月別アーカイブ: 2015年6月

消費増税先送りで社会保障改革見直し、国民皆保険制度危機

2012年に消費増税と社会保障の充実に向け社会保障・税一体改革関連法が成立した。2013年12月には具体的な改革の道筋を示した社会保障改革法も整備され、消費税を10%に引き上げた場合、15年度には1.8兆円、16年度以降には2.8兆円が子育て支援や年金・医療・介護などに充てられることになっている。増税が見送られると2015年4月から始まる子ども・子育て支援新制度や幼稚園と保育所を複合した「認定こども園」などの保育の受け皿を増やし待機児童を減らすとともに女性の社会参加を促すとしていた。増税先送りで年金や医療・介護、子育ては見直しが必至となる。

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一方、国民医療費は年々高騰しており、現在年間で約40兆円、2025年には62兆円と試算されており、国民皆保険制度(1961年:昭和36年に、国民健康保険事業が全国の市町村で始められ実現したといわれている)は、保険証一枚でどの医療機関でも受診できる。しかし、英国では、医療機関を自由に選べず、病院にかかるには登録家庭医の診察の紹介が必要である。米国では、国民が公的医療保険に加入しているのは約6人に1人、4500万人が無保険である。米国の1人当たりの医療費は日本の2倍以上で、救急車も有料だ。日本の国民皆保険制度は存続の危機を迎え、さまざまな議論が行われている。

2008年、後期高齢者(75歳)になると、「後期高齢者医療制度」に加入し、保険料を納めることになる。この際高齢者の反発があり特例措置を設け、保険料が軽減された経緯がある。この特例措置を見なおすことにしている。年金収入が80万円で一人暮らしの場合、今の月当たりの保険料は370円、特例措置廃止で1120円となる。また夫婦世帯で740円の保険料は2240円となる。さらに高額所得者の保険料を現在の標準報酬月額の最高等給121万円を「145万円」に増やす案が出ている。また入院中の食事の自己負担金を増やす案も出ている。一食あたり患者負担260円を460円にすることが検討されている。紹介状なしで500床以上の大病院を受診すると5000円の定額を負担する案も出ている。それぐらい国民医療費は逼迫している。

個人的には救急車利用料金も徴収した方がよいと考える。軽症でタクシー代わりに使っているブラックリスト患者は結構多い。2回目以降の利用者はタクシー料金以上の料金を科す方がよい。

エボラ出血熱の医療機関向け確認シート

エボラ出血熱の疑いがある患者の対応をめぐっては、患者が感染症病床を持たない地域の医療機関を受診したことや医療機関もとこ歴を確認しなかった事態を受け、厚生労働省は、リベリアなど発生国への渡航歴を医療機関で確認するシートを作成し、ウェブサイトで公開を始めた(下図)。

医療機関の受付や待合室での使用を想定して作成されており、同省は「印刷して活用してほしい」としている。

シートには、「西アフリカでのエボラ出血熱の発生が続いています」といった注意事項が記載され、地図でリベリアやギニア、シエラレオネの3か国を示した上で、「過去1か月以内に渡航された方は、必ずお申し出ください」という内容になっている。

1970年代以降、中央アフリカ諸国(コンゴ民主共和国、スーダン、コンゴ共和国、ウガンダ、ガボン等)で、しばしば流行が確認されおり、西アフリカでの流行、アフリカ大陸以外(スペイン、米国)での発生が確認されたのは、今回が初めとなる。

潜伏期間が2日~最長21日と幅があるため、日本国内で発症することも十分に起こり得るだけに、医療機関は最悪の事態を想定した徹底した悶死ンが必要である。発生地域の海外渡航歴だけでなく、出身国の人との一か月以内の接触機会の有無を確認するなども周知する必要がある。

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■過去のエボラ出血熱の発生状況

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ロボットによる外科手術の進捗

8月21日に開催された厚生労働省の先進医療技術審査部会においてダヴィンチサージカルシステムを用いた咽喉頭がんに対する経口的ロボット支援手術」のエンドポイントが手術による病理標本の「断端陽性率」が目的である割に切除範囲が広いことから継続審議になっていた。

11月12日、厚生労働省の先進医療技術審査部会において、da Vinci(ダヴィンチ)サージカルシステムなどを用いる「咽喉頭がんに対する経口的ロボット支援手術」(申請者=京大医学部附属病院)に胃管・胃ろうの利用率を主要エンドポイントに加えるなど試験計画を一部見直したことで、先進医療とする必要性が認められ「条件付きの先進医療B」として了承された。

ダヴィンチは、1990年代に米国で開発され、1999年よりIntuitive Surgical社から臨床用機器として販売されたダヴィンチは最先端の「手術支援ロボット」で、1~2cmの小さな創より内視鏡カメラとロボットアーム(鉗子)を挿入し、術者は3Dモニター画面を見ながらあたかも術野に手を入れているようにロボットアームを操作して手術を行い高度な内視鏡手術を可能にした。婦人科手術や前立腺の手術から始まり、今日、手術の適応幅が拡大されてきている。

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ダヴィンチ操作イメージ図

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ダヴィンチ鉗子

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訓練:輪ゴムを鉗子で操作している

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ダヴィンチ操作機

看護管理者は指標を明確に

ある目標に向けて活動した場合やしている途中での評価をするには、目標に到達して目的を達成したかどうかを評価する「ものさし」が必要である。これを「指標」という。

指標は1つの目標に対して3~5の指標が必要と言われ、評価が正確で適正であることを裏付けるものとなるようにしなければならない。

例えば、「氷枕」を例にとってみる。氷枕を作成するには、製氷機(氷)・水(水道)及びシンク・留め金と氷枕そのもの、タオル又は覆い布、氷を入れるボールか洗面器が必要である。これらが整理整頓されて一定の場所に配置されていれば、無駄な労力もロスタイムもなくて済む。しかし必要な物品や設備が散在していると「働きにくい職場環境」ということになる。そこで看護師長はどれほど働きづらいのかを明確にする必要が出てくる。

氷枕を作るのに関連する配置は上図のようである。

氷枕作成の流れとしては、①ケア用品戸棚より氷枕・留め金・ボール・覆布・タオルを持ち、作業台に置いた後、②ボールを持って製氷機のところへ行き、氷を入れて作業台に戻り、ボールに水を入れて氷の角を丸くし、氷枕に氷を入れた後、水を入れ氷枕の空気を抜いて留め金を閉め、③残った氷を製氷機に戻し、④ボールを拭いてケア用品戸棚に戻し、⑤作業台においた氷枕を覆布でくるんで患者のもとへ向かう。

新人看護師2名、中堅看護師2名、ベテラン看護師2名について、看護師長は動線と時間を測り実態を把握した。また「働きにくさ」について全員の意見を聞いた。

時間は、①の片道、②の往復、③の往復、④の往復、⑤の片道を計測したところ、平均で1分20秒であった、最長がケア用品戸棚のタオルを忘れ④を2往復したことによる1分45秒、最短は50秒であった。動線は40mであった。製氷機の周りに作業台や水道・シンクを移設し、汚水槽を水道シンクの位置に移設することとし、目標:氷枕作成作業時間の短縮目的:働きやすい職場づくりの一環として、指標①動線を10mにする。指標②時間のロスが少なくなる。所要時間を半分にする。指標③看護師全員が作業しやすく便利になったと評価する。つまり、指標は行う前と行った後の違いを明示することになる。

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医療用検査薬の一般向け販売拡大

現在薬局で購入できる一般向けの検査薬は、1990~91年に認められた尿糖、尿たんぱく、妊娠検査薬の3種類である。医師の処方なしに薬局などで購入できる一般用検査薬の拡大を検討している厚生労働省の専門部会は、11月12日、医療機関で使われる医療用検査薬を、薬局でも購入できるようルールを改める方針を決めた。業界団体が、医療用検査薬の一般向け販売を認めるよう要望していた49種類の中から、尿、ふん便、鼻汁、唾液などを採取するのが適当であると規定し、体に侵襲が大きい血液やのどなどの粘膜は対象から外し、がんや心筋梗塞、遺伝性疾患など重大な病気の診断につながるもの、学術的な評価が確立し、正しい判定ができるものとして、排卵日検査薬や潜血検査薬、食塩やケトン体、亜硝酸塩など十数種類の検査薬を早ければ2015年度にも販売できるようにする見通しである。また、使用後には適切な受診につなげるよう、薬剤師などが指導や相談を行うことも求めている。

■検査薬販売のメリット

1.国民医療費の削減  

2.病気の早期発見、早期治療

3.健康への関心の向上 

4.疾病予防に対する意識の向上

5.セルフメディケーションの意識向上

6.病院職員の過重労働の軽減 

7、検査薬関連企業の販売促進

8.新たな試薬開発への競合

日本人の約4割は不眠症?

製薬会社のMSD(Merck Sharp and Dohmeの略、アメリカの大手製薬会社)」が今年8月に、人口比に基づく全国の20-70代の男女7827人にインターネット調査を実施し、世界共通の不眠症判定法「アテネ不眠尺度(AIS)」を用いて、寝つきの良さ、日中の眠気、睡眠時間や睡眠の質の満足度などについて尋ねたた結果、日本人の約4割(38.1%)は「不眠症の疑いがある」ことが分かった。「不眠症の疑いが少しある」人は18.4%、「疑いなし」は38.9%、「不眠症の治療中」は4.7%であった。

不眠症は、寝つきが悪い入眠障害、夜中に目が覚める中途覚醒、ぐっすり眠った満足感がない熟眠障害など、睡眠の質が低下して生活にも支障を来すようになる。 

調査では、睡眠の質を低下させている原因として、「不規則な生活をしている」「ストレスがある」「多忙である」などで自分に当てはまる感覚についても尋ねた。不眠症の重症度が高いほど、該当項目が多く、特に「ストレスがある」と答えたのは、「疑いなし」層では19.5%だったが、「疑いあり」は58.5%、「治療中」は65.7%と高かった。同じように、就寝時に「不安感」「憂鬱な気持ち」「緊張感」といったマイナスの感情を抱いている割合も、不眠症状に応じて高まる傾向があった。

さらに、就寝前に脳の覚醒を引き起こすとされる行動をしているかを尋ねたところ、「PC・タブレット・スマートフォンを操作する」「考え事をする」「ゲームをする」などで、不眠症の疑いのある層はない層に比べて有意に高い結果だった。

睡眠は、夜になると松果体からメラトニン(睡眠を誘う物質)が血中に放出され体温が下がることによる。眠ることで脳を休めていると言われ、特に海馬(記憶をつかさどる)には睡眠が重要と言われている。

生体のリズムに反して覚醒していること自体がストレスとなる。サーカディアンリズムがくるって余計に夜眠れなくなる。長時間労働による睡眠不足や夜勤など夜型生活のシフトなども睡眠障害を起こしやすい。睡眠障害は、図のように身体疾患や精神疾患を惹起しやすい。またエラーを起こしやすい状況になる。ストレスによる体や心への影響と合わせて不眠は健康に良くない。他の国に比べて、日本は元々睡眠時間が少ない。

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■日本人の睡眠時間比較(OECD加盟国比較)

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■慢性的な睡眠不足が及ぼす影響

*日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下、体内のホルモン分泌や自律神経機能に大きな影響を及ぼす。

*健康な人でも一日10時間たっぷりと眠った日に比較して、寝不足(4時間睡眠)を二日間続けただけで食欲を抑えるホルモンであるレプチンの分泌は減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリン分泌が亢進するため、食欲が増大する。
*慢性的な寝不足状態にある人は糖尿病や心筋梗塞、狭心症などの生活習慣病に罹りやすい。

■シフト(夜勤)による体への影響
*体内時計と生活時間との間にずれが生じ、夜間には体内時計を調節する時計遺伝子の一つであるBMAL1(ビーマルワン)遺伝子とその蛋白質が活性化するが、この蛋白質は脂肪を蓄積し分解を抑える作用を持っている。したがって、「夜食べると太る」。 体内時計にとっては不適切な時間帯に食事を取ることになり、生活習慣病の原因のひとつになっている。

■ストレスの体への影響

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心拍数増加(心負荷)・血糖上昇(エネルギー消耗:空腹:過食:生活習慣病惹起)・消化・吸収の抑制(過食)、排泄抑制(便秘:腸血管圧迫狭小:高血圧)、血圧上昇・血管収縮(動脈硬化)、免疫抑制(風邪などひきやすい)

マダニ媒介「日本紅斑熱」患者最多200人

 「日本紅斑熱(こうはんねつ)」の感染者は、年間10~20人ほどだったが、平成20年に100人を超え、今年は11月2日までに211人と初めて200人を超えた。患者は和歌山県32人、広島県29人、三重県28人など西日本に多い。関東でも千葉県で3人、神奈川県で1人が感染した。新潟県では初めて患者が確認された。感染症法が施行された平成11年以降で最多となった。

昆虫やダニなどの節足動物が媒介する感染症では今夏、蚊の媒介によるデング熱の国内感染者が160人確認された。日本紅斑熱は、「リケッチア・ジャポニカ」という細菌を持つマダニが媒介する。リケッチアジャポニカマダニの活動が活発で人の野外活動が多い時期の感染が多いが、冬季の感染もあり、注意が必要だ。

マダニに咬まれてから2~10日後に、高熱(39~40度以上の熱がでて、悪寒や頭痛を伴う)・発疹(熱とともに小豆大の紅い斑点が全身にできるが、はっきりしないときもある。発疹は3~4日目にピークとなり、2週間ぐらいで消失する)・刺し口(ダニに刺されたところが、5~10mmくらいに赤く腫れたり、かさぶたをつくる)である。

治療によりよくなる病気だが、治療が遅れると四肢の末端が壊死(えし)して切断しないといけなくなったり、重症化することがあり、多臓器不全や DIC(播種性血管内凝固症候群)などの重い症状で死亡することもある。早期発見・早期治療が重要で、テトラサイクリン系抗生物質やニューキノロン剤が有効だ。しかしSFTSも日本紅斑熱も予防接種はなく、予防法はマダニに刺されないことしかない。ヒトからヒトにうつることはない。

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■マダニとは

ダニの一種で、山野、農耕地に生息し動物の血液を吸って生きている。家屋の周辺の草むらなどにいるが、家屋の中にはいない。日本紅斑熱をはこぶのはヤマアラシチマダニ、フタトゲチマダニなどだ。

■外出の際の予防法

・肌を露出しない(長袖・長ズボン・手袋などを着用する)。

・肌の露出部分には防虫スプレーを使用する。

・草むらや地面に直接座ったり、衣類をおいたりしないようにする。

・野山や草むらに入った後は、すぐに入浴して新しい服に着替える。

■咬みついているダニを見つけたとき

つぶさずに、ピンセットなどをつかってダニの頭のほうをつかんでとる(つぶすと病原体を身体の中に注入してしまう場合がある)。難しい場合は医療機関に行く。

病院の理念と組織目標、看護部目標、部署目標の関係

毎年、年度目標を掲げ、その達成に向けて一年間の管理活動が始まる。組織から示される大目標に対して部門での目標を検討し、それを各部署に提示する。各部署ではそれを基に達成できていない目標項目や不安定で維持できない目標項目について具体的な活動内容を検討して一年間の活動を開始する。以下がその構造である。

1.病院の理念は、「あるべき病院の姿」を示している。つまり、病院が社会(国民・県民・市民・町民等)に対してどのように社会貢献するのかを示している。

2.ビジョンを達成するために組織目標がある。

3.組織目標を達成するために各部門の長が職務(専門)に見合った目標を掲げる。

4.それを基に各部署の看護管理者が部下の意見も確認しながら部署の目標を立案する。

5.部署の目標を達成するために部署で働く各個人の目標を掲げ活動する。

病院で働く組織員一人一人が目標を達成することによって社会に貢献する病院かどうかが決まる。看護師一人一人が、その患者に適したいい看護を継続的に提供することが組織目標の何(どこ)に位置するのか。何のためにいい看護を提供しなければならないのかについて、どれぐらいの看護師が理解をして日々の看護を行っているのだろうか。看護管理者は、看護師に対して十分に説明し、納得できるように、課題である部署目標を達成する意義の共有化に時間をかけ、個々の目標が部門や組織の目標のどこに通じているのかその重要性を説かなければならない。

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認知症施策オレンジプランを強化

東京都内で開かれた「認知症サミット日本後継イベント」で安倍晋三首相が11月6日、現行の認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)に代わる新たな戦略(新プラン)の策定を表明し、塩崎恭久厚労相に指示したことを明らかにした。厚生労働省は年内を目途にまとめ、来年度予算編成に新プランの内容を反映させる方針ですすめている。新戦略は省庁横断的な取り組みを前提に、昨年度に始まったオレンジプランを強化したもので、認知症の人が地域で長く生活できる社会の構築を目指す。

2012年9月、急増する認知症高齢者などに対応するため、2013-17年度の認知症施策の推進計画としてオレンジプランを策定した(認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)。

平成 25 年度から 29 年度までの計画は以下である。

1.標準的な認知症ケアパスの作成・普及

1)認知症ケアパス

・状態に応じた適切なサービス提供の流れの作成・普及
平成 24~25 年度 調査・研究を実施、平成25~26年度に各市町村におい
て、「認知症ケアパス」の作成を推進、平成27年度以降 介護保険事業計画
(市町村)に反映。

2.早期診断・早期対応

1)「認知症の薬物治療に関するガイドライン」も活用して研修の実施

・かかりつけ医認知症対応力向上研修の受講者数(累計)
平成24年度末見込 35,000 → 平成29年度末50,000人 (考え方として高齢者人口約600人(認知症高齢者約60人)に対して、1人のかかりつけ医が受講)

・認知症サポート医養成研修の受講者数(累計)
平成24年度末見込 2,500人 → 平成29年度末 4,000人(考え方として一般診療所(約10万)25か所に対して、1人のサポート医を配置。

・地域包括支援センター等に「認知症初期集中支援チーム」を配置し、家庭訪問を行い、アセスメント、家族支援等を行う。
平成24年度 モデル事業のスキームを検討、平成25年度 全国10か所程度でモデル事業を実施、平成26年度 全国20か所程度でモデル事業を実施、平成27年度以降 モデル事業の実施状況等を検証し、全国普及のための制度化を検討。

・早期診断等を担う医療機関の数
平成24~29年度 認知症の早期診断等を行う医療機関を、約500か所整備する(認知症疾患医療センターを含めて、二次医療圏に1か所以上の設置)。

・地域包括支援センターにおける包括的・継続的ケアマネジメント支援業務の一環として多職種協働で実施される「地域ケア会議」の普及・定着
平成24 年度 「地域ケア会議運営マニュアル」作成、「地域ケア多職種協働推進等事業」による「地域ケア会議」の推進、・平成27 年度以降 すべての市町村で実施。

3.地域での生活を支える医療サービスの構築

・「認知症の薬物治療に関するガイドライン」の策定
平成24 年度 ガイドラインの策定、平成25 年度以降 医師向けの研修等で
活用

・精神科病院に入院が必要な状態像の明確化
平成24 年度~ 調査・研究を実施、

・退院支援・地域連携クリティカルパス(退院に向けての診療計画)の作成
平成24 年度 クリティカルパスの作成、・平成25~26年度 クリティカルパスについて、医療従事者向けの研修会等を通じて普及。あわせて、退院見込者に必要となる介護サービスの整備を介護保険事業計画に反映する方法を検討、

・平成27年度以降 介護保険事業計画に反映。

4.地域での生活を支える介護サービスの構築

・認知症の人が可能な限り住み慣れた地域で生活を続けていくために、必要な介護サービスの整備を進める。

5.地域での日常生活・家族の支援の強化

・認知症地域支援推進員の人数:平成24年度末見込175人 → 平成29年度末700人 (5つの中学校区当たり1人配置(合計約2,200 人)、当面5年間で700 人配置

・各市町村で地域の実情に応じて、認知症地域支援推進員を中心として、認知症の人やその家族を支援するための各種事業を実施、認知症サポーターの人数(累計) 平成24年度末見込350万人 → 平成29年度末600万人

・市民後見人育成・支援組織の体制を整備している市町村数(平成24年度見込40市町村で将来的に、すべての市町村(約1,700)での体制整備

・認知症の人やその家族等に対する支援(・平成24年度 調査・研究を実施・平
成25年度以降 「認知症カフェ」(認知症の人と家族、地域住民、専門職等の
誰もが参加でき、集う場)の普及などにより、認知症の人やその家族等に対
する支援を推進。

6.若年性認知症施策の強化

・若年性認知症支援のハンドブックの作成(・平成24年度~ ハンドブックの作成。医療
機関、市町村窓口等で若年性認知症と診断された人とその家族に配付、若年性認知症の人の意見交換会開催などの事業実施都道府県数:平成24年度見込 17都道府県 → 平成29年度47都道府県)

7.医療・介護サービスを担う人材の育成

・「認知症ライフサポートモデル」(認知症ケアモデル)の策定(平成24年度 前年度に引き続き調査・研究を実施

・平成25年度以降 認知症ケアに携わる従事者向けの多職種協働研修等で活用、認知症介護実践リーダー研修の受講者数(累計):平成24年度末見込2.6万人 → 平成29年度末 4万人(すべて介護保険施設(約15,000)とグループホーム(約14,000)の職員1人ずつが受講。加えて、小規模多機能型居宅介護事業所、訪問介護事業所、通所介護事業所等の職員については、すべての中学校区(約11,000)内で1人ずつが受講)、

・認知症介護指導者養成研修の受講者数(累計):平成24年度末見込1,600人 → 平成29年度末2,200(5つの中学校区当たり1人が受講)

・一般病院勤務の医療従事者に対する認知症対応力向上研修の受講者数(累計):新規 → 平成29年度末87,000人(病院(約8,700)1か所当たり10人(医師2人、看護師8人)の医療従事者が受講。

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日本:269床 ベルギー:175床 オランダ:159床

日本の全病床数:34万4千床(全世界185万床の5分の1を日本が占める)

消費税10%で喫煙者半数に、たばこ税収1兆円強減収

ファイザー社が今年10月、全国の喫煙者9400人(各都道府県200人ずつ)にインターネット調査を実施した。この中で、今後どのようなきっかけがあれば禁煙しようと思うかを複数回答で尋ねると、最多は「更にタバコの価格が上がったら」(50.9%)で、以下は「健康を損ねたら」(50.3%)、「子供を妊娠したら(妻・恋人が妊娠したら)」(18.2%)、「医師から禁煙を勧められたら」(15.4%)などと続いた。

さらに、この質問に「何があっても禁煙しない」と答えた705人を除く8695人に対しては、2015年秋に消費税率が10%まで引き上げられた場合の禁煙の意向についても尋ねた。消費税率10%への引き上げに伴うたばこの値上げをきっかけに禁煙するつもりだと答えたのは、4254人(48.9%)だった。

同調査では、これまでの禁煙の経験についても質問。直近1年間に禁煙に挑戦した経験があるのは2751人(29.3%)だった。挑戦した理由を3つまで聞くと、「自分自身の健康が気になった」が61.9%で最多で、「タバコ代を捻出しづらくなった」(35.3%)、「自分の喫煙が周囲の人の健康に与える影響が気になった」(22.9%)などがこれに続いた。

禁煙に失敗した理由も複数回答で尋ねると、「禁煙中のイライラに耐えられなかった」が50.2%で最も多く、以下は「ストレスを解消したかった」(43.4%)、「飲み会などでつい吸ってしまった」(28.0%)、「本気でやめたいと思っていなかった」(22.1%)などの順だった。

禁煙に挑戦した際に最もよく利用した方法は、「自分の意志のみ」(71.5%)が最も多く、以下は「薬局で買える禁煙補助剤」(9.0%)、「飲食物で紛らわした」(8.0%)、「禁煙グッズ」(5.6%)などと続いた。

禁煙治療を病院などで受けられると知っている人は9330人いたが、このうち禁煙治療を受けたことがある人は548人(5.9%)にとどまった。

禁煙を希望する患者に対する指導や治療を評価する「ニコチン依存症管理料」の診療報酬は、①ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)で依存症だと診断される、②一日の喫煙本数に喫煙年数を乗じた数が200以上-といった条件を、患者が満たす場合に算定できることになっている。

同調査では、TDSで依存症と診断された人は6448人(68.6%)。一方、一日の喫煙本数と喫煙年数を乗じた数が200以上の人は5683人(60.5%)で、両方の条件を満たす人は4084人(43.4%)だった。

2014年5月時点の喫煙者2059万人(男1526万人、女533万人)のたばこ税収一日ひとりメビウス一箱として、年間約2兆8200億円の税収が、消費税率10%への引き上げに伴うたばこの値上げをきっかけに禁煙するつもりだと答えたのは、50.9%(1兆600億円)の減収となる。1兆7600億円をどのように補填するのだろう。

■たばこ税とは

たばこ税法(昭和59年8月10日法律第72号)に基づき、「製造たばこ」に対して課される税金(いわゆる「国たばこ税」)で、たばこを課税物件とする税の総称である。

日本においては、国税である国たばこ税(狭義のたばこ税)及びたばこ特別税と地方自治体の課税する地方たばこ税(道府県たばこ税及び市町村たばこ税)とを合わせたものをいう。たばこが専売制だった時は、国たばこ税は存在しなかった。専売制が廃止になる際、たばこ消費税法が施行され、国税としてのたばこ消費税が定められた。1989年の消費税法の施行の際、法律名がたばこ税法に、名称もたばこ税と変更され今に至る。たばこにかかる税率は、約65%で、その販売額にかかわらず紙巻きたばこの本数あたりで決まっている。ただし、旧三級品については、経過措置として税額が異なる(下記 [ ] 内の額)。

国たばこ税:通常の製造たばこ: 1,000本当たり5,302円 [2,517円]、特定販売業者以外の者により保税地域から引き取られる製造たばこ: 1,000本当たり11,424円

道府県たばこ税: 1,000本当たり1,504円 [716円]

市町村たばこ税: 1,000本当たり4,618円 [2,190円]

たばこ特別税(一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律 第8条): 1,000本当たり820円 [389円]

租税特別措置法第88条の2第1項に該当する場合: 1,000本当たり500円

合計すると、国内で販売されている通常の製造たばこであれば、合計で1,000本当たり12,244円[5,812円]となる。また、別に消費税が、たばこ本体と上記たばこ税を合計した額に対して加算される。

2014年4月に消費税の増税があり、現在ではメビウス1箱を吸うと、そのうち約277円は税金となる。

■たばこ1箱あたりの定価の構成(メビウス・430円の場合、円)

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