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2013年度介護給付費の実態

厚生労働省の「2013年度介護給付費実態調査」の結果で、介護サービスか介護予防サービスを1回以上受けた人は、前年度比22万9,900人増の479万人となり、過去最高を記録した。また介護費総額も9兆3,261億円で、受給者数とともに過去最高を6年連続で更新している。

介護サービスの受給者は455万3,600人(前年度比16万8,400人増)。このうち居宅サービスは345万7,600人(14万7,300人増)、施設サービスは119万500人(1万8,900人増)、地域密着型サービスは46万8,600人(2万8,700人増)、居宅介護支援は315万3,100人(12万400人増)だった。

■介護費総額の推移

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■月平均介護支給者数

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■介護サービス件数の推移

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年金支給年齢はどうなる?

厚生年金の支給開始年齢は、従来の60歳から段階的に65歳まで引き上げられることが決まっている。すでに男性で1953年4月2日~翌年4月1日生まれの人は2014年から年金支給年齢が1歳引き上げられている。女性は5年遅れで男性同様の支給年齢となる。また基礎年金(国民年金:すべての職業の人が加入する)は65歳から支給されるが、この支給年齢も引き上げるかどうか議論されている。さらに支給額や所得額、60歳定年制や再雇用の問題もあり簡単には解決しない。そもそもの原因は少子化(生産労働人口の減少)と長寿化(年金支払期間の延長)による財政難にある。人口減少などははるか昔からわかっていたはずだから今になって騒いでいる方がおかしい。資源のない日本ではまさに「働かざる者、食うべからず」の時代になる。年金では生活できない時代がやってくるかもしれない。

年金額は、所得代替率(平均的会社員と専業主婦というモデル世帯が65歳で受け取る年金額が、その時点の現役サラリーマンの平均手取り賃金と比べて、何%にあたるかという指標。現在62.7%)によるが、2004年の年金改革で、少子高齢化に合わせて減額することがきまっており、今後減少していく。経済成長がどうなるかによって大きな影響を受ける。

一番手っ取り早い解決策は、積極的に移民を受け入れ生産人口を減らさないようにして今まで同様の税収を維持することであろう。

平成24年(2012年)の出生数は103万3,000人(推計数)で、平成23年の105万806人(確定数)より約1万8,000人減少し、人口動態統計制度が実施された明治32年(1899年)以降のうちもっとも少ない人数となる。

人口千対の出生率(平成24年10月1日時点の推計日本人の人口は、125,950,000人で算出)は8.2で、50年前(昭和36年)の16.9%の半数以下に減少している。アメリカ(2009年)では、13.5、イギリス(2010年暫定値)の13.0、フランス(2011年暫定値)の12.6、韓国(2010年)の9.4を下回り、ドイツ(2011年暫定値)の8.1とシンガポール(2011年)の7.6よりは高い状況である。

死亡数は124万5,000人で、人口の自然増減数は21万2,000人減。自然減は平成17年に始まり、18年はいったん増えたが、19年以降減少が続いている。

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■年金支給年齢

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■出生数の推移

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仕事と介護を両立できるシンボルマーク命名

厚生労働省は、「仕事と介護の両立」のシンボルマーク(WORK(仕事)の頭文字Wと、CARE(介護)の頭文字Cを組み合わせて、仕事と介護を両立させ、未来を歩くイメージを表現したマーク)を3月に発表し、「明るいイメージをもった、わかりやすく親しみやすい愛称」を募集していた。

8月6日、シンボルマークの愛称を178件の応募作品から選び、「トモニン」とすることを発表した。「介護をする人を職場で支えて、ともに頑張っていく」という意味が込められているという。

厚労省職業家庭両立課では、親の介護などで離職を余儀なくされる人の中には、企業でも中核的な役割を担う人が少なくなく、「離職防止は、企業の持続的な発展にとって重要な課題」とし、積極的に介護離職防止に取り組む企業の証としてシンボルマークを活用してもらうことにしている。

シンボルマークと愛称の活用は、厚労省の両立支援のひろばに、自社の介護休業関係の取り組みなどを登録すればよい。ただ、①独占的または営利目的での使用、②趣旨に反した不適当な使用、③育児・介護休業法や労働基準法などの労働関係法令に違反する重大な事実がある企業などでは使用できない。

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エボラ出血熱、海外拡散の懸念

世界保健機関(WHO)で危険感染症の対策に当たっている進藤奈邦子チームリーダーによると、西アフリカで感染が拡大しているエボラ出血熱について「史上最大、最悪の規模になり年内に収束させるのは難しい」との認識を示した。また、医療関係者の感染が相次いだため、現地で医師らが集まらず、大幅に不足していると強い危機感も示した。
 

8月4日のWHOの発表によると、ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリア4か国の感染者数は計1,603人、死者は887人に上る。

進藤氏は「首都に感染者がいることも今回の特徴で、空港から海外に広がる懸念がある」と指摘した。また、「医療関係者にも数十人規模で感染者が出ている」と明らかにした。感染を恐れ現地の医師や看護師が集まらないことが深刻な問題となっているという。国際民間活動団体(NGO)が最後の頼みの綱となっているが、リベリアでは有力な米NGOに4人の感染者が出たため、米政府が撤収させる方針であることも明らかにした。50~60人の患者に対し医療スタッフは4、5人しかおらず、疲労が蓄積し院内感染につながっているとした。

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■エボラ出血熱とは
フィロウイルス科エボラウイルス属のウイルスを病原体とする急性ウイルス性感染症で、オオコウモリ科のウマヅラコウモリ、フランケオナシケンシュウコウモリ、コクビワフルーツコウモリ等が、エボラウイルスの自然宿主とされ、現地の食用コウモリからの感染を「ネイチャー」に研究論文として掲載されている。

感染は、患者の血液、分泌物、排泄物や唾液などの飛沫感染で、死亡した患者からも感染する。エボラウイルスの感染力は強く、体細胞の構成要素であるタンパク質を分解することでほぼ最悪と言える毒性を発揮し、体内に数個のエボラウィルスが侵入しただけでも容易に発症する。現在までの感染拡大も、死亡した患者の会葬の際や医療器具の不足(注射器や手袋など)により、患者の血液や体液に触れたことでもたらされたもので、空気感染は基本的にない。
エボラウイルスの大きさは、80 - 800nm(ナノメートル:100万分の1m)の細長いRNAウイルスで、ひも状、U字型、ぜんまい型など形は決まっておらず多種多様で、エンベロープ(脂質の膜)を持つウイルスなので、アルコール消毒や石鹸による消毒が有効である。

初めてこのウイルスが発見されたのは1976年6月にスーダン(現:南スーダン)のヌザラ (Nzara) という町で、倉庫番を仕事にしている男性が急に39度の高熱と頭や腹部に痛みを感じて入院、その後消化器や鼻から激しく出血して死亡した。その後、その男性の近くにいた2人も同様に発症して、それを発端に血液や医療器具を通して感染が広がった。最終的にヌザラでの被害は、感染者数284人、死亡者数151人となった。
そして、この最初の男性の出身地付近である、当時のザイールのエボラ川からこのウイルスの名前はエボラウイルスと名づけられ、病気もエボラ出血熱と名づけられた。その後エボラ出血熱はアフリカ大陸で10回、突発的に発生・流行し、感染したときの致死率は50 – 90%と非常に高い。そのため、バイオセーフティーレベルは最高度の4に指定されている。

エンベロープは、ウイルスが感染した細胞内で増殖し、そこから細胞外に出る際に細胞膜あるいは核膜などの生体膜を被ったまま出芽することによって獲得される。これらのエンベロープタンパク質には、そのウイルスが宿主細胞に吸着・侵入する際に細胞側が持つレセプターに結合したり、免疫などの生体防御機能を回避したりなど、さまざまな機能を持つものが知られており、ウイルスの感染に重要な役割を果たしている。細胞膜に由来するエンベロープがあるウイルスでは、エンベロープタンパク質が細胞側のレセプターに結合した後、ウイルスのエンベロープと細胞膜とが膜融合を起こすことで、エンベロープ内部に包まれていたウイルスの遺伝子やタンパク質を細胞内に送り込む仕組みのものが多い。

潜伏期間は通常7日程度。発病は突発的で、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、食欲不振などから、嘔吐、下痢、腹痛などを呈する。進行すると口腔、歯肉、結膜、鼻腔、皮膚、消化管など全身に出血、吐血、下血がみられ、死亡する。治癒しても失明、失聴、脳障害などの重篤な後遺症を残すことが殆どである。

エボラ出血熱ウイルスに対するワクチン、ならびに、エボラ出血熱感染症に対して有効かつ直接的な治療法は、現在に至るまで確立されていない。

日本においては、エボラ出血熱は、感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)では「一類感染症(感染力や罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性が極めて高い感染症をいう)」に指定されている。

感染者は原則として入院の必要がある他、消毒や通行制限などの措置がとられる。

現在、一類感染症は、「エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘瘡(天然痘)、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱」が指定されている。

日本人の平均寿命

2013年の日本人の平均寿命(その年に生まれた子供が平均して何年生きられるかを予測した数値で、平均余命のことである)は、女性が86.61歳、男性が80.21歳で過去最高を更新した。

男性は、調査を始めた1891年以来初めて80歳を超え、長寿世界四位に、女性は2年連続の長寿世界一だった。

厚労省によると、1891年(明治24年)~1898年(明治31年)の初の平均寿命調査では、男性が42.8歳で、女性が44.3歳であった。およそ120年で、男性が37.1歳、女性が42.3歳延長したことになる。豊富な食材や医学の進歩、健康への国民の関心が高まったこと、国や自治体の医療政策の推進によるところが大きい。問題は健康で年を重ねているかどうかである。入院や寝たきりで平均寿命が延びるより、ヘルスプロモーション(個人はもちろん社会や病院・診療所が予防に向けて取り組み、より健康で長生きをし、自由と幸福で生きて行こうというもの)の取り組みがますます重要である。年金支給開始60歳が65歳になる。

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■平均寿命上位の国・地域

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■ヘルスプロモーションとは

WHO(世界保健機関)が1986年のオタワ憲章において提唱した新しい健康観に基づく21世紀の健康戦略で、「人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし、改善することができるようにするプロセス」と定義されている。

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新たに100万人の人材確保が必要な介護職員

2000(平成12)年の介護保険制度の施行後、介護職員の増加は12年間で2.7倍以上になっているが、国の推計では2025(平成37)年にはさらに1.6倍以上(100万人以上)の介護職員が必要になると推計している。

総務省が2014(平成26)年4月に発表した日本の人口推計(平成25年10月1日現在)によると、日本の総人口は1億2729.8万人で前年比25.3万人の減少となり、15歳から64歳までの生産年齢人口は7901万人で前年比116.5万人の減少となる。一方、65歳以上の高齢者人口は3289.8万人となり、総人口に占める比率(高齢化率)は25%をすでに超える状況だ。

640万人を超える団塊の世代(S22~S24年生まれの人々)が65歳の高齢者人口となり、この大集団が75歳の後期高齢者人口に入るのが2025(平成37)年である。社会保障関係では「2025年」に向けて医療・福祉・介護についてさまざまに議論される中、介護・福祉サービスの担い手の確保と養成についても、2007(平成19)年に、14年ぶりに見直し告示された「新・福祉人材確保指針」において、一定の方向性が示された。また2009(平成21)年の報酬改定では、介護職員等の処遇改善を図るための報酬単価の見直しや「処遇改善交付金(現処遇改善加算)」の創設が行われ、キャリアパス構築等の施策推進が行われてきた。しかし、労働市場における「介護職」のイメージは、相変わらず「低賃金・重労働」の3K(キツイ・キケン・キタナイ)イメージが払しょくされておらず、人材の確保に確たる見通しは立っていない。また、専門職としての介護職員の養成システムの見直しについては、専門資格の取得要件として「初任者研修」や「実務者研修」の制度が導入され、2016年には試験制度の見直しが行われる予定になっている。いずれにしても量の確保と質の担保を同時に実現しなければならない。

図表 介護関係職員の現員と予測数

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厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」、「医療・介護における長期推計」

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ケアマネの受験要件、厳格化に

2014年7月28日、厚生労働省は、全国介護保険担当者会議で、ケアマネ(ケアマネージャー:介護支援専門員)の実務研修受講試験の受験要件を、介護福祉士などの法定資格の保有者か、相談援助業務の実務経験者に限定する方針を公表した。これにより介護の実務経験だけでは、ケアマネジャーの資格を得られなくなる。また、来年に改正を予定している「社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針」(福祉人材確保指針)に盛り込むことを想定した事項も示した。

人材育成に熱心な介護事業所を地方自治体が評価・認証する仕組みづくりなどの内容が盛り込まれている。

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●ケアマネとは

ケアマネ(ケアマネージャー:介護支援専門員)は、要支援・要介護者本人やその家族からの相談に応じ、適切な介護サービスを受けるために、介護サービス計画(ケアプラン)を作成する専門職のことをいう。

ケアマネは、2000年4月から開始した『介護保険制度』で発足した。希望に沿った適切なサービスを利用できるように、市区町村や居宅サービス事業者、介護保険施設などとの連絡や調整を行う専門員でもあり、介護保険制度の中でも、中核を担う役割を持っている職種をいう。

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病院機能報告制度の運用方法決定

地域ごとの医療提供再編を促す狙いで2014年10月からスタートする「病床機能報告制度」の中身を話し合う検討会が7月24日に開かれ、全国の病院や有床診療所が各都道府県に報告する具体的な内容を固めた。それによると、全国の病院や有床診療所は、構造設備や「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4つの機能の中から自分たちがカバーするものを病棟ごとに1つずつ選択し、これに合わせて、看護師など医療機関の人員配置や分娩件数などの7月現在の状況と、6年後にどの医療機能をカバーする意向かを毎年10月中に報告することとされている。

医療機関からの報告を基に、各都道府県は医療機能ごとの地域での必要量などを盛り込む「地域医療構想」(地域医療ビジョン)の策定に15年度から順次、着手することになっている。一方、厚労省はビジョン策定のためのガイドラインを14年度内に固める方針を決め、新たな検討会を9月に立ち上げてガイドラインを具体化する予定だ。

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●ガイドラインとは

国や自治体などが関係者らが取り組むことが望ましいとされる指針や、基準となる目安などを示したもの。法的な拘束力はない。国交省の安全輸送ガイドラインでは、荷主や運送会社などの事業者、運転手など関係者ごとに順守すべき項目を示す。

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院内トリアージ実施料を不正請求

院内トリアージ(選り分け)実施料は、休日や夜間など時間外に救急外来を訪れた患者に対して、専任の医師や看護師が重症度を判定し、治療の優先順位を決めるトリアージを評価するもので、2010年度の診療報酬改定で小児を対象として導入され、12年度改定で成人にも広がった。厚生労働省は同年7月に診療報酬の解釈通知で、「1人の来院時など、待ち時間がない場合は算定できない」とする事務連絡を行った。

2014年7月29日、鳥取県倉吉市の県立厚生病院が、今年2月から6月までに休日や夜間などに救急外来を訪れた患者3774人中84人に、「院内トリアージ実施料」計約10万円を不正に請求していた。来院の患者が1人だけで、トリアージの必要がないケースだったにもかかわらず、診療報酬を請求していたという。同病院では8月中に、患者に文書でお詫びするとともに、返金を行うとしている。県病院局では「1人の時に算定できないことは知らなかった」としているが、もしこの弁明が本当なら、あまりにもお粗末すぎる。疑義照会の解釈通知を軽視している点と、一人しかいない患者の診療の優先順位をつける必要がどこにあるだろう、当然、医師も看護師も実際にトリアージを行っていないであろう。県病院局は詐欺を推し進めたことに等しい。

女性が輝く社会へネットワーク設立

女性の活躍推進に取り組むさまざまな団体が連携、協力するためのプラットホームとなることを目指して設立された一般社団法人「ジャパンダイバーシティネットワーク」(内永ゆか子代表理事)の記者発表会が7月28日、東京都内で開かれた。呼び掛け人の1人として参加した日本看護協会の坂本すが会長は、「女性の多い職場の代表として、多様な働き方や能力活用など、すべての女性の良きモデルとなるように看護の現場から情報発信をしていきたい」と語った。

坂本すが会長は、「夜勤や交代制勤務など過酷な労働環境の中、女性が多数を占める看護職がどう生き生きと働き続けられるか、日看協として積極的に取り組んできた」と強調。民間企業のワーク・ライフ・バランスと看護師のワーク・ライフ・バランスでは何がどう違うのであろうか。はたらく女性の職場で、看護師の過労死(2010年2人認定)のようなことが一般企業で発生しているのであろうか。看護師の場合、「生き生きと」というより、まだ「耐えて、耐えて、耐え忍んで看護師であるというプライドに支えられながら頑張っていられる」というのが現状といえる。社会的な看護師への評価は低い。国民の意識変革から開始しないといけないが、中卒から大卒まで同じ資格が取れるような職業では、いつまでも看護師の評価はいつまでも変わらないし、専門職として社会的に認められない。