめる長時間作業)、④乾燥した環境、⑤コンタクトレンズ(特にソフトコンタクトレンズ装用者)、⑥喫煙、⑦内服薬(血圧を下げる薬や向精神薬など「抗コリン作用」を持つ薬では、涙の分泌量が減少する)⑧点眼薬(涙の安定性を低下させ、角膜に障害を与えやすくなる成分を含むもの)、⑨マイボーム腺機能不全(眼瞼の縁にマイボーム腺という油を出す部位がある。加齢に伴ってマイボーム腺が詰まる)、➉結膜弛緩症(加齢に伴う、結膜部分(白目の部分)の緩みで、眼表面で涙が留めにくくなる。⑪全身の病気に伴うもの(シェーグレン症候群という、涙腺、唾液腺に対する自己免疫疾患)がある。

ドライアイの検査には、①涙の量を調べる検査(シルマー試験):専門のろ紙を瞼の縁にはさんで、5分間でどのくらいの長さが濡れるかを調べる)が行われる。また、②目の表面の状態を調べるには、スリッシルマー試験トランプと呼ばれる顕微鏡を使って、フルオレセインという黄色の染色液を少量点眼すると、傷があるとその部分が染まって見える。③同じ染色液で涙の安定性を調べる検査(涙液層破壊時間検査:BUT:瞬きをしないで目を開けたままにして、涙の層がどのくらいの時間で乱れるかを調べる検査)などが行われる。

いずれの検査も外来で、比較的短時間で終わり、強い痛みなどもない。

一番の予防は、長時間のTVやPCの場合、意識して目を休めること、意識して瞬きをする、室温・湿度に気を付ける、加湿器の使用などで
予防する。

シルマー試験

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・次の項目で該当する症状はいくつありますか?

□目が疲れる

□目が乾いた感じがする

□ものがかすんで見える

□目に不快感がある

□目が痛い

□目が赤い

□目が重たい感じがする

□涙が出る

□目がかゆい

□光を見るとまぶしい

□目がごろごろする

□めやにがでる

10秒間チェック

10秒間瞬きをせずに目を開けていられますか?

<診断結果>

 自覚症状で5項目以上チェックがあった、もしくは10秒間まばたきを我慢できなかった方はドライアイの可能性がある。

涙の数だけ強くなれるか

涙は、涙腺という眼球の外上側にある組織で血液を濾して作られ、瞬きで目の表面に行き渡る。大半は、目頭にある「涙点」という小さい穴から鼻の奥に排出され、一部は目の表面から蒸発する。涙は、眼球の保護が主要な役割であるが、①目の表面をうるおし、乾燥から守る、②目の表面をなめらかにし、きれいに屈折させる、③角膜に、酸素と栄養を補給する(透明な角膜には、血管がとおっていないため、大気中にある酸素を、涙のなかに溶かしこみ角膜に酸素を供給する)、④目の表面にある汚れや、細菌を洗い流す(涙には酵素や免疫タンパクがふくまれていて、細菌を退治して洗い流す)四つの役割がある。

涙は角膜側から、ムチン層、涙液層、油層の3層構造になっている。
 

ムチン層はゴブレット細胞から分泌されるたんぱく質の粘液で、涙をとどめ、乾きを防ぐ。涙液層は、涙腺から分泌され、栄養や酸素を多く含み角膜に供給している。油層は、マイボーム腺から分泌され、涙液がすぐに蒸発しないように覆っている。3秒に1回は瞬き、3層からなる涙を流して目の機能を維持している。

人が涙を流すのは、①ドライアイ防止や角膜保護のために常に分泌される「基礎分泌の涙」、②玉ねぎを刻んだ時や目にゴミが入った時に防御のために出る「反射の涙」、③悲しみや感動で流す「情動の涙」である。

感情の高ぶりによる涙の場合、涙点での涙の処理量を超えてしまい、涙が鼻涙管を経て鼻に流れ込み鼻から涙となる。
涙の種類によって涙に含まれる成分は異なる。

たまには、感動して泣ける映画でも鑑賞してはいかがでしょう。

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新オレンジプラン(認知症施策推進5か年計画)

厚生労働省が1月27日に公表した認知症施策推進総合戦略「新オレンジプラン」(新プラン)には、2025年に65歳以上の高齢者の5人に1人に当たる、約700万人が認知症になるとの最新の推計結果が盛り込まれた。新プランでは、現行の認知症施策推進5か年計画「オレンジプラン」の内容をさらに充実させるほか、広告などを通じた全国キャンペーンを展開するなど新たな施策に取り組むことも示した。
 

新プランは、「認知症の人の意思を尊重し、できるだけ住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」という基本的な考え方に基づき厚労省、内閣府、警察庁、金融庁、消費者庁、総務省、法務省、文科省、農水省、経産省、国交省と協働して策定した。

対象期間は2025年までで、介護保険事業計画企画は、3年ごとなので、個別の数値目標は2017年度末に設定されている。

旧オレンジプラン

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新オレンジプラン

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2016年度診療報酬改定、一般病棟7対1入院基本料はさらに厳しく

少子・高齢化が進展し、医療提供体制の再編が待ったなしで進められる中、2016年度に予定される次の診療報酬改定では、どのような見直しがあるのか。厚生労働省保険局の宮嵜雅則医療課長はキャリアブレインの取材に対し、一般病棟7対1入院基本料(7対1)などの手厚い看護配置の評価が、入院患者の重症度に見合ったものになるよう、「重症度、医療・看護必要度」の項目を変更することが考えられるとした。また在宅医療の評価では、患者の重症度に合わせた点数配分などがテーマになると指摘し、今後、中央社会保険医療協議会(中医協)で議論される定額負担の制度などについても、現段階での方向性を示した。

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外国人技能実習に介護も

2008年度から経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)に基づき、インドネシアなどから介護福祉士候補者を受け入れてきたが、原則4年間で試験に受からなければ帰国しなければならなく、働いているのは約1000人である。実習制度はEPAほど厳しい要件は必要ない。

1月23日、厚生労働省は人手不足が深刻な介護分野に外国人技能実習制度を加える方針を示し、2016年度から開始する。1993年度に設けられ農業・漁業・製造業など70職種で受け入れているが、対人サービスでの受け入れは初めてとなる。

日本語能力も入国時に日本語能力試験4級合格程度の条件になりそうだ。
実習生は入国後、施設などで学びながら技能を習得する。ただし、訪問系サービスは対象に含めず、賃金待遇は、日本人と同等とすることを義務付ける方針で、立ち入り調査権限を持つ新組織の創設なども行い、受け入れ側の監督・指導も強化する。

■日本語能力試験
 

財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催の、日本語を母語としない人を対象に日本語能力を認定する検定試験である。 

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術後疼痛の判定

術後疼痛の判定スコア(Prince-Henry Score)

術後に早期離床を図るために、仰臥位→側臥位→ベッドから足を降ろす→坐位→立位→歩行の段階を追って行う。 

術後に「痛くなく、副作用もなく、円滑に離床できる」のが理想であるが、様々な痛みが出現する。術後に生じる安静時痛と体動痛の両方をおさえるには、多量の鎮痛薬が必要とされる。またそのような場合には、痛みはないが、副作用のために離床が遅れる可能性も考えられる。早期離床は重要である。痛みによる体への侵襲を少なくするためには痛みの判断が重要である。下記指標は、「術後疼痛を行動による発生の有無」で評価するものである。

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■早期離床の目的

1.呼吸器 :主に胸部、上腹部手術では、肺活量、機能的残気量、一回換気量などが減少し、痛みによる反射的な腹筋の緊張亢進や横隔膜機能低下が引き起こされる。さらに、痛みに対する恐怖感から深呼吸や咳が抑制され、分泌物貯留や無気肺の原因となる。

2.循環器 :交感神経の緊張によって、頻脈、血圧上昇を来たし、心筋虚血、心筋梗塞が引き起こされる。また、痛みによる長期臥床は、深部静脈血栓腔の形成因子となる。

3.消化器 :腸管の動きが抑制され、術後イレウスの原因となる。また排尿障害を起こす。

4.内分泌 :交感神経の緊張は、カテコラミンや異化ホルモンの遊離を促し、代謝亢進、酸素消費量の増加をもたらす。

5.精神面 :痛みによる不安・恐怖は、薬を過度に必要としたり、医療側に対する不信感の引き金となる。

運動すると全身の血液の循環がよくなり、腸管の運動が促進されたり、呼吸器の拡張や皮膚の圧迫解放、関節可動域の拡大、運動による筋力維持等、多岐にわたる合併症予防効果がある。しかし、術後には様々な痛みが出現する。 体性痛である切開創や断端部の痛み、深部痛である筋肉切開の痛み、内臓痛、麻酔から覚醒していくにしたがって痛みは増強する。したがって、体動時痛の軽減対策などが重要である。

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保育士、5年間で40万人増計画

全国の保育園で必要とされている保育士の数は、平成20年時では全国で34万6千人で、平成26年では40万9千人、平成29年では46万人と言われている。

厚生労働省に発表では、以下のような状況で、合格率の上昇と合格者数の増加が見て取れる。

■保育士数の増加の推移

しかしながら、民間を対象にした調査結果では、「今のところ問題なく確保できてる」と答えた保育園が、53.0%、「一部は確保できるが、必要としている数は確保できない」と答えた保育園が7.1%、「応募がない」が10.8%であったという。現在でも約30%の保育園で保育士が不足している状況である。保育士、保育園の不足は、女性の社会進出の妨げとなり、日本の経済力低下につながってしまうので、供給数の改善が急務である。特に都市部での保育士不足が深刻で、2015年1月22日の国の「子ども・子育て会議」では、2016年度から保育士の資格試験を年1回から2回に増やし受験しやすくする。2回実施する都道府県には補助を行うこととし、資格取得を目指す人の講座受講費の一部を補助ずることにしている。さらに結婚や出産で離職した有資格者の再就職支援も強化する計画である。2013年から2017年までの5年間で新たに40万人の保育の受け皿を確保し、待機児童の解消を目指すとしており、2017年度に保育事業を利用する児童に対して必要な保育士は46.3万人で、6万9千人が不足するという。

■保育士になるには?

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サ高住などへの入居理由、「家族」が6割

2011年10月に制度化(導入)されたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が、2014年12月には166,217戸と増えている。

京都市や大阪市、岡山市など5都市のサ高住11施設と有料老人ホーム3施設で、昨年6月までの1年間に入居した高齢者313人(男性119人、女性194人、平均年齢84.5歳)を対象に、入居前の生活状況について、本人やケアマネジャーらへの聞き取りに加え、ケアプランからの情報収集などを基に入居の理由や生活状況を分析した結果、入居の理由については(複数回答)、「内・外科系疾患」が64.2%と最多だったが、高齢者の独居への不安や同居への負担感など「家族の状況」も61%を占めた。また、入居の決定にかかわるキーパーソンは(複数回答)、「子」が67.7%を占め、「本人」(34.5%)や「配偶者」(7%)を大きく上回った。入居の決定に子どもの意見が大きな影響力を持つことが明らかになった。

入居前の世帯状況では、「単独世帯」が55.9%で最も多く、以下は「夫婦のみ」、「子世帯と同居」、「子のみと同居」などの順。入居前の2週間を過ごした場所は、「自宅」がトップだったが、「医療機関」も2番目に多く、入院をきっかけに退院後、在宅に戻らずに入居を決めるケースも多かった。

妊婦注意!リンゴ病流行か?

「妊婦が感染すると胎児の異常や流産を引き起こす可能性がある「伝染性紅斑」(ほおが赤くなることリンゴ病と呼ばれる)が各地で流行の兆しを見せている。国立感染症研究所がまとめた1月5日から11日までの週の患者報告数(小児科定点医療機関約3000か所)は、昨年12月のピーク時を上回る定点当たり0.44人を記録。都道府県別では宮城が1.55人で最も多く、次いで神奈川(1.31人)、東京(0.91人)、埼玉(0.83人)、新潟(0.77人)、岩手(0.75人)、石川と福岡(共に0.69人)、千葉(0.66人)、佐賀(0.65人)、青森(0.62人)などの順だった。
 

感染拡大に伴い、管内で流行発生警報の開始基準値の2.0人を上回る保健所が続出。宮城県の仙南(3.8人)や新潟県の長岡(3.2人)、東京都の江東区(2.44人)と北区(2.29人)、埼玉県の朝霞(2.29人)、神奈川県の小田原(4.67人)と厚木(3.0人)、福岡県の城南(4.33人)などの保健所管内で警報レベルを超えた。
 

前週比3倍の2.25人を記録した北見保健所(北海道)は、まん延を防止するため警報を発令。妊婦は胎児感染の恐れがあるため、「流行時期に感冒様症状(かぜ症状)者に近づくことを避けて」と注意を促している。

全国患者報告数は昨年のピーク時を上回っており、首都圏や東北地方などで患者が増加している。

■伝染性紅斑(リンゴ病)とは
  

伝染性紅斑の原因はヒトパルボウイルスB19感染で、10―20日ほどの潜伏期間の後に、ほおに赤い発疹が現れた後、手や足にも網目状の発疹が現れる。小児が感染してもほとんどが重症化せずに軽快する。

ヒトへの感染となるウィルス排泄は感染後7~12日後に起こるため、リンゴ病の診断がついたときには感染力はないことになる。 リンゴ病の発熱はないか、あっても微熱程度のことがほとんどだが、流行の強い年には始め39℃以上の高熱が2~4日続いたあとに、顔の発赤が現れてきてそのとき初めてリンゴ病と診断されることもある。
 

成人では、ほおの赤い発疹などの特徴的な症状が出ることは少ないが、強い関節痛のために歩けなくなることもある。妊婦が感染すると本人には全く症状がなくても胎盤を介して胎児に感染し、流産や死産となる可能性がある。特異的な治療法はなく、対症療法のみである。