月別アーカイブ: 2014年12月

千葉県、看護師免許申請の戸籍抄本を紛失

千葉県習志野保健所は4月14日、2014年3月に行われた看護師国家試験の合格者が提出した戸籍抄本が最新のものでなかったため、申請者に再提出を依頼した。4月17日に再提出された戸籍抄本を他の書類と合わせてレターパックで県医療整備課に送付し、同月21日に同課がレターパックを受け取った。しかし、23日に保健所が同課に対して厚生労働省に送付するよう連絡したところ、戸籍抄本の収受が確認できず、保健所と同課内を探したが、戸籍抄本が見つからなかった。県は28日、申請者に紛失の経緯を説明し「多大なご迷惑をお掛けするとともに、県民の信頼を損なうことになったことを深くおわび申し上げます」と謝罪した。再提出された戸籍抄本を5月1日に厚労省に持参したという。
 

私も看護管理者の時に行政による免許申請の不手際を経験した。「多大なご迷惑と謝罪した。」とあるが、多大なご迷惑の中身を分かっているだろうかと思えてならない。

看護師免許が遅れるということは、その人は助手でしかないということなので看護行為を行うことはできない。当然看護師としてカウントできないので、入院基本料の患者対看護師数に影響する。看護師夜勤時間72時間以内にも影響する。病院経営にも大きく影響する(例:入院基本料7対1が10対1になれば、患者一人、一日当たり2550円のマイナスで、患者300人が入院していると月2295万円の損失)となる。再申請には3か月の実績が必要となるので約9000万円弱の大きな経営的な損失となる。特に年度末の離職者が多くその補充に国家試験を受けた新採用者で補充する場合にこのようなことがあると多大なご迷惑の謝罪では済まされない。当人も看護師ではないので助手の給与となる。夏のボーナスにも影響する。先に免許をもらったものが経験を積んでいる間助手業務しかできない。こうしたことを理解してはじめて「多大な迷惑をかけた」ということになる。今回は一人の看護師の免許申請であったが、私の経験したのは、採用者の約半数30数名分の手続きが不備で免許交付の早い者と遅い者が出、給与やボーナスへの影響や先の経営的な影響が出た。院長のもとに保健所長が謝りに来た際、「損害賠償を請求したいぐらいの気持ち」できつく叱ったのを覚えている。特に免許の遅延した者への給与の説明をするのがつらかったのを思い出す。

国家試験に合格しているのが証明できても免許登録がなされなければ看護師として認められない保助看法の固い掟もある。

介護職員のアンケート調査結果

全国労働組合総連合(全労連)では、昨年11月から今年2月にかけて、通所介護や介護老人保健施設、特別養護老人ホームなどで勤務する介護職員を対象にアンケート調査を実施し、6369人から有効回答を得た。このうち、施設系サービスで働く人の回答(4851人分)を分析した。
 

介護の仕事をする中で感じる不安について尋ねた質問(複数回答)では、介護職員の半数余りが「自分の健康や将来の生活に不安」を抱えていることが分かった。また、正規職員として働く介護職員の平均賃金(10月)は20万7795円で、全産業(同月の平均)29万5700円と比べて約9万円低いことも明らかになった。またサービス残業も、6割が「ある」と答えるなど、「低賃金で長時間労働」の実態が浮かんだ。

高齢者の増加や在宅医療を目指す政策により、介護職がますます必要とされる中、こうした状況では介護を目指そうとする若者が誇りややりがいを持って行えるとは思えない。かつて、バブル期に看護は、3K(きつい、危険、きたない)、7K(3K+「休暇が取れない」「規則が厳しい」「化粧がのらない」「結婚できない」)、9K(3K+「休暇が取れない」.「 規則が厳しい」.「 化粧がのらない」.「 薬に頼って生きている」.「婚期が遅い」.「給料が安い」)と言われた。患者や家族の笑顔だけが支えとなって看護師を続けていた者は多い。介護職の皆さんはどうなのであろうか離職率17%と聞く。

■賃金構造基本統計調査(厚生労働省)と全労連調査

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専門医の質の統一 日本専門医機構発足

2013年春、厚生労働省有識者検討会で、学会ごとに認定している専門医について質のばらつきや乱立が目立つことから、各学会ではなく独立した第三者機関で統一した認定基準や研修プログラムを作成し、認定する仕組みに改める方針が示され、本年5月7日、「日本専門医機構」が発足した。学会専門医は、医学・歯学の高度化・専門化に伴って、その診療科や分野において高度な知識や技量、経験を持つ医師・歯科医師のことであり、登録医、認定医、専門医、指導医など細分化された区分が設けられている。各医歯学系学会が認定・付与し、現在約50の学会が本制度を設け、延2万4千人ほどの医師・歯科医師が認定を受けている。

■主な種類(登録医・認定医・専門医・指導医)

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■各学会の専門医呼称  (一部割愛)

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耐性菌、世界各地で拡大 WHO-極めて深刻-

世界保健機関(WHO)は、世界のすべての地域で、主要な抗生物質が効かず治療が困難な耐性菌(抗生物質を分解または無毒化する能力を獲得して自らの身を守る。細菌には外部から遺伝子を取り込む機能が元から備わっていて、細菌同士で遺伝子をやり取りして、さらなる耐性を獲得する)の感染が広がっているとして、国際社会が一致して対策を取ることが必要だとする報告書を発表した。

WHOは、耐性菌が年齢や国に関係なく、あらゆる人が感染する可能性があると指摘し、現時点で公衆衛生にとって大きな脅威で、被害が「壊滅的になる」との見方を示している。

WHOが114カ国のデータを基に、今回初めて耐性菌に関する国際報告書を作成。日本やオーストリア、オーストラリア、英国、カナダ、フランスなど、少なくとも10カ国で淋病の患者に抗生物質が効かないケースが確認された。薬の誤使用や過剰な服用が、細菌が抗生物質に耐性を持つよう変化する原因になるという。

薬剤耐性菌が増加すると、通常の抗生物質では、増殖抑制や殺菌の効果が期待できなく、容易だった感染症治療が困難になる。
 

薬剤耐性菌が蔓延した原因は、抗生物質の乱用と誤用にある。必要もないのに抗生物質を使って、かえって細菌が耐性を獲得する機会を増やす結果を招いた。
 

サンパウロ市のクリニカス病院に2012年から入院していた男性(35)から見つかった新たなタイプの細菌が、複数の抗生物質が効かない「スーパーバクテリア」と呼ばれる多剤耐性菌だったことが明らかになっている。この細菌はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の一種で、この男性の血液サンプルから世界で初めて見つかった。
 

突然変異を繰り返すことにより、耐性を獲得した細菌であり、「市井獲得MRSA(CA-MRSA)」」に分類され、病院外の健康な人々に感染する能力を持っているという。CA-MRSAは日常の皮膚接触により感染する。

■抗生剤の細菌への作用

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医療勤務環境改善支援センターの設置

日本看護協会が都道府県看護協会の幹部や各地のナースセンター関係者らを対象に開いた「看護職のワーク・ライフ・バランス推進担当者会議」で厚生労働省医政局の中野孝浩医療労働企画官が講演し、「医療勤務環境改善支援センター(働きやすく職員が辞めない職場づくりのために、医業経営アドバイザーや医療労務アドバイザーが、個々の医療機関のニーズに応じて専門的、総合的にサポートするところ)を2014年度に設置するために11都県が予算を確保したと説明した。

医療機関の勤務環境の改善については「病院勤務医の疲弊、女性の医療従事者の増加、看護職員の不足といった現状を踏まえ、負担の大きい医療従事者の労働環境改善に向けた取り組みが必要である」といった議論や「医療従事者の確保と支援体制を構築する等、医療従事者の定着・離職防止を図ることが必要である」等の議論がなされてきた。
 

医療法の改正により、「医療機関における勤務環境の改善」が設けられ、「国における指針の策定など医療機関の勤務環境改善のための自主的なマネジメントシステムを創設するとともに、都道府県ごとにこうした取り組みを支援する医療勤務環境改善支援センターの設置等が規定された。医療勤務環境改善支援センターは、都道府県が設置主体となり、事業を医療団体(医師会、病院協会、看護協会等)に委託する。
 

支援センターは医療機関のニーズに応じた相談、また勤務環境改善に取り組む病院に専門家を派遣するなどの事業を行い、個々の病院は、国が策定した指針(ガイドライン)に基づいた「勤務環境改善のための計画」を策定する役割を担う。
 

■指針(ガイドライン)に想定される改善領域と例
 

①働き方・休み方等(労働時間等)

時間外労働の削減、1回あたりの最長勤務時間の削減、年次有給休暇をはじめとする休暇取得促進、夜勤負担軽減策、勤務と勤務の間隔の確保など

②医療スタッフの健康支援(労働安全衛生)

メンタルヘルス対策、腰痛・感染対策、健康チェックの実施など

③働きやすさ確保のための環境整備(ソフト面・ハード面)

院内保育所の整備、休憩スペースの設置、円滑な情報共有のためのシステム導入など子育て・介護中の者に対する残業免除など給与制度や人事制度、患者や関係者からの暴力、職場のいじめ、ハラスメント対策の実施など、医療スタッフのキャリア形成など。

病院のインフラ(ガス管)老朽化で地震の二次災害

災害拠点病院などで建物の耐震化が進む一方、その施設の医療機能を支えるインフラの防災対策が十分進んでいない。特に老朽化したガス管や水道管の取り替えや、スプリンクラーの耐震化を進める医療機関はほとんどない。地震発生時に医療施設の敷地内に埋設された古いガス管(銅製)が経年劣化により破断し、爆発や火災などの二次災害につながる恐れのある病院や診療所が相当数がある。東日本大震災ではガス管破裂によりガスの供給が停止された。

医療機関にガスを供給する「導管」の耐震化が進む中で、施設敷地内の「内管」の取り替え費用が使用者負担になることから耐震化が遅れている。

激しい揺れでガス管が破断して爆発、スプリンクラーも壊れて消火できず、院内は火の海に―、さらに近隣家屋に延焼し、となれば、二次災害発生防止は、地域全体で取り組まなければ阻止できない。個人レベルに任せておいても進まないものがある。                    

国の関係省庁は、災害時に重要な役割を果たす病院や診療所で二次災害が発生することを懸念している。

女子刑務所に看護職者を派遣するモデル事業開始

法務省は今年度から、受刑者への生活・健康管理上の助言や職員への研修を行う「地域支援モデル事業」を三つの女子刑務所(栃木刑務所:栃木市、和歌山刑務所:和歌山市、麓(ふもと)刑務所:佐賀県鳥栖市)で実施する。                     

現在、全国各地に刑務所や少年刑務所などの刑事施設は77施設ある。このうち、収容者が定員を超える「過剰収容状態」にある施設は四つあり、いずれも女子刑務所である。また、全刑事施設の職員の年齢構成は20歳代以下が約2割だが、女子刑務所(支所含む)に限定すると半数に達しており、若手が多い。このため、女性受刑者の処遇改善と同時に職員の負担軽減を進め、摂食障害や更年期障害など女性特有の問題に対処することにしている。                           

派遣を受けた看護師や保健師、助産師などは受刑者に対する講義やグループミーティング、個別面接を行い、身体・精神疾患者や妊婦の受刑者に健康管理上の指導を行う。また、こうした受刑者への適切な処遇の在り方について、職員の研修などで助言もする。
 

女性受刑者に特化した処遇改善の試みは初めてとなる。

妊婦健診公費負担額の地域格差

厚生労働省は、昨年4月1日時点の「妊婦健康診査の状況に関する調査」の結果を公表した。                              

妊婦一人当たりの公費負担額の全国平均(公費負担額を明示しない2村を除く)は9万7494円で、2012年と比べ795円増加した。都道府県ごとの平均は21都道府県で増加した一方、和歌山と広島の2県で減少し、都道府県格差は5万4587円で、4553円拡大した。
 

市区町村が実施する妊婦健診は、2013年度から一般財源化されている。調査結果によると、公費負担額の平均が最も高かったのは岐阜(11万8042円)で、前年と比べ5401円増加した。次いで山口の11万6315円(前年と変わらず)、長野の11万6214円(前年比594円増)、徳島の11万3880円(110円増)、高知の11万380円(2990円増)、福島の10万9004円(1872円増)であった。
 

一方、公費負担額の平均が最も低かったのは神奈川の6万3455円(848円増)で、愛媛の7万9400円(250円増)、東京の8万690円(192円増)、兵庫の8万1472円(6円増)、山形の8万2790円(前年と変わらず)、大阪の8万4563円(1万6770円増)などがこれに続いた。
 

市区町村ごとの公費負担額の平均は、「9万-9万9999円」(36.6%)と答えた自治体が最も多く、以下は「10万-10万9999円」(25.1%)、「11万-11万9999円」(14.9%)、「8万-8万9999円」(14.7%)、「7万-7万9999円」(5.1%)などの順だった。金額が最多の「12万円以上」は1.2%、最少の「4万-4万9999円」は0.6%だった。4万円未満と答えた市区町村はなかった。

また、国が例示する標準的な検査項目を受診券でカバーしているかどうかを1429市区町村について調査した結果、HTLV-1抗体検査と性器クラミジア検査は全自治体がカバーしていたが、すべての項目をカバーする自治体の割合は58.9%であった。少子化の折、こうしたところはしっかりと手当てすべきではないか。

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千葉県民の7割はCOPDの原因がたばこと知らず

厚生労働省は、生活習慣病の発病・重症化の予防を目指す「健康日本21(第二次)」の中で、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の認知度を22年度までに80%まで上げることを目標に掲げている。そうした中で千葉県は、今回の調査結果を基にCOPDの認知度を2022年度までに80%まで上げることにした。調査結果では、9割以上の人が喫煙が非喫煙者の健康にも影響すると知っている一方、たばこの煙などに起因して発症するCOPDを知らない人が7割に上ることが分かった。
 

調査は、県内在住で15歳以上の人の中から無作為に選んだ3000人を対象に実施し、2402人から回答を得た。調査項目は、「栄養・食生活」「たばこ」「歯」「がん」「健康に関する情報」などの12項目で、喫煙が受動喫煙などで非喫煙者にも健康上の影響を生じさせることを知っているか聞くと「知っている」(79.2%)と「だいたい知っている」(13.7%)を合わせた割合は92.9%に上った。一方、たばこの煙などの有害物質に起因にして発症するCOPDについて、「内容を知っていた」と答えた人は26.7%にとどまり、「言葉は聞いたことがあるが内容は知らない」は21.0%、「知らない」は47.8%となった。たばこが健康に影響すると知りつつも、実際の疾患についての認知とは大きな隔たりがあることが浮き彫りとなった。
 

COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)は、たばこの煙により20~30年かけゆっくりと進行し、肺胞が拡張・破壊され、細い気管支も炎症のため狭くなる。肺胞が拡張と破壊を繰り返すと、ブラという大きな袋を形成する。肺胞は、酸素と二酸化炭素を交換する肺の組織で、息を吸うときには、肺に空気が入っていくが、COPDでは吐くときに肺から空気がうまく出て行かなくなり、その結果肺は大きく膨らみ、正常な肺の血管が細くなったり、呼吸筋である横隔膜を押し下げたりする。
 

症状は、慢性の咳と痰、坂道や階段を上るときの息切れや苦しさなどがある。
 

身体所見の変化、胸部レントゲン写真、血液中の酸素濃度測定などの検査で異常がみられるのは病気が非常に進行してからで、肺の機能検査を行なうと異常がより早くみつけられる。肺機能検査で肺年齢を調べるとよい。

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今度はさいたま赤十字新病院建設地でヒ素

埼玉県は4月28日、2016年内の開院を予定している「さいたま赤十字新病院」の建設地(さいたま市中央区)から、基準値を超えるヒ素が検出されたと発表した。ブログ326でお伝えした埼玉県立小児医療センターの建設地の隣接地であり、関連性の有無や周辺の井戸水の調査を進めている。
 

新病院は、地下1階、地上14階建てで、地域完結型医療の実現に向け、救急医療機能の強化やハイリスク妊産婦受け入れのためのMFICU(母体胎児集中治療室)を新設する。病床数は632床で、診療科は、内科や精神科、神経内科、呼吸器内科、外科、産婦人科、放射線治療科など24科。隣接地に建設される小児医療センターと連携を図る方針も示している。                             

県によると、同病院が建設地の土壌溶出量調査(80検体)を行ったところ、地盤面下4.9―7.8メートルの3検体から基準値(0.01ミリグラム以下)を上回る0.011―0.093ミリグラムのヒ素を検出。今後、同病院で土壌の適正な処理方法や工期への影響などについて検討するという。