月別アーカイブ: 2014年6月

亜急性期入院医療管理料の要件見直し

厚生労働省は11月27日に開かれた中医協(中央社会保険医療協議会)の総会に複数の慢性疾患を持つ高齢の患者の急性増悪に対応する受け皿を整備するために、亜急性期入院医療管理料の要件見直しを提案し大筋で了承された。

亜急性期病床は、患者の状態にふさわしい医療を効率的に行う手段として考え出された新しい病床区分のひとつで、「急性期の段階を過ぎて、病状は不安定だが回復期にある(亜急性期)患者に対して一定期間の集中的な医療を提供することで、患者の状態改善を図る病床」と定義づけられている。

亜急性期病床を今後、拡大するために、届け出方法を現行の病室単位から、病棟単位に変更する。

また200床未満の医療機関は、すべての病棟を亜急性期病棟にし、「亜急性期病院」となることを可能にするほか、病床単位でも届け出を許可する。

療養病床では医療機関の病床規模にかかわらず、1病棟60床まで届け出を認めることにしている。

診療報酬支払の仕組み

被保険者は健康保険組合に保険料を納め、病気や怪我の時に病院に保険証を提示すれば診察や検査、治療にかかった費用の2割もしくは3割の一部自己負担金で医療を受けることができます。

残りの7割もしくは8割を健康保険組合から支払ってもらうために、病院が審査支払機関に診療報酬の審査をしてもらい、査定がなければ審査支払機関より健康保険組合に請求がなされ、健康保険組合より振り込まれた金額を審査支払機関が病院に診療報酬として支払う。

こうした手続きで病院では一か月遅れで前月の収支が分かる。

健康保険に加入していない人は、自費払いとなり、患者の支払いと病院での金銭の授受となる。

日本では1958年(昭和33年)に国民健康保険法が制定され、国民すべてが何らかの医療保険制度に加入し、病気やけがをした場合に医療給付が得られることを目指し、1961(昭和36年)年に全国の市町村で国民健康保険事業が開始され、「誰でも」「どこでも」「いつでも」保険医療を受けられる、国民皆保険体制が整った。

消費税8%でどうなる日本の医療現場

全国医学部長病院長会議は、今年5月、大学病院本院の消費税負担の実態を把握するための調査を実施した結果、全80大学病院本院のうち、76施設から有効回答を得、2012年度の1大学病院本院当たりの社会保険診療の収入は平均252億8,500万円で、控除対象外消費税は同6億9,400万円生じていた。

これを基に消費税引き上げによる控除対象外消費税を試算したところ、8%では1大学病院本院当たり平均で11億1,000万円(4億1,600万円増)となり、10%になると同13億8,800万円(6億9,400万円増)に拡大する。消費税が8%になれば、ほとんどの大学病院が赤字になるか、もう余裕がなくなる。

10%になると、国立大学では完全に赤字で、医療崩壊が起きる懸念がある。

社会保険診療に対する消費税の扱いをめぐっては、日本医師会などが非課税を課税にし、軽減税率を適用するよう求めている。

現行の非課税方式のままで移行すると、日本全国の病院・診療所では、経営が立ち行かなくなり倒産・廃業が出てくることは目に見えている。まさに日本の医療は危機を迎える。

要支援、17年度末で地域支援へ完全移行か

10月30日の社会保障審議会介護保険部会で、厚生労働省は、要支援者に対する介護予防給付について、2017年度末までにすべての自治体で地域支援事業への移行を終える具体的なスケジュール案を示した。

案では、地域支援事業へ移行後、要支援者が利用する「新しい総合事業」の単価や利用料について、市町村が独自に設定できる内容も盛り込まれている。

スケジュール案では、移行が開始されるのは、次の介護保険制度改正が予定される15年4月。

その後、15年度と16年度は、事業移行の実施は市町村の判断に任されるが、17年4月には、すべての市町村での移行が義務付けられる。

地域支援事業への移行が完全に終わる時期は、17年度末としている。

また、「新しい総合事業」のうち、

①訪問型サービスや通所型サービスの単価については、市町村が、その内容に応じて単価を設定できる、

②単価の上限は全国統一のルールが定められる、

③利用料は、要介護者の介護給付における利用者負担割などを参考に、市町村が設定するなどが提案されている。

さらに厚労省は、「新しい総合事業」について、地域の実情に応じた柔軟な人員配置やNPO、ボランティアといった地域資源の活用などの効率的な運営が普及すれば、その総費用額の伸びも低減できると指摘した。

「給付見込み額の伸び(5-6%程度)から、認定率が高まる後期高齢者の人数の伸び(3-4%)程度に効率化されることを推進する。」という目安も示した。

厚労省の提案のうち、「新しい総合事業」の総費用額の効率化推進について、「なぜ後期高齢者の人口の伸びに連動させるのか」との質問に、「後期高齢者は、要介護認定を受ける率が高いことが提案の理由である。」と説明。

また具体的な上限の設定については、部会での議論を通し検討する方針も示した。

■要支援とは

要支援1:

掃除など身の回りの世話の一部に手助けが必要である。

立ち上がり時に何らかの支えを必要とする時がある。

排泄や食事はほとんど自力でできる。

要支援2:要支援1相当のうち、以下が該当しない人

1)病気やけがにより、心身の状態が安定していない。

2)認知機能や思考・感情等の生涯により、予防給付の利用にかかわる適切な理解ができない。

3)心身の状態は安定しているが、予防給付の利用が困難な身体の状態。

慢性腎臓病患者の栄養の知識

バイエル薬品が実施した調査で、慢性腎臓病患者(CKD:chronic kidney disease 慢性に経過するすべての腎臓病のことをいい、患者は1,330万人(20歳以上の成人の8人に1人いると考えられ、新たな国民病ともいわれている)の半数以上が、「栄養指導を受けていない。」という結果が明らかになった。

腎臓内科以外の科に通院している場合、6割以上が栄養指導を受けていなかったことも分かった。

CKD治療で専門医以外の役割が大きくなる中、「腎臓専門医とそれ以外の専門医の連携が重要」である。

CKD患者173人(ステージ4―5)を対象にした意識調査結果では、治療のために患者が「腎臓内科のみ」「腎臓内科とその他診療科」で受診している割合は39.9%。

専門の腎臓内科以外で治療を受けているケースは60.1%に上り、CKD治療において専門医以外の役割が大きくなっている。

一方、患者の94.8%が将来の透析治療に不安を感じているにもかかわらず、栄養指導の未受診が53.8%に上った。

栄養指導を受けていない患者の割合は、腎臓内科で受診する患者69人のうち39.1%、専門科以外の104人のうち63.5%を占めた。

透析の導入を遅らせるため、患者にはカリウムやリンの摂取制限が求められるが、この2種類が多く含まれる食材を「知っているか」の質問に、29.5%が「両方知らない」と回答。

栄養指導を受けている患者に同じ質問をした場合、「両方知らない」と答えたのは10.0%。これに対して、栄養指導を受けていない場合は46.2%と、大きな差があった。

また、「腎機能が悪化すると、体内にリンが溜まることを知っているか」との問いに、「知っている」と回答したのは半数の50.9%。

腎臓内科の受診者で認識していたのは7割以上もいたのに対し、他の科の受診者は4割以下にとどまった。

適切な生活を送りながら透析導入を少しでも遅らせることが必要で、予防には医療チームで関わらなければならない。

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人口100万人あたりの透析患者数は2,383.4人となった。

前年度より54.3人増加。この数字から、全国民中の透析患者比率を割り出すと、日本国民419.6人に1人が透析患者。

男女比は、男性=184,619名(63%)、女性=110,197名(37%)。

透析患者さん全体の平均年齢は66.5歳で。昨年より0.3歳上昇。

男性の平均年齢は65.8歳、女性の平均年齢は67.9歳

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将来の看護師確保に向けた思案

11月4日、厚生労働省の原徳壽医政局長は、日本医師会の「社会保険指導者講習会」で、看護師の数を2013年現在の約150万人程度から、25年までの12年間に200万人規模に増やす必要があるとの認識を示した。

この期間に50万人(33%)の確保を目指すことになる。

一年度に平均43334人が増加していかなければ確保が困難になる。

たとえば平成20年度は国家試験の合格者は46342人である。

この年には877182人が看護師として従事している。離職がなく、全員が臨床に就職すれば目的に到達する。

そもそも、「看護師はなぜ辞めるのか、なぜ潜在看護師がこんなに多いのか。」に対する措置がない限りは、原医政局長の構想は「絵に描いた餅」である。

なぜなら、毎年、看護学生は4~5万人が国家試験に合格している。

ところが臨床で働く看護師数はいっこうに増えない。子育てに入る看護師や大切な人の介護など離職しなくてもすむ体制の確実な取得や将来の看護師を目指す人材確保のための少子化に歯止めをかけないと、ことは進まない。

広く国民の皆さんに看護を理解していただくことを目的に設定された「看護の日」は、イベント開催のために国から補助を受けているかもしれないが、国策として行っている割には騒がれない。

お偉い政府の皆さんも口にする人さえいない。広く国民には知られていないし、行き渡ってもいない。

病院にかかりつけの方々の一部が看護師の大変さを理解しているだけにすぎない。

しかし自分の子供や孫の職業として進めようとは思っていない。

そもそも看護に進む1/3は、「看護がしたい、看護師になりたい人」で、1/3は、「技術が取れれば何でもよかった」、残りの1/3は、「学校の先生や親などに勧められて、友人が進むからなど」である。

「25年までに30万人の自然増があるということも疑問がある。

現在勤めている看護師の年齢別在職者が現状の数を維持するとして60歳を定年とすると2025年までに何人の看護師がいなくなるだろうか。

片や看護師を養成する学校は、大学は増えているが、短大や専修学校は閉校したり定員割れを起こしている現状がある。

机上の計らいは現実とはマッティングしないことが多い。

有害物質危険地域10地域選定

国際的な環境保護団体ブラックスミス研究所(本部ニューヨーク)とスイスミドリ十字が12日までに、旧ソ連チェルノブイリ原発事故の放射性物質による汚染が続くウクライナのチェルノブイリなど、「世界最悪の有毒物質危険地域(有害物質による環境汚染が最も深刻な世界)の10地点を選定」し、公表した。

アルゼンチン、バングラデシュ、ガーナ、インドネシア、ナイジェリア、ロシア、ザンビア、ウクライナの8カ国10地域が「誘導物質危険地域」に挙げられ、推定2億人以上が健康リスクにさらされていると指摘、状況改善を急ぐよう求めている。

東京電力福島第1原発事故によって放射線量が高くなった地域は10地点に含まれなかったが、特記事項として「発生から2年以上たった現在も、周辺や太平洋への放射性物質漏れが続いている物質漏れが続いている」と指摘された。

M2.5、光化学スモッグで問題の中国は指摘されなかったが、肺がんなどが増加し明らかに健康被害が顕在化してきている。

こんなに災害医療チームがあって統率がとれるの?

DMAT(厚労省)、JMAT(日本医師会)、TMAT(徳洲会)、AMAT(全日病:公益社団法人全日本病院協会)など、災害時に活動する医療チームは種々あります。

その他、都道府県で災害に備え、育成しているDMATがある。

こんなにいろんなチームが混在する中で協働しながら災害時の医療救援活動ができるのであろうか。

「CSCATTT」をすべて理解しマスターしたチームであれば可能であろうが、少なくても災害医療支援チームのリーダーはすべてを理解できていなければ現場では混乱する。

被災現場でのトリアージ、被災病院支援、避難所や医療救護所での患者受け入れ、トリアージ、治療、トランスポート、後方医療支援活動などの判断と決定、指示が手際よくできる特別な資格を持つ人材を認証しなければ、難しいと感じる。

「これはできるけど、これはできない。」と言っていたら混乱を招くことは必至である。

災害時には多くの人出が必要であり、心強くは思うが、他のチームとどのように連携をとるかが重要である。

それぞれのチームで役割が固定されているのであればいいのだが・・・。

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チーム医療推進のための薬剤師のバイタルサイン測定

2025年の超高齢化社会に向け日本の医療は大きく変わろうとしている。

特にチーム医療では医療に携わる専門職がそれぞれの能力を発揮することが求められ、「施設から地域へ」「医療から介護へ」に向かって着々と役割が見直されている。

病院における薬剤師も薬局にいる薬剤師も患者の傍らで服薬指導や相談を受けることが多い。

看護師に一々バイタルサインや一般状態を確認するのではなく、薬剤師自らがバイタルサインを測定し、現在の状態を把握して薬の効果や副作用を確かめることが今後進められることを願っている。

また薬局の薬剤師が在宅の患者を訪問して服薬指導や体の状態を確認し医師へ薬剤について提案する上でも薬剤師の役割拡大は必要と考える。

また嚥下障害で胃瘻やTPNなどの経管チューブからの服薬注入の指導も在宅では必要になる。

薬剤師の業務拡大で医師も看護師も「雇用の質」が随分よくなり、患者も家族も安心できる。

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防火点検の強化

10月11日未明に全焼し入院患者等10人が死亡した「安部整形外科」(福岡市博多区)の建物は、建築確認の届けを出さずに増築したり、防火戸の閉鎖を煙で検知する方式に変更せずに放置していたほか、4階部分の防火扉がひもで縛ってあり、閉められない状態だったことなどから、厚生労働省は、医療機関のスプリンクラーや防火戸などの設置状況や防火体制の確認のため、全国の病院や有床診療所、入所施設のある助産所の実態調査を始めた。調査は、①消火栓や火災報知設備、②避難訓練の年間実施回数や夜間訓練の有無、③スプリンクラー設置の有無、④建物の増改築歴や延べ床面積などの構造、⑤防火戸の種類、防火戸の枚数、改修年、⑥エレベータの設置状況、⑦防火戸の閉鎖に不可欠な検知方式(温度ヒューズ式、火災報知器と連動する方式、炎の赤外線や紫外線を検知する方式)などの計7項目で行われる。

また、職種ごとの職員数、夜間を想定した訓練をしているかどうか。

重症で移動困難な患者を低層階やナースステーション付近に収容しているかなど。

調査は、都道府県を通じて医療機関に依頼し、11月1日を基準日として、防火設備の設置状況は来月6日、防火対策の体制整備状況は来年1月末をそれぞれ提出期限としている。

防火は「出火させない」ことであるが、その目的は、「出火を防ぎ患者の命を守る」ということである。

「そのために普段の点検を行っている。」という意識が全職員に浸透しているかが問われる。

訓練も同様で、年2回行わなければいけないから行うのではない。

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