月別アーカイブ: 2014年4月

静岡でインフルエンザB型発生

9月18日、静岡県東伊豆町の町立熱川小学校で、2年生の1クラス27人中、8人が38度以上の熱を出し、17日に欠席した。

このうち7人がインフルエンザB型と診断され、学校では学級閉鎖とした。

今シーズン、全国では初めてだ。

先日の台風18号の直後から静岡県内は一気に乾燥し、感染が広がったと考えられている。

インフルエンザウイルスは、A型・B型・C型の3種類に分類され、B型は、インフルエンザの種類の中でも、A型に次いで流行性が高い。

季節性に毎年のように地域の病院などで流行するタイプはA型のインフルエンザウイルスで、B型は毎年のように流行することはないが、やはり数年おきに登場し猛威を奮う。

C型のインフルエンザウイルスは、症状が通常のかぜと同程度であり流行性が低く、一度免疫を獲得すると、ほぼ一生涯免疫が持続できる為、C型ウイルスが話題に登場することはあまりない。

B型のウイルスはウイルスの表面を覆っている糖たんぱく質組織である表面抗原の突然変異のスパンが遅いという特徴がある。

また宿主が人で、粘膜や皮膜を通じる接触感染とくしゃみや咳などによる飛沫感染で感染する。

インフルエンザB型ウイルスの最大の特徴は、「表面抗原」が一定期間ごとに変化しているので、新しいタイプのインフルエンザが発生すると、今までの免疫は当然働くことができない。

インフルエンザの特徴は冬場~春先に大流行するという傾向がある。B型ウイルスの場合は、毎年の季節性インフルエンザ(A型)の流行が終わった直後の2月~3月にかけて流行するケースもある。

症状は、一般的な風邪症状と非常に似ていて、①胃炎、②上気道炎、③気管支炎、④発熱(38~40℃)、⑤寒気・悪寒戦慄、⑥咳嗽、⑦喀痰、⑧頭痛、⑨倦怠感、➉関節痛、⑪筋肉痛、⑫腰痛、⑬体重減少があげられ、一般的な風邪症状との大きな違いは、発熱が突然発症し急激に熱が上がったり(38℃以上)強い悪寒やふるえが見られる。

予防は、うがいや手洗い、マスクの着用などである。

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介護ロボットの調査結果

介護ロボットとして、排泄物を自動的に処理するトイレや、ベッドから車いすへの移動を補助する器具などの開発が行われている。

内閣府がそうした「介護ロボットに関する特別世論調査」の結果を12日に発表した。

質問は、ロボットの認知度や魅力などの7項目。8月1~11日に全国の20歳以上の3000人を対象に実施し、1842人から回答を得た。

在宅介護をする際、ロボットの利用に前向きな考えを持っている人が約6割に上ることが明らかとなった。

また介護ロボットを「利用したい」と答えた人は24.7%、「どちらかといえば利用したい」と合わせて59.8%になった。

介護を受ける場合も、「利用してほしい」「どちらかといえば利用してほしい」を合わせた回答が65.1%だった。

利用したい理由としては、「介護をする側の心身の負担が軽くなる」が63.9%で最も多く、次いで「介護する人に気を使わなくてもよい」の41.5%だった。

人を介護するということは心身ともに疲労する。

人を支えること、移動することなど若い人でも足腰への負担は体力的にきつい。

活用できる介護ロボットは大いに活用して介護が少しでも苦痛にならないように、継続できるような環境が整えられるとよい。

あと10年もすれば団塊の世代が後期高齢者となり介護の需要はますます高まっていく。

【介護ロボットの種類】

  1.介護支援型ロボット(移乗・入浴・排泄)

  2.自立支援型ロボット(歩行・食事・読書・リハビリ)

  3.コミュニケーション・セキュリティ(癒し・見守り)

思いこみは事故のもと - 確認の重要性 - 

9月12日、愛媛県立中央病院の看護師(27歳)が、2011年12月に入院中の男性患者(70歳)の呼吸を確保するために首に開けた「永久気管孔:のど(咽頭、喉頭)やその近くに病気があって、治療のため喉頭をとり除かなければならない時、呼吸のために気管を前のほうに出して首の皮膚に縫いつけ呼吸をする入口(穴)をあけ、この穴から呼吸や発声をする(鼻孔や口腔の役目をする)」に通気性のないシートを貼り、患者を窒息死させたことで業務上過失致死の疑いで書類送検された。

看護師は男性の永久気管孔を通常の気管切開孔と誤認(事実を誤って認識すること)し、鼻や口でも呼吸できるものと勘違いしたため、通気性のないシートを貼ったという。

「永久気管孔と通常の気管切開孔は見ただけでは区別がつかない。」こうした誤認を防ぐために事故防止マニュアルがあり、マニュアルに沿って永久気管孔か通常気管孔かを確認することがなされていればこのような医療事故は未然に防ぐことができた。

確認をすること以外に思い込みを防ぐ手段はない。

気管切開をしている患者の気管孔をふさぐ必要があるときの確認の手技がマニュアルの一連の流れにあると思うが、なかったとすれば施設にも問題がある。

同病院は、2012年2月7日、再発防止策を盛り込んだ報告書では、「臨床現場での看護教育が不十分で、カルテに依存し看護師間や医師との情報共有が不足していた(カルテに「喉頭癌(がん)」「気切孔あり」との記述があったが、「永久気管孔」とは書かれておらず、看護師が口と鼻からも息ができると思い込んでいた)ことが原因で、再発防止策として、(1)医師が講師を務める研修の実施、(2)カルテに加え、対面・口頭での再確認の徹底、(3)全業務の見直しを進める改善推進本部設置が掲載されているが、残念ながらこれでは医療事故は防げない。

基本に戻って鼻や口での呼吸音を聞いたり、気管切開孔より上部の気道音を聴診器で確認したり、糸くずやティッシュ片を口元や鼻孔に近づけ呼吸で動くかどうかを気管切開孔のある全患者で行うようにしなければ知識と事故防止が結びついていかない。

一般的な気管切開図
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いじめられるとなぜ自殺する?

アメリカの精神分析学者ハインツコフート(Heinz Kohut, 1913-1981)は、「人は頼りたいし、頼られたい」という自己愛(『自分に対する愛』と『自己対象(大切な他者)に対する愛』)の双方を含み、自分自信だけを愛する病的な愛情などではなく、『健全な自己愛』を発達させることによって自分に自信を持って他者とコミュニケーションができるようになっていく)を持っていて、精神的ストレスや他者との衝突、深刻な挫折、自尊心の傷つきなどを乗り越えて、自分に対する自信と未来の希望を失わずに生きていく。

そのためには、『自己愛の発達』が必要不可欠であると説いている。

マズローは、欠乏欲求として「存在と自尊心の欲求(認められたい)」や「所属と愛の欲求(皆と仲良くやりたい)」をもっている。こうした欲求が満たさなければ人は自己存在を否定してしまう。

つまり生きていけないのである。

自らの存在を己の力で抹殺(自殺)してしまう。

したがっていじめの状態はこうした心理的状況が解決しない限りは功を奏さない。

つまり「いじめがなければ自殺は減るか」と言うことである。

要は自分の存在が集団の中にあるかどうかということなので、際立ったいじめがなくても自殺する人は出てくる。

仲間集団から頼られない場合、その集団に自己の身を置くことは難しい。

頼れる人がいればいいが・・・。

いじめによる自殺の根源は、「心理的な存在感」を自己ももてない、他者ももっていないことに起因している。

RSV(resupiratory syncytial virus:RSウイルス)感染症が増加

国立感染症研究所感染症疫学センターによると、8月26日―9月1日の週のRSウイルス(5類感染症定点把握疾患)の患者報告数(小児科定点医療機関約3000か所)は、調査を開始した2003年以降の同期比で最多の2004人となっており、乳幼児が重症化するケースもあることから、注意を呼び掛けている。

RSウイルス感染症患者は、福岡の268人が最も多く、ついで東京146人、大阪144人、宮崎119人、鹿児島98人、新潟86人、山口78人、埼玉72人などで、東京や山口、新潟は、前週に比べて患者数が倍増している。

日本では、11月から1月にかけての冬季の流行が多く報告され、熱帯地域では雨期の流行が多いとされている。

RSウイルス感染は2-5日の潜伏期間を経て、39℃程度の発熱、鼻汁、咳嗽などの症状が出現し、乳幼児の約50%が肺炎に、50~90%が細気管支炎に罹患する。

1歳までに50~70%以上の新生児が罹患し、その1/3が下気道疾患を起こすと報告されていて、3歳までにほぼ全ての小児が抗体を獲得する。

母親からの抗体では、感染が防げない。

くり返し感染しながら徐々に免疫を獲得する。

患者のほとんどは軽症で済み、通常1-2週間で軽快する。

しかし、小児を中心に呼吸困難や細気管支炎、肺炎など重症化するケースもある。

特に早産児や心肺系に基礎疾患のある乳幼児は重症化するリスクが高い。

感染予防策は、風邪と同様で、外出後の手洗いやマスクの着用、人ごみの中を避けるなどである。

またRSウイルスは、直径80〜350nmの球形、あるいはフィラメント状のウイルスで環境中では比較的弱く、凍結からの融解、55℃以上の加熱、界面活性剤、エーテル、次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系消毒薬などで速やかに不活化される。

感染力は強く、飛沫と接触感染の両方で感染し、発症前にも周囲の人を感染させる。

小児は症状が消えてから1~3週間後も感染力を失わない。

しかし、医療現場での厳重な手洗いは感染率を低下させる。眼及び鼻粘膜からも感染すると考えられていて、通常の鼻と口を覆うマスクでは効果はないとされている。

看護する保護者や現場の医療従事者が、気管支炎やインフルエンザ様症状をおこし、多量のウイルスに曝されるため、小児より重症になることもある。

RSウイルス
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高額療養費制度の見直し

厚生労働省は9月9日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)医療保険部会に対し、医療費の自己負担が上限額を超えた分を払い戻す高額療養費制度の持続を脅かす給付の膨張(全体の年間払戻額約2兆円の8割近くを70歳未満の世代と70~74歳の世代で占める)に歯止めをかけるためにきめ細かい仕組みに切り替える方針を示した。

高額療養費の負担上限額は現在、70歳未満では、「上位所得者」(年収約790万円以上)で一か月15万円、「一般所得者」(同約210万-約790万円)で8万円、「低所得者」(住民税非課税)の高額療養費3万5400円で、3区分ごとに自己負担限度額を設定しているが、見直し後は上位所得者と一般所得者の区分を細分化し、70歳未満と70~74歳の世代で、所得の高い人の月々の上限額を引き上げ、年内に同部会で見直し内容をまとめる予定である。

実施時期は、70~74歳の医療費窓口負担を現行の1割から本来の2割に引き上げる時期を踏まえて決める方針となっている。

月々の療養費が上限額を超える場合で、支払いが困難な場合は該当する健康保険課に申請すれば月々の上限額を支払えば療養ができる制度を活用することも看護師は理解しておくと患者の相談にのることができる。

都内全病院がEMIS接続可能に

阪神淡路大震災(1995年発生)で、医療機関の間で情報が途絶したことから、一部の医療機関に傷病者が集中するなど初動時の対応に混乱があった。

この経験を踏まえ、救護班派遣の可否等 災害時の医療救護活動に必要な情報を、災害時に被災した都道府県を越えて医療機関の稼動状況など災害医療に関わる情報を共有し、被災地域での迅速且つ適切な医療・救護に関わる各種情報を集約・提供することを目的としている「広域災害救急医療情報システム(EMIS:Emergency Medical Information System)」に都内の全病院が接続可能となる。

東京都は、救急告示医療機関だけが接続していたEMISを改修し、来年度中に対象を都内の約600病院に拡充し、災害時の病院の稼働状況や患者受け入れなどの情報を共有することで、迅速な救護活動につなげていく予定だ。

各都道府県のシステムで共通の災害医療情報を収集したり、ネットワークに接続している医療機関は、患者の受け入れ可否の照会や、被災状況などを登録できる。

東日本大震災時にEMISに未登録だったり、情報を入力できなかったりした医療機関があったことから、厚生労働省の災害医療に関する検討会は、2011年10月にまとめた報告書で「都道府県は災害拠点病院以外の医療機関にもEMISの登録を促す必要がある」と指摘し、災害時の情報連絡体制の強化が喫緊の課題となっていた。

こうした状況を受け、東京都はこれまで約320の救急告示医療機関に端末を設置していたEMISの拡充に着手し、今年度から約7000万円をかけて、サーバー増強などの改修を行い、都内の全病院が接続可能な体制を整備する方針である。

災害時の情報取集や情報提供により病院の役割が発揮できることを願っている。

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離職看護師の求職情報の一元化

出産・育児などで離職した看護師の職場復帰を支援するため、2014年度から全国のハローワークに登録された看護師の求職情報を、各地の看護協会が再就職支援の拠点としている都道府県の「ナースセンター」に提供することを厚生労働省が発表した。

求人・求職情報をナースセンターに一元化することで、資格を持ちながらも働いていない「潜在看護師」が再就職しやすくし、看護師不足解消を目指すとともにナースセンターとハローワークの実情での利点を活用する予定だ。

全国47都道府県に設置されているナースセンターは、知名度が低く、十分に活用されていないのが実情だ。

一方、ハローワークは、離職した看護師の多くが雇用保険の受給手続きに訪れるため求職情報は集まりやすいが、医療機関との連携や専門知識が不十分な面があった。

かつて看護師の応募者に募集情報の入手ツール(ハローワーク、インターネット、友人、チラシ広告など)を確認したところ、ハローワークがトップで、次いでインターネット、友人の順であった。

こうした機能がより有効に稼働し復職支援となることを願う。

次は復職者の勤務時間や身分などの処遇面の改善が必要である。

血液中の成分量の求め方と血漿の働き

体内の血液量(血球:有形成分、血漿:血漿成分)は、体重kg×体内に占める割合(%)で求められる。

成人で体重の7%が血液量である。

そのうち細胞成分(赤血球・白血球・血小板)が全血液量の45%で、血漿(水、血漿蛋白:アルブミン、グロブリン、フィブリノーゲンなど、非蛋白性窒素化合物:中性脂肪、コレステロールなど、ブドウ糖)は55%である。血漿内の蛋白質は血漿量の7%、脂質は1%、糖質0.1%、無機塩類(ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、クロールイオン、重炭酸イオンなど)が0.9%、水91%である。

体重が60kgとすると、全血液量は、4,200mℓ、細胞成分が1,890mℓで、血漿が2,310mℓとなる。

血漿のうち、水が2,079mℓ、血漿蛋白が161.7mℓ、脂質が23.1mℓ、糖質が2.3mℓ、無機塩類が20.8mℓとなる。

■血漿の働き

1.栄養物を組織に運ぶ。

2.代謝老廃物を腎臓に運ぶ。

3.血管外の細胞外液と水分を交換する。

4.高い熱伝導性と比熱による体温調節

5.抗体や捕体による生体防御

6.ホルモンの運搬

体内の体液量の求め方と役割

体内の体液量(細胞外液と細胞内液)は、体重kg×体内に占める割合(%)で求められる。

発達段階により体内に占める体液の割合が異なり、以下のようになる。新生児の体液の割合は体重の80%、乳幼児は70%、成人が60%、高齢者50~55%である。

また細胞内液が占める割合は、新生児が体重の40%、成人が40%、高齢者30%であり、細胞外液が占める割合は、新生児が体重の40%、成人20%(組織間液15%+血漿5%)、高齢者25%(組織間液18%+血漿7%)である。

体重60kgの成人の場合は、体内体液量が36ℓ、そのうち細胞内液が24ℓ、細胞外液12ℓ(血漿3ℓ+組織間液9ℓ)である。

体液は恒常性が保たれながら以下の働きをしている。 

■細胞内液

1.イオン物質(カリウム、リン、マグネシウムなど)を溶かしこんでいる。

2.浸透圧の維持

3.神経-筋の活動

4.酸-塩基平衡

5.エネルギー代謝

■細胞外液
1.イオン物質(ナトリウムとクロール)を溶かし込んでいる。

2.ナトリムイオンの働き:浸透圧の維持、神経-筋活動調整、酸-塩基平衡、カリウム濃度の調節、水分排泄の調節。

3.クロールイオンの働き:酸-塩基平衡の調節、血液浸透圧の調節、動脈圧の維持                

4.組織間の毛細血管で血漿と組織液を交換する。

■体液バランス図

排泄と摂取はホメオスターシス(恒常性)が保たれている。

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