月別アーカイブ: 2015年2月

病院や避難所の水道管耐震化、新指針策定へ

東日本大震災の際、東北地方だけでなく、東京都内でも水道管が被災した。特に被害が大きかった岩手県では、人工透析液を作るために大量の水が必要だった医療機関に対し、自治体が給水車を派遣したケースもあった。こうした教訓を踏まえ、岩手県や東京都などでは、医療機関を「重要給水施設」と位置付け、病院や避難所に通じる水道管の耐震化事業を進めている。ただ、耐震化事業の立案や推進が遅れている自治体や事業者も少なくなく、参考となる指針の策定が求められていた。

病院などの重要施設への給水をめぐっては、同省の「管路の耐震化に関する検討会」が6月にまとめた報告書の中で、「耐震化率を早期に100%とする必要がある」、また「震災などの災害時には、特に避難所や病院などの重要施設への給水が必要になる」としていた。この報告書を受け、厚労省は、6月27日付で都道府県や水道事業者らに対し、既存の管路の更新に優先順位を付けた効率的な事業実施を求める通知を発出。今後、6年前に策定した水道の耐震化計画の指針や、報告書に盛り込まれた東日本大震災の被害状況の分析などを参考に、新たな指針を策定し、被害発生の抑制や影響の最小化などを目指すことにしている。

病室での携帯通話やメールOKに

総務省や携帯電話会社などでつくる「電波環境協議会」は、病院内(病室など)での携帯電話の使用は問題ないとの新指針を発表した。この指針を基に医療機関は、独自の使用ルールを作成する。これにより原則禁止されていた医療機関での携帯電話の使用が一部緩和される。同協議会は、患者らの利用者に求める使用ルールとともに、医療用携帯電話への専用ストラップの装着や「EMC管理者」の配置など医療従事者向けのルール案も示した。
 

新指針は、スマートフォンなど最近の携帯電話の電磁波が弱まっていることや、医療の高度化に伴い、現場でのスマートフォンなどの利用が、今後さらに欠かせなくなるなどの状況を受けたもの。医療者にとっては便利になる反面、夜中、早朝でのゲームや通話、メールの使用場所や時間を制限しないと院内での患者同士のトラブル発生が必須になる。看護師にとっては業務が増えることになる。

「妊娠中の女医の当直免除」半数なし

医師不足や医師の地域偏在、診療科の偏在等が問題になっている中、外科医の減少に危機感を抱く日本外科学会は、その対策の1つとして女性外科医のキャリア継続を支援することが重要課題と捉え、女性医師の妊娠・出産・育児の支援状況を把握し、今後の検討課題を明らかにするため、診療科に外科のある全国の医学部および医科大学附属病院130施設を対象にアンケート調査を実施した。その結果、114施設から回答があり、半数近くの施設が「妊娠中の当直免除規定がない」、約6割の施設が「産休中の代替要員の準備態勢がない」など、さまざまな課題が浮き彫りになった。
 

女医は、徐々に増加し、12年度現在で19.7%(およそ58,200人)である。また診療科偏在(H20年)では、平成6年度を「1」とすると、外科、産婦人科、は「1」を割り込み、内科がほぼ横ばいで他の診療科の医師数は上昇(増加)している。

■医師の診療科偏在

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■医師数の推移

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コンビニ以下の薬剤管理 -期限切れワクチンを接種-

国立病院機構北海道医療センター(札幌市西区)で、幼児2人(5月2日に1歳児、6月20日に2歳児)に有効期限が4月18日の流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)ワクチンを接種していたことが、母子手帳に張られたワクチンのロット番号や有効期限などが記載されたシールを見た家族から、6月23日に問い合わせがあり、誤接種が判明した。今のところ健康被害は確認されていないという。

同センターは、誤接種した幼児の家族に状況を説明して謝罪。院内の医療安全管理委員会を開き、原因の究明や今後の対応を検討し、「薬品の管理体制の見直しと徹底を図り、再発防止に努める」としている。再発防止策として、①薬剤科から払い出す際、薬剤師と受け取る側の職員がお互いに伝票を確認する、②ワクチン払い出し時の管理台帳を作る、③接種する際にも家族らに有効期限の確認をしてもらう、④毎月1回、薬剤の期限切れを確認する、といったチェック体制の強化を挙げた。

バーコードリーダ-で有効期限を読み取り、確認できるような仕組みや薬剤の有効期限が一目で「どこに払い出し、どの部署が保管している、または使用した、有効期限はいつまでか、など」が、管理できるようなコンビニが在庫管理に導入しているような仕組みを導入しないと先にセンターが挙げたチェック体制の強化はすでに行っていなくてはならない内容でもあり、いつかまたスルーしてしまう可能性が大である。システムでカバーするのが安全学の考え方である。

■ワクチンの保管温度

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■有効期限切れのワクチンの効果は、抗体検査で確認するしかない。1回の接種でおよそ90%、2回の接種で99%の人に抗体ができると言われている。

元精神病床を居住の場に

日本には精神病床が約34万床あり、約32万人が入院している。1年以上の長期入院は約20万人に上る。経済協力開発機構(OECD)の統計によると、加盟国の中で人口に対する病床数は、加盟国平均の4倍と最も多く、入院期間(平均300日)も突出して長い(先進食平均2週間)。欧米が公立病院を中心に地域生活を支援する医療を展開してきたのに対し、日本では戦後、政府が入院処遇を重視し、民間の精神科病院の建設を進めてきたためだが

「長期にわたって劣悪な入院生活を強いられている」との批判も根強い。
 

厚労省は2004年、入院中心から地域生活支援へと転換する改革プランを発表。退院を促進して10年間で7万床の削減を目指したが、病床削減はほとんど進んでいない。
 

同省は今年3月、改めて長期入院患者の地域移行を推進する検討会を設置した。その中で、長期入院患者の退院を進め、空いた病床をグループホームなどの居住施設として活用するプランが浮上した。これに対し、障害者団体などは「病院敷地内での『隔離』が続くことに変わりはない」と反発している。
 

病床削減は収入減に直結するうえ、病気への偏見からグループホームなどの建設も困難なことから、民間の精神科病院は「病棟を改修して退院後の受け皿として有効活用するのが合理的」と転換推進を求めている。入院の必要性がないが退院後の生活の場がなかったり、生活能力が低かったりという社会的入院者が多いことが問題である。

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スプリンクラー:設置義務の新基準

総務省消防庁は6月19日、スプリンクラーの設置を義務づける有床診療所(入院施設がある19床以下の医院)の基準を、現行の6000平方メートル以上の施設から4床以上の施設に拡大する方針を決めた。病院についても面積基準を撤廃する。入院患者ら10人が死亡した昨年10月の福岡市博多区の医院火災を受け、懸案となっていたスプリンクラー設置基準が確定した。ただ診療所や小規模病院は経営が苦しく、今後は国の補助制度が焦点になる。同日の有床診療所・病院火災対策検討部会で新基準を盛り込んだ報告書案が了承された。今後、消防法施行令が改正され、新基準は2016年4月にも適用される。既存施設は25年6月末まで経過措置期間となる。報告書案によると、3床以下の診療所については、入院患者がほとんどいないため新基準の対象外とした。病院については、当直職員が13床当たり1人以上いる施設は「夜間でも迅速に消防機関に通報し、初期消火に適切に従事できる」として同様に対象外にした。また、産婦人科や眼科など患者の避難が比較的容易な13診療科のみの診療所と病院も対象外。病院は精神科専門なども除外した。
 

このほか、ボタンを押すと自動的に119番できる火災通報装置と施設内に火災を知らせる自動火災報知設備の連動システムや消火器についても、現行の面積基準などをなくし、すべての病院と有床診療所に設置を義務づけるとした。

スプリンクラー設置には多額の費用が必要で、全国有床診療所連絡協議会会長は「経営難の施設が自己負担なしでスプリンクラーを設置できるよう、厚生労働省は十分な補助金を確保してほしい」と話した。
国民の税金を使うのだから経営難の基準を、例えばへき地医療を展開する病院・診療所など人口密度や建立地域等に限定して行うべきと考える。企業が経営難だからと言って国が補助しますかと考えていただけないのは残念ですね。

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■スプリンクラー設置義務の新基準

過労死100人超え、12年連続

2013年度に過労で脳出血や心筋梗塞などを起こして死亡し、労災認定された人が133人となり、12年連続で100人を超えた。
 

発症前の残業時間の一か月平均は、「80~100時間未満」が50人、「100~120時間未満」が28人で、6割弱が長時間労働による過労死である。また職場でのストレスが原因でうつ病などの精神疾患を発症し、13年度に労災認定された人は436人いる。そのうち自殺未遂を図った人が63人、436人中、3割は発症前の残業時間が80時間以上であった。

発症前の出来事として「仕事内容・量の大きな変化」と「パワハラや暴行被害」を受けた人が共に55人であった。

2014年6月27日に過労死等防止対策推進法が公布され、背景の調査研究や防止策が課題である。

■労災(脳・心臓疾患と精神疾患)申請の多い職種  (平成24年度)

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※精神疾患労災8位に保健師・助産師・看護師がランクイン。

薬の審査、iPS細胞で

医薬品の販売が中止になる理由は、不整脈など心臓の副作用が最多で、製薬会社などは現在、販売前に動物や人間で副作用の検出試験を行っている。しかし動物では薬に対する反応が人とは異なるため被験者の副作用のリスクが高い。こうしたことから政府はiPS細胞(induced pluripotent stem cell人工多能性幹細胞)を使い、開発中の医薬品が心臓に起こす副作用をチェックする技術の開発を本格化し2016年度までにオールジャパン態勢で新技術を確立する方針でいる。

新技術は、心臓の筋肉の細胞を人のiPS細胞から作り、人と同じ特性を持つ心筋細胞に開発中の薬を投与して心臓の働きに異常がないか調べる。動物や被験者での試験をしないで済むようになる。また薬の開発費の削減や再生医療産業の振興がはかれ、国際的な薬の審査基準に反映させる予定である。

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認知症チェックリスト

都内で何らかの認知症の症状がある高齢者は約38万人(2013年)、2025年には約1.6倍の約60万人に急増することが見込まれる。本人や家族が認知機能や生活機能の有無を簡単に確認でき、早期発見・早期治療に向けられるように認知症の可能性があるか否かを簡単にチェックできる方法が求められていた。

東京都は、認知症が気になる本人や家族らが症状の有無を把握できる「チェックリスト」を都健康長寿医療センターの監修で作成した。医師や看護師らの訪問調査を踏まえて作成したという。都福祉保健局は「都内の区市町村などに配布し、地域における認知症の普及啓発の取り組みに広く活用していく」としている。

日本の認知症患者は、今後5年ごとに30~40万人ずつ増加する。

世界でも、WHOの発表によると、2010年時点の認知症患者は3560万人が、2050年度には3倍強の1億1500万人に増えると公表している(2012年4月)。

■日本の認知症患者推計数

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■認知症チェックリスト

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子ども・子育て支援新制度

2015年4月に「子ども・子育て新支援制度」がスタートする。新制度によって保育所などの施設が受け取る運営費と利用者が支払う保育料の基準を公表した。新制度の大きな改善点は、現在の「利用したい保育所」を書いて申込み、市町村が当否を決める方法から、新制度では「保育の必要性の認定」を市町村に申請し、認定されたら希望施設を市町村に申し込む方法に変わる。また保育は必要ないが幼稚園に通わせたい場合も「教育認定」を受けることになる。認定は、1号(教育認定3~5歳で保育は必要ない)・2号(保育認定3~5歳で保育が必要)・3号(保育認定0~2歳で保育が必要)の3種類に分かれ、認定要件が統一されるため地域による入りやすさ(入りにくさ)の格差が解消される。
 

また保育料の格差是正のために保育料の基準(上限額)を定め利用者の負担軽減を図る。2017年までに「待機児童0」を目指し、7,000億円を毎年投入し、認可保育園、認定こども園(幼稚園と保育所を一体化したもの)、小規模保育園、家庭的保育等を増やし、また認可外保育所も認可施設に移行する考えでいるが認定要件(保育室の広さ、保育士の数、調理室があるなど)をどのようにクリアするかが今後の課題となる。

■保育認定が受けられる要件
 
・働いている(パートタイム・在宅勤務含む)。
 
・妊娠中や出産直後。
 
・病気や障害がある。
 
・親族の介護や看護をしている。
 
・仕事を探している。など

■新制度での保育・教育サ-ビス

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■国の示した保育料上限額(月額)  想定:夫婦の年収と2人子供
 

◎2号認定の保育所利用の利用額

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◎1号認定(教育のみ利用)

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