月別アーカイブ: 2014年7月

在宅医療専門診療所に外来機能を求めない制度を要望

規制改革会議(内閣総理大臣の諮問を受け、経済社会の構造改革を進める上で必要な規制改革を進めるための調査審議を行い、内閣総理大臣へ意見を述べること等を主要な任務とするとして設置される)の健康・医療ワーキング・グループは18日の会合で、各都道府県が厚生労働相が定める基本方針に則して策定する医療計画に、必要医師数や看護師数を盛り込むことなどを求める意見書をまとめた。

その他、意見書では、超高齢社会で需要が拡大する在宅医療について、在宅を専門にする診療所に外来機能を求めない制度にするよう20日に開催される規制改革会議に提出する。

また現行の健康保険法では、すべての被保険者に療養の給付を行うために、保険医療機関に対して外来応需体制を有するように求めている。

しかし明確な規定はなく地方厚生局の指導も地区によりまちまちで異なっている。外来診療が前提の現行制度が在宅医療を専門にしたい診療所の制約要件となっていることなどから、厚生労働省は、在宅専門の保険医療機関に対して外来応需体制の確保を求める代わりの要件として、

①在宅医療を行うことの被保険者への周知、

②急変時に患者から相談を受ける連絡先の確保、

③患者が外来受診できる連携医療機関の確保、

④訪問診療を行う地域範囲の限定などを中協委員より意見を聞いた。

外来応需すべきという意見とまずは在宅医療全体のキャパシティを増やさないと需要と供給のバランスが取れないという意見が出ていた(11月30日)。

医療提供体制に関する要望として、

①最適な地域医療の実現に向けた医療提供体制の構築、

②在宅医療・在宅介護の推進―

という項目を設け意見が提出される。

■在宅医療連携拠点事業の目的

・高齢者の増加、価値観の多様化に伴い、病気を持ちつつも可能な限り住み慣れた場所で自分らしく過ごす「生活の質」を重視する医療が求められている。

・在宅医療を提供する機関等を拠点として、多職種協働による在宅医療の支援体制を構築し、医療と介護が連携した地域における包括的かつ継続的な在宅医療の提供を目指す。

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2015年から難病医療費助成の新制度

難病とは、原因が不明で、治療法が確立していない、いわゆる難病のうち、診断基準が一応確立し、かつ難治度、重症度の高い病気のことである。

難病は一般に不治の病ととらえられることが多く、その時代時代の医療水準や社会事情によって変化するものであるが、現在の難病の定義が確立したのは、昭和47年の「難病対策要綱」によってである。

これによると、難病対策として取り上げるべき疾病の範囲は、下のように二つの点に整理されている。

1.医学的に治りにくい、原因も必ずしも解明されていないような、患者の立場からはなかなか治りにくく、経済的に非常に負担となるような病気を難病とするという医学的観点からの考え方。

2.先に加え、治療がはっきりしているものであっても、治療の時期を誤るとかその他の理由から病気が慢性化し、障害を残して社会復帰が極度に困難もしくは不可能である患者も難病患者という社会的視点の考え方である。

また医療費助成対象の基準は、①患者数が人口の0.1%程度以下である、②原因不明、③効果的な治療法が確立していない、④生活面に長期にわたる支障がある、⑤診断基準が確立している、としている。

そうした難病(成人)の助成対象疾病56種(患者78万人)が2015年度から助成対象300種(150万人)に、子供514種(11万人)から600種(15万人)に拡大される。それに伴い次のような変更がある。

①「負担割合」の現行3割を2割に、②「重症者の負担」の現行「なし」を「あり」に、③「月の自己負担限度額」の現行「重症0円~34,650円」を「人工呼吸器装着者1,000円、高額医療の長期継続者2,500円~20,000円、一般2,500円~30,000円」に、④「軽症者の助成」の現行「あり」を「なし」になどである。

難病疾患を患っている患者・家族の不公平感は払拭できるものの助成額は薄くなっている。

■難病医療費助成
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診療報酬の減額対象

厚生労働省は11月29日、2014年度の診療報酬改定後も継続する案(以下)について、中央社会保険医療協議会(中医協)の総会に示し承認された。

1.金曜入院・月曜退院などが多い病院の一般病棟入院基本料などは、入院期間を短縮させるためとして、2012年度の報酬改定で減額された。

対象は、

①金曜日に入院した患者と月曜日に退院した患者の割合の合計が40%超の場合、

②正午までに退院した患者の割合が90%超の場合が、6か月間続いた病院の一般病棟入院基本料などを減額とした。

減額は同年10月に導入されたが、導入前後で患者の入院日などに大きな変化が見られなかった(中医協の調査結果)。

2.紹介率40%以上かつ逆紹介率30%以上の基準を前年度に満たせなかった病院の初診料・再診料を減額し、差額は選定療養として患者に請求できる仕組みを14年度から、許可病床が500床以上で一般病床を持つすべての病院に拡大し、既に実施している特定機能病院と一般病床500床以上の地域医療支援病院については、基準を引き上げ、紹介率と逆紹介率がどちらも50%に満たなかった場合を減額の対象にする。

3.人口も医療機関数も少ない中、自己完結した医療を行う医療圏の病院の要件は、一層緩和し、一般病棟入院基本料の病棟ごとでの届け出を引き続き認めるほか、栄養サポートチーム加算などの要件緩和を進め、対象の加算も増やす。

14年度の改定で要件を見直す方向の亜急性期入院医療管理料も、要件を一部緩め、対象地域は、現在と同じ30医療圏を想定している。

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■30医療圏とは

2次医療圏のうち、①患者流出率20%未満、②人口密度300 人/㎢未満、③病院密度が(面積当たり)又は病床密度(面積当たり)一定以下の19医療圏に離島を加えた30 医療圏を対象としている。

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子育て支援の新認定制度

厚生労働省は、仕事と育児の両立支援でトップクラスの実績を上げている企業を対象に新たな認定制度を創設する方針である。2007年に開始された「くるみん」マークより各上の制度になる。

企業が子育て支援の行動計画書(2~5年)を作成し、期間内に①女性の育児休業取得率(出産した女性に占める育休をとった人の割合)が70%以上、②男性の育休取得者数が原則「1人以上」、③残業時間を減らす、④有給休暇の取得を促す措置を講じるなどの国の基準を満たすとマークを取得できる。

メリットとしては、マークの活用と建物の増改築を行った際の減価償却費を割増して計上することで税金を安くできる。

2013年には1689社が認定されている。

新たな認定制度は、「プラチナ・くるみん」(仮称)で、より厳格な基準を設ける。

男性の育休者数を10人以上、女性が出産・育児後に復帰した割合(目安を示す予定)、残業時間の削減、有給休暇取得は数値目標を企業が自発的に示し達成することになっている。

メリットとしては税額の控除についても検討がなされている。

2015年度から少子化対策の一環としてスタートとなる。

企業に関わらず、子育て支援であるなら看護師等女性の多い病院も認定の対象にして差別をされないようにしないといけない。

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医療機器などのアラームによる事故多発

公営財団法人「日本医療機能評価機構」の報告では、2010年1月~2013年6月に17件のアラームに関連した事故が発生し、7人が死亡していたことが判明した。

医療機器のアラームには、2つの役割がある。

一つは、患者の生体の異常を知らせることである。

二つ目は、機器そのものの異常(誤作動など)を知らせるものである。

いずれにしても使用している患者の体には影響が及ぶ。

アラームに絡む対応ミス(原因)は、①他の患者に対応していて気づくのが遅れたことや②常時アラームが鳴るので本人の希望でアラームを停止していた、③複数のアラームが頻回に鳴り、患者や器械に特別な異常がないため慣れが生じてしまった、④アラーム音がどの患者のものかわからないうちに停止し発見が遅れた。

などいろいろな原因がある。

それぞれの施設でアラームについての対応マニュアルを再検討しなければならない。

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社会保障改革法成立で何が変わる?

社会制度改革の進め方を示した社会保障改革法が12月5日に成立し、来年の通常国会以降に、医療や介護、保険、年金の個別の具体的な改革法案が国会に提出される見込みとなっている。

社会保障改革法では、「心の年齢」から「能力別年齢」と、給付のあり方を改め、「高齢者中心」から「全世代型」に転換する。

具体的には、医療分野では、70~74歳の医療費の自己負担を1割から2割に引き上げる。

新たに70歳になる人を対象に2014年度から段階的に進める。大企業の健康保険組合の負担を増やす。

75歳以上の医療費に対する支援金額を各健保の加入者で決める方式を加入者の収入で決める方式に改める。

また国民健康保険財政安定のために市町村運営からから都道府県運営にし、17年度までに実施する。

超高齢社会に見合った医療を展開するために、病床機能の分化・連携に向けた環境を17年迄に整備する。

介護分野では、要支援1・要支援2の軽度者向けのサービスの一部を介護保険から切り離し、市町村事業に移行する。

また高所得者の介護保険の自己負担を1割から2割に上げる。

15年度までに特別養護老人ホームの入所要件も要介護度3以上の中・重度者に限定する。

年金では、高所得者の年金減額や年金課税を検討することにしている。

団塊の世代が75歳になりきる25年度には、社会保障給付費は現在の1.4倍(150兆円)となる見込みで将来世代に負担を先送りしないように給付の効率化・重点化、負担増は避けて通れない。

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胃瘻造設の診療報酬改定

厚生労働省は、2014年度の診療報酬改定で胃瘻造設術前に嚥下機能評価(内視鏡検査や造影剤を用いて嚥下機能の状態を確かめる)などを実施している場合は加算を新設し、胃瘻造設術の点数を引き下げる方針である。

一方、経口摂取ができないとされた患者をリハビリ等により胃瘻が不要になる患者の多く(高い割合で)を回復させている医療機関には、摂食機能療法と胃瘻閉鎖術の評価を引き上げることにしている。

胃瘻は、2000年頃から急激に普及し、全日本病院協会の推計では利用者は約26万人いる。

医療経済機構の調査では、すべての患者に胃瘻造設前に嚥下機能を確認している医療機関は、全体の25%である。

こうしたことが背景にあって2014年度の胃瘻に関する診療報酬の改定が行われる予定である。

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在宅における褥瘡予防対策チームの医療を評価

日本褥瘡学会による入院患者の調査結果によると、入院時に褥瘡を発生したまま在宅から入院する患者が増加していることをうけて、厚生労働省は2014年度の診療報酬改定に「多職種チームによる在宅患者の褥瘡対策の実施」を評価することにしている。

医師・看護師・管理栄養士などにより対策を講じている場合を評価する予定だが具体的な内容はこれからになる。

在宅で訪問看護ステーションを利用する患者の褥瘡のリスク評価を病院・診療所・訪問看護ステーションに求めることになる。

しかしながら、チーム医療には様々な課題が山積している。

同施説内でもチームの編成は困難な時がある。その他以下のような内容がある

■チーム医療の課題(問題点)

1.人材の確保

2.時間の確保

3.情報の共有

4.意思の疎通

2025年以降の介護

団塊の世代が後期高齢者になる2025年。

その後の人口動態は、高齢者が徐々に減少することになるがおよそ2075年までは高齢化社会が続く。

介護最大手のニチイ学館の齊藤正俊社長は12月10日、ニチイ学館事例研究発表会全国大会のあいさつで、団塊の世代が後期高齢者となる2025年までが介護業界にとっての成長期と指摘し、さらに25年以降の介護業界では、事業所や企業が淘汰される時代に入るとし、早い段階からサービスの質を意識した運営が不可欠と述べた。

また、「産業にも寿命がある」とした上で、介護を産業ととらえた場合、25年までが「成長期」、25年から50年までが「成熟期」、50年以降は「衰退期」に該当するとした。

成長期には、質を問わず、さまざまなサービスが受け入れられるが、成熟期に入った途端にサービスの質を低下させるようでは生き残りが難しくなる。

しかしこれだけ医療が発展し、特に再生医療が発展すれば人の寿命はもっと伸びていくと考える。

病気となった部分の細胞を除去し、自分の細胞で新たな細胞を再生し移植する。

こんな時代がもうすぐそこまで来ている。

介護産業の「衰退期」はかなり先送りされるのではないか。

亜急性期病床の拡大に向けて

亜急性期病床の拡大に向けて届出法を、現行の病室単位から病棟単位とする。

また200床未満の医療機関はすべての病棟を亜急性期病床にして「亜急性期病院」となることが可能となる。

また病床単位でも届出を許可する。

療養病床では、医療機関の病床規模にかかわらず一病棟60床まで届け出を認めることにしている。

亜急性期病床の機能については、①急性期病床からの患者を受け入れ、②在宅等にいる患者の受け入れ、③在宅への復帰支援を行うなどの3つの機能を満たすことが重要となる。

亜急性期病床の取得要件としては、①二次救急病院の指定を受けている、②在宅療養支援病院の届け出をしている、③病床の居室面積が6.4平方メートル以上(一般病床・療養病床も同じ)である、④DPCデータの提出などを挙げている。

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